【連載第二十一回(最終回)】京大新聞の百年 制約下でウェブ活用、紙面一時休止も復活
2025.01.16
この時代になぜ新聞サークルに人が集まるのか――4月に迫る京大新聞の創刊100周年に向け、歴史を振り返るべく60人以上の卒業生に話を聞いてきた連載の最後は、現役世代について書き記す。「コロナ禍」を含む数年間を通史で振り返るとともに、現役編集部へのアンケートを通して冒頭の問いへの回答を図る。通史は18年入学の(村)が執筆した。(編集部)
聞き取り⑪ 現役編集部アンケート 2020年代の編集員の考え
拾い読み⑲ 休止経て新連載の定着も 2019〜2024年の紙面
2020年3月末、学生団体の間でうわさが流れた。
「課外活動施設が使用停止になるらしい」
不穏な空気は漂っていた。この年の1月に国内で初めて感染者が確認された新型コロナウイルスは、徐々に各地へ広がった。3月には小中高校が一斉休校となり、東京オリンピックの延期も決まった。京大では卒業式が中止となったほか、構成員に対して海外渡航や課外活動での遠征を控えるよう求める通知が2月から出ていた。
それでも、冒頭のうわさは現実味が乏しかった。京大新聞などが拠点とする西部課外活動棟は構造上、建物自体を完全施錠できず、使用停止のイメージが湧かない。そのうえ、大学が3月26日時点で前期授業を「予定通り開講する」と発表していた。危機感が高まりきらないなか、京大新聞の編集部は例年3月末に発行する4月1日号の印刷を終え、新入生に配る新聞の折り作業などで慌ただしくしていた。
迎えた3月31日、京大は文書を発表し、「当面の間、公認・非公認を問わず学内外でのすべての課外活動を自粛するように強く要請する」と通達した。あわせて運動施設や西部課外活動棟などを使用停止とすると発表し、新歓のためのビラ配布や会食を「絶対に控えて」と求めた。
通達の適用が翌日からで、準備期間が想定外に短かった。大学から独立した運営を掲げる京大新聞としては、受動的な「自粛」に抵抗があったものの、編集員の安全を考慮し、ひとまず思いつく限りの部室での作業をその日のうちに済ませた。その後の対応は2日後の定例会議で検討することにした。
大学によっては「活動禁止」を通告する例もあったが、京大の発表は、施設の運営も含めて学生の自主的な活動を認めてきた慣例からか、「自粛」を求めるという表現にとどまった。しかし、結果的に効力を発揮し、課外活動棟はもぬけの殻となった。その要因としては、政府が「緊急事態宣言」の発出を可能にする手続きを整えたり著名な芸能人が肺炎で亡くなったりと、日ごとに緊張感の高まる要素が増えていた情勢に加え、通達で新歓活動に釘を刺したことで、活動を強行すれば新入生らの心象を悪くするという心理が働いた側面もあるだろう。
翌4月1日に京大は、原則すべての授業を臨時休講すると発表した。開講の方針を数日で撤回した背景について山極総長は、「ここ数日で京都市内の大学においても著しい集団感染が懸念される緊迫した状況が生じている」と説明した。これには、市内の他大学で送別会をきっかけとする学生の集団感染が報じられて苦情が殺到した事案が影響したとみられる。
死者が多数発生した感染症としての怖さに、「自粛警察」という言葉が流行するなど世間の目を気にする風潮も相まって訪れた異常事態は、その後3年間続くことになる。
「自粛要請」直後の編集会議は、部室へ集まらずにアプリの通話機能を用いて開催した。完全オンラインでの会議実施は史上初だろう。
まず新聞発行をどうするか。方針はすぐに決まった。当面は発行を停止したうえで、通常1か月遅らせるウェブサイトでの記事掲載を紙面発行に相当する日程で実施し、状況が整った後にすべて紙面化することにした。広告主や定期購読者との関係性が紙面を前提としているという事情に加え、編集員の間で紙を出してこその新聞という共通認識がみられ、紙媒体を残す方針に異論は出なかった。自宅でレイアウト環境を整えて発行を続ける案も挙がったものの、課外活動が認められない状況では普段のように学内便で研究室などへ新聞を送ることができない。授業のない構内に人が来る見込みも乏しく、頒布作業に伴う編集員の感染リスクの回避を優先すべきとの結論に至った。
こうして、終わりの見えない在宅体制がはじまった。ほどなくして政府が「緊急事態宣言」を発出し、あらゆる社会活動がストップした。京大新聞の無人販売ボックスには、「京大 授業開始は延期せず」という古い情報にもとづく見出しが躍る4月1日号が残されたままとなった。
長年手がけてきたアルバム制作も、大きな検討課題となった。卒業式が中止されたが、学位授与式は行われたため、卒業アルバム用の写真撮影はできた。問題は入学アルバムだ。入学式が中止され、関連行事の大半が見送られた。例年、英語の授業前後に撮影するクラス集合写真も、休講が続けば実現が難しい。それでも、すでに購入予約を受け付けていたこともあり、どうにかアルバムを作りたい……すぐには結論が出なかった。
その後の会議では、全学共通科目が前期いっぱいオンライン開講となったことをふまえ、規模を縮小して写真冊子を制作する案など様々な手を検討した。結局、感染症の収束が見えず、8月に発行中止を決断。予約者には返金することにした。
ウェブでの「発行」は軌道に乗った。バラバラに記事を配信するのではなく、のちに紙面化することを念頭に号ごとの区切りを維持し、従来通り各号にデスクを置いた。面が埋まる分量や本数を意識して記事を用意し、月2回のペースで配信した。コロナ対応など流動的な話題は速報として配信時期を早めた。
異例の状況で、編集部のオンライン作業体制が整備された。従来は情報漏洩を避ける観点から、記事原稿やレイアウトデータ、メールアカウントに至るまでほぼすべてを部室のパソコンに集約していた。校正作業は印刷した原稿に書き込んでやりとりしていたため、新聞の発行日が近づくと部室に集まるのが当たり前だった。その前提が崩れたことで、各自のパソコンから各種データにアクセスする体制に切り替えた。
連絡ツールも刷新した。2000年代以来、全体向けの連絡にはメーリングリストしか使っていなかったが、チャットアプリを導入したことで、会議以外でのやりとりが円滑になった。
一方、オンライン会議は活発とは言えない雰囲気だった。先行きが読めない情勢に、音声通話という形式面での発言しにくさも相まって、もともと発生しがちだった沈黙がさらに増えた。お互いの顔が見えないことに原因を求めてビデオ会議アプリを導入したものの、ほとんどの出席者がカメラをオフにしたため、名前だけが並ぶ画面に向かって話す状態だった。対面の会議であれば、記事の担当者が決まらないときに目くばせして様子をうかがったりできるが、音声のみでは難しい。通信環境などの事情もあるためカメラオフ自体を責めるべきではないとはいえ、作業の分担が一部の者に偏った感は否めなかった。
オンライン化によって遠方の帰省先などからでも作業に関与しやすくなった一方、部室と自宅の線引きがなくなり、「仕事」から逃れられない感覚を抱いた者もいただろう。また、もともと辛辣な指摘もあった校正作業は、対面でのフォローが消えて無機質なテキストのやりとりに変わった。部室のパソコンでアニメを見たり飲み会で談笑したりする光景もなくなった。制約のある生活にこれらが重なれば、ストレスが溜まっても無理はない。オンライン体制への移行後に活動から離れた者が一定数いたことは、この時期の影の部分として記録しておきたい。
さかのぼると、「コロナ禍」直前の時点で編集部は疲労困ぱいだった。2017年度の途中に複数の編集員が去って新歓に人手を割く余裕がなくなり、翌年の入社人数は極端に少なかった。18年から19年にかけて、新聞の編集作業が間に合わず、印刷会社に詫びて入稿日をずらすことが複数回あった。月2回の発行を1回にまとめる合併号や裏表1枚のみの2面発行を頻発したほか、4面構成の号でも、教員の小説「ラノベで読む日本文壇史」や元吉田寮生による「吉田寮百年物語」など、中面を寄稿の連載に頼ることが多かった。スペースが空いてしまい、購読者に申し訳なく思いながら大きな自社広告で埋めたことは一度や二度ではない。
19年度は役職を回せる人数が入社したものの、他サークルと掛け持ちしている者が多く、運営に余裕はなかった。さらに、西部の学生団体の自治組織である「西団連」の役職として幹事長というまとめ役を務めることになりトラブル対応に追われたほか、入学・卒業アルバム制作をめぐって業者との連携がとれなくなり、発送の遅延などの問題が生じた。結局、アルバムは別の業者と制作することにした。
閉塞感を打開するべく、新年度を前に新歓イベントの開催を検討していたが、予期せぬ感染症の猛威により白紙となった。
オンライン体制では、大学のコロナ対応を報じたほか、20年7月に行われた総長選に際して施策の振り返りや教員座談会などの特集を配信した。このとき、長らく実施していなかった学生へのアンケート調査にも取り組んだ。収集方法に難があり一部の教員から批判を受けたものの、約500名から得られた計4万字を超える記述回答を通して、大学運営に対する学生の問題意識の可視化を図った。
5月下旬の緊急事態宣言の解除以降、学内外で各種制約が徐々に緩和された。7月上旬には、大学が屋外に限って対面での課外活動を認めた。屋外作業による新聞頒布という道筋が浮上し、発行再開へ光が差した。ところが、体育会の団体で活動後の会食に起因するとみられる集団感染が発覚し、大学当局が再び全面的な自粛要請を出した。
同じころ、新総長決定の記者会見が対面で開かれた。京大記者クラブに加盟する京大新聞は通常ならば出席できたはずだが、課外活動の制限を理由に入場が認められなかった。各社が会場に集まるなか例外的に拒否され、代わりに音声提供や質問取り次ぎを求めたが、「例外は作れない」という理由で断られた。一方、10月の就任会見の際は制限が緩和されており、出席が認められた。このように、大学が感染状況に応じて活動制限の強化と緩和を繰り返し、その波に揺られて思うように取材できないことがしばしばあった。一連のコロナ対応の変遷については、23年4月にかけて特集記事を計5回掲載した。
8月末に再び屋外活動が認められた。改めて新聞頒布の再開へ向けて交渉したものの、大学側は他の文化系団体と足並みが揃わないことをふまえて難色を示した。結局、9月に入って屋内活動の制限が一部緩和され、頒布再開の条件が整った。
分担して各自のパソコンでウェブ配信済みの記事をレイアウトしたところ、計30面分になった。奇数面となる号どうしをつなぎ合わせつつ、少しずつ日をずらして入稿前の最終チェックをこなし、号ごとの紙面化が完了した。定期購読者には「発行再開」と大きく記した表紙を付けて送った。
発行再開に安堵しつつ、葛藤が続いた。活動制限の緩和に際し、大学は感染対策として毎月の活動計画書の提出を求めた。新聞発行前に取材情報を大学に知らせることになるため、報道機関として好ましくなく、のちに卒業生から抗議すべきと助言されたこともあったが、ここでは甘受した。取材の詳細は記載不要だったため妥協できたという側面もあるが、半年間うかがった頒布復活の機会を逃したくないという考えも強かった。
外に目を向けると、自粛を経て消滅したサークルが複数あった。存続した団体もそれぞれ悩みを抱えていた。紙面では、歴史ある演奏会の中止を乗り越えた交響楽団の活動や、複数の大学の学生団体による映画制作の取り組みを取材するなど、苦境に立ち向かう学生の姿を追った。
幸い京大新聞は、20、21年度とオンラインでの新歓で新編集員を迎えることができた。このころ入社した編集員は、近隣飲食店のテイクアウトメニューや長編映像作品をレビューしたり、近場の観光スポットを写真で紹介したりと、制約下ならではという視点で企画記事を立案した。なかには、数年前ならば「もっと独自の切り口を」と却下されそうな案もあった。それでも、生活が様変わりしたこの時分では、「日常」を取り上げることに意義を見出しえた。
報じるべき話題は尽きず、ニュース記事で様々なネタを扱った。20年度からキャップ制が本格化して履修登録の自由度が下がったほか、22年3月に保健診療所が閉鎖され、福利厚生の縮小を危惧する声が上がった。これらに加え、吉田寮や立て看板、琉球遺骨をめぐって続いていた裁判を追い、授業動画公開サイト「OCW」の廃止や霊長類研究所の改組なども報じた。まれに京大にとどまらない社会問題を扱うこともあり、学生の視点を意識して記事化している。たとえばロシアによるウクライナ侵攻をめぐっては、ロシア留学から帰国を余儀なくされた京大生や、京大が支援策として受け入れたウクライナの学生にインタビューした。
21年6月からは西部課外活動棟の会議室が使えるようになり、編集会議を対面とオンラインの併用に切り替えた。施設の利用再開まで、道のりは長かった。20年6月ごろから西団連が大学と交渉を重ねたものの、職員の求める他施設の自治組織との調整や感染対策ガイドラインの策定がなかなか進まなかった。京大新聞は19年末時点で幹事長を引き継いでいたものの、制限緩和を待ちかねて後任の幹事長に対応を催促したり大学との打ち合わせに同席したりと、進展に向けて動いた。吉田南集会所が似た境遇ながら9か月早く利用再開に至ったのに比べると、西団連は意思決定の面で課題を露呈した格好となった。
京大新聞では例年、入試の際に会場付近で受験生に新聞を無料配布しているが、21年度入試では文科省が現地での激励やビラ配布を控えるよう通知を出した。受験生の安全確保を優先し、この年は手配りを断念した。代替策として、約900校に及ぶ高校や予備校に紙面を無料で送付した。個人への無料送付も受け付けたところ、取り組みが一般紙で報じられ、多数の申し込みがあった。同年の夏にも他紙から取材を受け、それにあわせて試し読み企画を実施した。
受験生応援号では予備校から広告を得ていたが、配布中止により出稿を見送られた。コロナ禍でも堅調だった企業から広告を得られたものの、全体的に広告収入は減少した。
同じく収入源であるアルバム制作にも動きがあった。20年の入学式は中止されたが、その年の入学者を対象とする式典が翌春に開かれたことで、写真撮影と入学アルバム制作が実現した。前年の刊行中止に伴う返金対応や旧業者との契約清算、新業者の選定および関係構築、各所とのコロナ対応の調整などを経て2年越しに完成したアルバムは、クラス写真がなく例年よりページ数の少ないものだったが、オンライン生活に慣れた手には重たく感じられた。
紙面発行の再開後もしばらくは部室の利用が認められず、在宅作業が続いた。徐々に記事が増える一方、ひずみも生じた。オンラインではレイアウトの修正事項を伝えるのが難しく、印刷会社への入稿時間になっても仕上げ作業が終わらないこともあった。綱渡りの発行が続き、21年12月には重大な誤記載により謝罪記事を出す事態となった。以後、校正作業にチェックリストを導入し、のちにレイアウトのマニュアルも作成した。
22年には10人が入社し、7人ほど定着した。徐々に上回生が去って実働の学年が若返り、ノウハウの継承という課題に直面したものの、人が増えたことで多様な嗜好が紙面に注ぎ込まれた。23年5月には活動制限が完全撤廃され、コロナ禍は区切りを迎えた。その前後の紙面では、何かに打ち込む京大生に光を当てる「京大知伝」や、教員インタビュー「研究の現在地」が連載として定着したほか、政府が大規模支援を打ち出した国際卓越研究大学制度(22年法案提出)や京大入試の女性募集枠の導入(24年発表)をめぐって、教員らの様々な声を聞く特集を組んだ。一部のニュースでは大学への情報公開請求や関係者からの情報提供を活用し、「独自」と題した記事も出した。
最近は1号に載る記事本数が増え、各記事の分量も増加傾向にある。多ければ良いというものではないが、ときには翌号へ回すほど記事があふれるなど意欲的な姿勢がうかがえ、数年前とは隔世の感がある。年間の合計面数をみても、18年の76面から24年には124面に増えている。ボリュームアップに呼応するように販売ボックスの新聞の減り具合がよくなり、24年は19年の約1・2倍になった。それでも直接の反響を感じる機会は多くなく、短歌募集やアンケート掲載で読者の声を求めてきた。
読者層の拡充や双方向性という点で、ウェブサイトの整備は重要だ。京大新聞の自社サイトは長らく、バージョンが古く、スマートフォンでの閲覧に未対応などの課題があったが、放置されていた。21年夏、人員が確保できたため、17年から空席となっていたウェブ担当を復活させた。これを機にリニューアルの検討が進み、好条件の業者に委託して22年9月に結実した。改良直後には、月ごとのビュー数が前月比で1・6倍になった。
見た目は刷新されたが、テキストを掲載する地道な作業は変わらない。意欲の継承も欠かせないなか、目下のところ役職として定着して引き継がれている。
ウェブ記事の掲載をツイッター(現・X)と連動させる告知体制も確立した。理学部で追加合格者が出たことを報じた記事では、取材した学生による有名小説に絡めた発言が反響を呼び、告知の投稿が拡散された。24年に吉田寮訴訟の一審判決が出た際には、紙面に先立つ速報を試験的に投稿し、一定の手応えを得た。
このほか耳目を集めた例として、統一教会系の原理研究会に関する記事がある。京大新聞では1970年代から注意喚起の報道を続けてきた。2022年に教団への恨みが動機とされる元首相襲撃事件が発生し、本紙のウェブ記事が著名な弁護士のSNSで紹介されたほか、テレビ番組などでも取り上げられた。
ここ数年で、通算2700号を迎えたり、東京大学新聞や熊本大学新聞と交流したり、一般紙や研究者から取材を受けたりと、自分たちの取り組みを顧みる機会に恵まれた。これからの時代に大学新聞として何ができるのか。その模索の土台として、団体の歴史を振り返るべく23年秋から紙面連載を進めてきた。25年4月の創刊百周年に向けた活動としては、24年に10年ぶりに11月祭に出展し、講演会2本(サイゼリヤ元社長・堀埜一成氏と小説家・平野啓一郎氏)や京大新聞の歴史を振り返る展示を開催した。同じく10年ぶりとなる文学賞の作品募集もはじめた。4月1日号では、特別紙面の発行を予定している。
かつての紙面には「編集部より」という編集後記的な欄があったが、近年は自分たちの活動について述べる記事をあまり載せていない。一方、百周年事業の一環で過去の新聞を見返すと、紙面に散りばめられているちょっとしたコラムから、運営面での変化や苦悩を見出せることがしばしばあった。また、卒業生への聞き取り取材では、新聞を読む人が減っている今の時代に現役編集部がどのような思いで活動に取り組んでいるかに興味があるといった声を複数人から受けた。そこで、連載の最終回として、現役編集部の感覚を可視化するべく、これまで卒業生に尋ねてきた質問を編集員にもぶつけてみた。(村)
まず、大学入学以前に新聞部や学級新聞などに携わった経験の有無を尋ねると、半数以上が「ない」と答えた。また、かつてはマスコミ志望で入社する者が多い時期もあったようだが、現在の編集部ではそのつもりで入った者は7%と少ない。一方、活動を通して志望度が上がったと答えた者が36%みられ、入社後の進路選択に多少なりとも影響していることがうかがえる。
会議の雰囲気に関する問いでは、「和気あいあい」と答えた者はいなかった。「淡々としている」が最も多く、人数のわりに粛々と議事が進んでいる印象があるようだ。
自分たちの媒体をどう認識しているか尋ねた問いでは、約3割が「マスコミ」、約7割が「ミニコミ」と答えている。「ミニコミ」寄りの雰囲気は、重視されるネタを答える設問からも見てとることができ、「京大に直接関係の薄い社会問題」よりも「編集員個人の興味にもとづく記事」のほうが「かなり重視」と「多少重視」と答えた人数が多い。
重視されるネタについては、「学生自治に関するニュース」や「京大当局の発表」を「かなり重視」と答えた者が最も多い。一方、書きたい記事を問うと、「基本的にニュースより文化記事」や「どちらかというと文化記事」と答えた者が約6割を占め、書きたい記事と重視される記事との乖離を感じている者が一定数いることがうかがえる。言い換えれば、書きたい記事に優先して書くべき記事があるという役割意識を感じていると捉えることもできる。
そういった感覚に関連して、編集部に古くから伝わる理念をめぐっては、意見が割れた。創刊65周年記念書籍のタイトルにもなっている「権力にアカンベエ」。戦前の言論統制下でファシズムに抵抗するべく、みんなで舌を出して写真に収まったというエピソードに由来するこの感覚について尋ねると、「受け継がれていない(「まったく」+「あまり」)」と「受け継がれている(「ある程度」+「変わらず」)」が同数だった。「受け継がれている」と答えた者は、報道機関としての権力の監視機能に通じる部分として、自分なりに解釈して通底するものを感じているのだろう。一方、「受け継がれていない」と答えた者は、普段からその言葉を直接的にスローガンにしているわけではないことや、フラットな視点から捉えて適宜追及するという姿勢が「アカンベエ」と必ずしも一致しないことなどを考慮したとみられる。
過去には「アカンベエ」的な姿勢が社説などに色濃く表れている時期もあったが、1975年以降、基本的に社説は載せていない。紙面での見解の表明について現役の編集部では、「社説はなくていい」としたうえで「個人の見解を述べる記事はあっていい」と答えた者が6割を超えた。社説も含めて「両方あっていい」が約2割で、「必要ない・そぐわない」を選んだ者は14%いる。
団体に定着している理由について尋ねると、「やりがいを感じる」「経験を積める」に続いて「楽しい」「居心地がいい」を選ぶ者が多い。報道機関という側面に加えて、学生サークルとして在籍したいと思える場であり続けることも、団体の存続という点で重要と言える。
紙面で「重視されるもの」の項目に関して、これらはあくまで現状を答えるもので、各自の理想を反映したものではない。人によっては、「重視される」を選んだ者が少ないジャンルの記事の割合を増やしたいと考えている者もいるだろう。
媒体としてのあり方の模索が続くなか、紙かウェブかという問いは、今後いっそう切実なテーマとなりうる。「紙のみ」または「ウェブのみ」を選んだ者はおらず、二者択一ではなく両輪での活用が基本的なスタンスと言える。そのうえで、「ウェブの比重を高めたい」は約3割、「紙メイン(現状維持)」が約7割となっている。
紙媒体を出し続けているという点は、創刊以来100年間一貫しており、現在の編集部は基本的にその方針を維持する姿勢であることがわかった。とはいえ、その他の設問も含め、時代が変われば感覚は大いに変わりうる。10年後、数十年後、100年後の編集部がどのような考えをもっているのか、ぜひ聞いてみたいところだ。
卒業生への聞き取り取材の際、「新聞が読まれなくなっているこの時代に、なぜ京大新聞に人が集まるのか」と驚かれることが多い。今の編集員たちは何を考えて新聞づくりに励んでいるのか。記述式のアンケートをとり、11名の回答を得た。
創刊号から紙面をめくり続けてきた「拾い読み」も最終回を迎えた。今回は2019年1月から2024年12月までの記述を抜粋して掲載する。この6年間で209号を発行した(別立てで、発行再開に伴う説明付きの表紙を号外扱いで印刷した)。コロナ関連の話題が多い期間を抜けるにつれ、様々な記事が載るようになった。
新聞社▼こくばん:インカレサークルの新聞が復刊/競争相手でありたい 時事▼耐震化を考える:大阪北部地震1年▼消費増税と最低賃金改定:京大周辺から影響を探る 教育研究▼アイヌ遺骨、返還と謝罪求める:京大、話し合い拒む▼学部科目でキャップ制検討:来年度以降導入へ▼インタビュー:「アジア人文学の未来」を語る前に→京大の「偉大さ」ばかりフォーカスされるシンポ/侵略と関わってきた歴史がある▼チンパンジーが獲物横取り:理、世界初観察▼花山天文台の支援財団設立▼京大、二次試験の出題意図公開▼京大開発の薬剤が心筋梗塞に効果▼理・教授、研究データを改ざん・盗用▼波の高さから水草の繁殖予測▼731論文めぐり京大、異議申し立てに回答「本調査しない」▼遺骨の「管理と継承」求める:日本人類学会が京大に要望書、返還訴訟原告は抗議▼「琉球原告は問題のある人」:組合との懇談で総長が発言▼吉野彰氏、ノーベル賞▼シンポ:京大の植民地主義を問う 大学運営▼京大当局、吉田寮「廃寮しない」/吉田寮生を提訴:現棟明け渡し求め/学生相手の民事訴訟は初▼京大病院で「無給医」25人▼11月祭、全面禁酒決定▼11月祭、日程短縮を検討:背景に当局の通達→9割以上が反対:事務局が学生アンケート→当局が例年通り4日間開催認める▼本部構内の警備、1年4か月で3500万円▼時計台北側喫煙所、閉鎖▼11月祭緊急搬送なし:禁酒に一定の効果▼特集:授業料値上げ/全国に広がる流れを追う▼国際交流会館、日本人学生も入居へ▼留学生寄宿舎値上げ▼京大病院看護師、わいせつ行為で懲戒解雇▼授業料滞納者、自主退学が可能に▼授業料免除縮小へ:国立大新制度に向け▼入試に英語民間試験、導入見送り▼企画展:大学開放の歴史▼教育学部70年展示 学生▼吉田寮訴訟、寮生陳述「権利守るため闘う」▼連載:吉田寮百年物語→99年の紙面連載の再構成、元寮生の会の会員ら寄稿、京大新聞社が協力▼学生が組織を変える:四條畷市役所インターン▼寄稿・一橋大学寮:寮費と留学生居住▼一橋大シンポ:自治寮の意義▼京大のトイレ事情▼野球部などが後片付け:11月祭後のグラウンド▼連載:11月祭禁酒方針を考える▼京大生らコーヒー振る舞うイベント 文化▼1日乗車券で行く叡山電車旅行記▼自炊への第一歩▼「死」から考える幻想:朗読劇『高瀬舟』▼インタビュー:福祉×ビールを目指して▼ラグビー観戦に行こう▼連載・ラノベで読む日本文壇史▼映画評『プロメア』/ポケモンの実写化は成功か▼国内最高級の鉱物:総合博物館標本展▼写真で楽しむ京都の紅葉▼人文学セミナー:桑原武夫の世界▼吹奏楽団コンサート▼千本釈迦堂、大根焚き▼妙心寺、禅を味わう秋の夜 広告▼サワムラレンタル▼英字校正サービス
新聞社▼号外・発行再開:4月以降、紙面発行を停止しウェブで発信、在宅作業/9月に活動制限が緩和され、発行再開を決定/停止中の記事すべて紙面化/入アル中止、卒アルは撮影完了/対面新歓は停止、オンラインで活動体験可 時事▼各大学、制限緩和を模索:緊急事態宣言解除 教育研究▼キャップ制、複数学部で導入へ:上限30単位に▼アイヌ遺骨「返還へ話し合いを」:京大「政府方針に従う」話し合い拒む▼京大、授業開始延期せず▼前期授業5月まで休講:コロナ収束の見通し立たず▼柿の全ゲノム解読▼花山天文台、週末一般公開へ:存続の危機も▼共通科目、前期は対面なし▼京大特色入試、時期変更せず▼専門科目、一部の対面授業を再開:課外活動は全面停止継続▼後期授業、遠隔と対面を併用へ→共通科目、対面1割満たず▼学術会議、京大教授も任命拒否:文学研究科「由々しき事態」▼西村准教授イグノーベル賞:ワニにヘリウムを吸わせる▼デジタル人文学シンポ 大学運営▼こくばん(編集員コラム):本来は自主性を重んじる「自粛」、その徹底を図る行為には、感染対策の実効性があるのか疑問▼授業料免除:国立大、在学生は現状維持▼シンポ:教員の立場で考える吉田寮▼医・教員、個人情報入りのHDD紛失:名簿など919人分▼新型コロナで卒業・入学式は中止、合格発表はウェブのみ▼立て看規制、市と京大の主張食い違う:京大職組と当局との団交で判明▼京大、新たに吉田寮生25名を提訴▼京大、活動制限レベル引き上げ:新規実験禁止▼授業料免除、追加受付▼総長選も延期へ:任期は延長なし▼京大、声明発表:本庶氏かたる偽情報の流布を受け▼京大、家計急変の学生に12万円:独自の給付金を創設▼霊長類研5億円超の不正支出:松沢特別教授ら関与→懲戒解雇▼職組再設置の看板、即日撤去:不当労働行為で申立へ▼特集・総長選:山極体制の総括/教員座談会▼次期総長に湊氏/就任会見で「自由の伝統」強調▼〈本紙単独〉湊総長インタビュー:「議論して決め、必ず実行する」▼京大生協、赤字3億円見込み▼検証・京大のコロナ対応:予期せぬ難局に手探り▼吉田寮訴訟、寮生側「確約は有効」:話し合いの原則めぐり/老朽化は「大学が修繕怠り」 学生▼こくばん:コロナコロナコロナ……/入学から半年、オンライン授業ばかりで自分が京大生という自覚がない/コロナ禍を通して自分を大切にしてくれる人の存在に気付いた▼受験体験記~涙と肉とウォシュレット~▼西部広場めぐり学生と理事が意見交換会:川添理事「有効に活用したい」▼こんなところに自習室:図書室から地下まで▼京大生、感染確認▼京大でクラスター発生:課外活動停止▼NF11月開催を断念:延期検討→3月にオンラインで開催▼学外での屋内課外活動を許可▼学園祭、全国でオンライン中心:対面開催の大学も 文化▼受験勉強はディナーのあとで▼映画評:『ドクター・スリープ』『ジョーカー』『パラサイト』『アイリッシュマン』▼ドライブ紀行:四国弾丸ツアー▼お土産送ったら帰省した気ぃせえへん?▼書評:東野圭吾『危険なビーナス』読みだしたら止まらない 広告▼筑摩書房/ブックスドリーム
時事▼京都府、時短要請解除 教育研究▼共通テスト開始▼京大生と合同でプログラミング学習アプリ開発▼琉球訴訟、原告「総合博物館の検証を」→京大が保管ケース写真を提出→地裁、検証見送り結審へ▼京大入試、約10名が追試験へ:本試験中の罹患判明なし▼5月末までオンライン授業:緊急事態宣言延長受け▼京大、初の博士号取り消し:論文盗用が発覚▼松沢元特別教授、京大を提訴「懲戒解雇は無効」▼薬・助教に停職2か月:女子大生を盗撮▼霊長類研・元教授、論文4本捏造:実験の確認取れず▼霊長類研・新センターに再編:分野の廃止も→学界から憂慮の声▼工教授・博士入試内容を受験者に示唆▼特許料訴訟・本庶氏と小野薬品が和解:京大基金に230億円寄付 大学運営▼個人情報が一時閲覧可能に:学生・教職員4万人分▼屋内の課外活動原則不可に▼京大生協に400万円の支援:クラファン実施▼文書館企画展「百年前の京都大学:学制改革と感染症対策」▼昼休み15分延長:食堂の混雑緩和へ▼新2回生の入学式実施▼職組、市と京大を提訴:立て看規制めぐり→市と京大は請求棄却求める:組合「表現の自由を侵害」▼前期授業始まる:大半を対面で実施→オンラインに移行→緊急事態宣言解除で対面再開▼学生23名が感染▼京大、返済不要の奨学金設立:25億円の寄付金を原資に▼京大、コロナワクチン学内接種へ→総長、接種呼びかけ▼課外活動制限を再緩和:屋内・共用室での活動可に→屋内再び不可に→屋内可に▼検証・京大のコロナ対応:長引く制約に新たな課題も▼オーキャン全面オンライン▼京大職員、収賄容疑で逮捕▼京大、給付奨学金創設:他機関の不採用者に▼職組、設置場所の公共性を主張:立て看訴訟▼保健診療所、診療終了へ:突然の通知に反対の声 学生▼11月祭、無観客で配信:収録のみ対面実施▼課外活動11団体要望書提出:自粛要請の緩和求め→京大「検討中」→再提出、大学は理解求める▼対面新歓、一部解禁へ:ビラ紅萌祭開催▼熊野寮で7名感染:同棟全員の陰性確認▼吉田寮訴訟、寮生は動的保存を主張/京大「居住継続は危険」:耐震性の議論経て結審へ▼法学部五月祭20年ぶり復活:教務は容認一転、直前に警告/実行委員が振り返る「想像以上の反響」▼京大生小説家・青羽悠氏インタビュー▼西部共用室・使用室約2%:利用再開も夜間は短縮▼11月祭事務局、対面開催を提案:会場縮小の方針→対面一転、オンライン提案→今年もオンライン開催:全学実「消極的承認」声明▼特集・野球部:リーグ優勝目指す/監督に近田氏、プロ経験者は初▼熊野寮祭で時計台「占拠」、警察が「阻止」:「職員に負傷者」大学発表▼100年の伝統つなぐ「使命」:交響楽団2年ぶりコンサートへ→初の中止の翌年、活動制限で他大生参加認められず葛藤、京大生のみでの開催を決断 文化▼公開講義「立ち止まって、考える」▼コロナ禍を「こころ」から考えるシンポ▼制約下の冬を写真に:比叡山延暦寺、音無の滝▼映画評『かもめ食堂』/『スティング』/観客「全集中」に恥じぬ秀作:『鬼滅の刃』▼物憂い冬を乗り切る長編作品6選▼ドライブ紀行・コロナ禍ならではの旅:奈良編→1日3時間までの活動制限あるが、個別に延長を認める場合があり、承認を得て実施した▼書評『脳を司る「脳」』/『学問、楽しくなくっちゃ』▼ふらっと左京区→新入生が取材▼てくてく鴨川遡江記▼企画展「鉄道と食のいろどり」▼コロナ禍で楽しむ食欲の秋▼みんぱくで世界を周遊 広告▼総合生存学館(全面)
新聞社▼京大新聞と太宰治 時事▼本庶氏、車で京大連絡バスと衝突▼山極前総長、21年に旧統一教会系媒体に寄稿「認識せず」 教育研究▼霊長類研・元所長ら署名3万筆:再編見直し求め▼山中教授iPS研所長退任▼前期授業、原則対面で実施:昼休み延長も継続▼京大入試19名が追試へ▼研究用原子炉4年後に運転停止:使用済み燃料の引き取り期限を考慮▼摂食嚥下診療センター開設:関西の大学病院で初▼琉球遺骨・地裁返還認めず:原告は控訴、「国際法に則った判断を」▼血液型不適合で生体肺移植:京大病院世界初▼戦中写真アーカイブ化:京大、東大、毎日新聞社日の共同▼オンライン実習体験:フィールド研が動画公開▼総合生存学館・運営に全研究科が参画へ:学館長を総長が「指名」▼理・元研究員の不正認定:画像を加工▼月と火星移住へ京大・鹿島の共同研究▼特集・琉球訴訟一審まとめ▼後期授業、原則対面で実施:感染拡大も対面の利点重視▼京大OCW停止へ:根拠の説明なく→授業動画の公開停止、センター廃止へ→閉鎖発表から一転、「積極的配信」検討▼被験チンパンジーの治療費募るクラファン▼アイヌ遺骨、返還申し入れ:総博・警備へ通報し謝罪▼京大農場が収穫体験→足踏み脱穀機に参加者「少年時代にやったわ」▼研究の現在地:平川教授「銅板に描かれた絵画、廃れた流行たどる」▼琉球遺骨「引取人あれば返す」:収集時の新聞に記載 大学運営▼京大、スパコンデータ消失:委託先のミスで77TB▼附属図書館・一部業務を外部委託:学生バイト雇い止め▼保健診療所閉鎖:学生ら継続要求「学内医療の改悪」、大学「精神健康に軸足」▼京大、ウクライナ侵攻に声明「最大限の便宜図る」→学生受け入れ、住宅無償提供▼特集・京大のメンタルヘルスケアはどこへ向かうか▼「稼げる大学」ファンド法案に反対:大学教員ら「選択と集中の弊害増す」署名1700筆▼収賄罪の元職員を懲戒解雇▼市、行政指導の文書開示拒む:立て看訴訟▼広報理事新設、改善に意欲▼イギリス新就労ビザ:京大も対象▼課外活動、活動時間と人数の制限撤廃▼オーキャン、オンライン開催▼検証・京大のコロナ対応→中国からの留学生にインタビュー▼支援職員制度、運用本格化:事務負担の軽減図る→職組「交渉経過を無視」と批判▼文系保健室閉鎖:学生らが抗議▼学習室24深夜開室再開▼展示評「京大の周年行事」▼吉田南に警察入構:ビラ掲示めぐり京大が通報▼京大病院、一般向けPCR検査開始▼連載・京都大学の建物▼OCW運営センター廃止で職員雇用にも波紋 学生▼「ビラ紅萌祭」非公認団体も参加可に▼吉田寮訴訟、被告弁護士「第一審佳境」▼1か月で絶たれたロシア留学生活→軍事侵攻で帰国した法学部生インタビュー「ロシアにやっぱり行きたい」▼野球部、春季5位:ベストナイン過去最多3人/水口プロ入り決断、史上2人目:ホークス育成7位▼11月祭、人数制限での開催を検討:全学実、京大生優先案は却下→屋内企画は体育館で実施:大学、教室貸し出し拒む/来場予約導入、前夜祭も開催へ/飲食や学外者の来場も承認▼文学部生、性的マイノリティへの対応を考える集会開く▼七大戦3年ぶり開催▼大学が熊野寮に「無学籍者」退去求める:寮自治会「自治への介入」と批判▼京大知伝:鳥人間チーム▼OCW「作っちゃえ」:京大生有志、代替サイト制作▼京都芸大の卒業制作、出町座で上映▼J地下、部室利用再開:ピロティは閉鎖▼熊野寮祭「総長室突入」:本部棟前に100人以上、警察導入も 文化▼解かずに読む共テ書評▼展示評「鎌倉武士の物語と京都」▼24時間検証・この夏、見るべきホラー▼サメ映画通への第一歩▼京都水族館「くらげ風鈴」▼特集・京大構内の植物▼映画評:『私は告発する』/あまりに鮮やかなモノクロ映画:『ローマの休日』▼辺境探訪:北海道一周旅行記▼そうだ京都出よう!:編集員が予算1万円で府外へ→自転車で奈良/フェリーで四国▼書評『氷菓』
新聞社▼2700号記念特集→京大と本紙の10年▼「京大新聞の百年」連載開始 時事▼複眼時評(教員コラム):コロナ禍が遺したもの/法・原田教授▼元留学生寮・危険物の除去工事へ▼京都市、放置自転車対策強化へ 教育研究▼裁判長「条例解釈の一貫性立証を」:立て看訴訟/地裁、行政指導文書の開示求めず▼同一ドナーから肝小腸同時移植:京大病院、国内初▼特集・国際卓越研究大学を考える/申請内容判明:研究力の強化方針など三本柱/京大、第1回公募は落選:東北大が最終候補に▼積雪で試験延期:開始30分前に通知▼琉球遺骨・控訴審:京大、現地調査を拒否▼変異種キャベツの花開かぬ理由解明▼人環3専攻を統合「学術越境」図る▼遺骨閲覧求め要求書▼地殻変動解析で能登群発地震の原因示唆▼総合生存学館、設立10年:変わる運営体制▼複眼時評:生成AIと実存哲学/文・谷塚非常勤講師▼高裁判決・琉球遺骨返還命じず:「ふるさとに返すべき」と付言→特集・訴訟の限界に挑む/原告上告せず「歴史的な判決」確定させる▼人文研、附属施設改組 大学運営▼きょうの大学散歩:工繊大▼OCW後継サイト開設/授業は配信せず、既存動画は維持▼飲食・他大生の参加が可に:課外活動制限緩和▼医・火災:関係者に被害なし▼オフィス無償提供、生協による販売は終了▼理・教員停職4か月:通勤手当約900万円不正受給▼就任半年で学生担当など3理事交代▼検証・京大のコロナ対応⑤:見えたゴール▼活動制限、完全撤廃▼白浜海の家3年ぶり再開▼情報公開請求者の名字を誤公表か:京大、本紙の指摘後非表示に▼工業化学科、「理工化学科」に改称へ▼教室貸出3年ぶり再開:運用に変化も▼京大などに「運営方針会議」設置へ:法改正案、閣議決定▼京大、学童保育所開所 学生▼22年11月祭、来場者は例年比10分の1:初のハイブリッド開催▼調査・京大の自転車利用→学内の駐輪数を計測/警備員「危ない運転見かける」▼京大知伝:応援団長▼千葉県警、熊野寮を家宅捜索▼京大進学者僅少校の出身者の座談会▼吉田寮訴訟、証人尋問で対話訴え/進行協議、和解成立せず/寮生「今からでも取り下げを」▼野球部、開幕サヨナラ勝利▼特集・京大の女子学生→70年代の理・卒業生にインタビュー▼J自への誹謗中傷に法的措置:法学部生の指示で学外者が投稿▼吉田寮、新理事に確約の引継ぎ求める▼11月祭禁酒めぐり議論持ち越し→全面禁酒決定:「実務の制約」と「当局の圧」で▼カレー部佐藤さん、「インド料理」追い本場の厨房へ▼熊野寮、京都新聞に抗議:家宅捜索の取材方法めぐり▼特集・吉田寮訴訟:裁判の振り返り▼卒業生インタビュー:棋士・坂井さん/アナウンサー・新実さん/サッカー選手・田中さん/書評家・三宅さん:書評『女の子の謎を解く』▼23年11月祭、コロナ前の賑わい戻る/不介入求め当局に再要求▼ウクライナ留学生インタビュー:「ITで母国に関わりたい」 文化▼神頼み特集:北白川天神宮ほか▼書評『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』/『時間の比較社会学』/『このようなやり方で300年の人生を生きていく』/『黒い雨』▼紀行:カタール一人旅▼連載:きょうの妖怪→子育て幽霊/三高地蔵▼バイト体験記▼志賀越道を歩く:京大の下を通る遺構▼文・マルシアーノ教授、映画評論連載開始『ター』▼展示評:ルーヴル美術館展▼豪州ワーホリ体験記:理想と現実▼複眼時評:「からすぐちと地図」人環・小島教授▼マンガ評『植物病理学は明日の君を願う』▼現代に蘇る徒然草:編集員が20㌔を踏破▼映画評『福田村事件』
新聞社▼東大新聞と座談会▼11月祭で展示と講演会を開催(サイゼリヤ元社長・堀埜氏/小説家・平野氏) 時事▼就職先一覧:アクセンチュア1位▼パレスチナ大使、京大で講演:学生有志が主催▼複眼時評・羅針盤が失効した世界で:文・中村教授 教育研究▼がん免疫研究の新施設で開所式▼京大病院・難治性の傷、治療材を開発▼研究の現在地:化石とモデル/性を操る微生物/微細な「泡」▼国際卓越研究大・重要議決に学外者の賛成必須に:文科省方針「監督機能の強化」へ▼女性准教授定員超でも教授昇進可:京大、21年度からの制度継続▼世界初の木造衛星完成:金属製の環境負荷に一石▼理・工特色入試に女子枠:多様性確保へ→特集・研究者から見た意義と課題/大学・文科省に訊く意図▼拝見・研究室の本棚4:安部教授「読書の魅力は自問自答」:16年ぶり復活▼理2名追加合格:入学辞退で繰り上げ、19年ぶり/喜びの声「成熟した恋ほど語るに値しないものはない」▼琉球遺骨、対話の要請書:研究倫理問う→京大「検討中」 大学運営▼能登地震、京大施設の被害は未確認:安否確認システムに不具合▼DXコンサルに9千万:京大、一部は随意契約▼湊総長インタビュー:任期前半は50点▼成長戦略本部を新設:卓越大採択を見据える▼クスノキに「囲い」設置▼情報公開連絡会・廃止方針を維持:理事が回答▼大学構内に「ファミマ」オープン▼授業料値上げ、京大「議論せず」:東大は「多面的に検討中」▼国大協、財務危機訴え声明「もう限界」▼時計台記念館、塔時計4面すべて故障▼独自:京大、運営方針委員の候補者判明:NTT会長ら学外過半数▼立て看訴訟5名尋問:7時間の応酬、2月に結審へ▼文・交流スペース「ぶんこも」開設▼桂にレストラン「Crews」開業:社会福祉法人が運営▼理・助教を諭旨解雇:学生へセクハラ 学生▼吉田寮、訴訟取り下げ求める署名5千筆提出▼吉田寮訴訟、寮生の一部勝訴:確約書の効力認める/退去通告後入寮の3名には明渡命じる/寮生「話し合い再開願う」→双方が控訴▼卒業生インタビュー:NHK加藤さん/予備校講師・竹岡さん/安芸高田市長・石丸さん▼熊野寮に家宅捜索:機動隊、地下の鉄扉切りつけ→怪我の賠償求め寮生が府を提訴▼密着・規制下のタテカン「入試闘争」▼野球部、最終節2連勝▼11月祭、企画の企業協賛解禁▼京大知伝:科学の視点で詠む▼京大、熊野寮の捜索に見解:怪我負う事態「遺憾」▼話題沸騰・京大銭湯サークルに迫る▼11月祭、6年ぶり酒類解禁:アルコールパスで制限▼サンガ会場でサッカー部が「寺子屋」▼サッカー部、10連敗から巻き返し残留▼「総長室突入」5学生に停学処分▼ないなら作る理想の学術誌:野研『おりば』刊行▼全学実・ミスコン企画の中止を採択▼11月祭学生ポータルに不正アクセス▼特集・大学生と月経:阪大教授らに聞く/生理用品を無料設置する10大学に取材 文化▼日本史で歩く京都▼NHK「ねほりんぱほりん」出前授業▼「茶と古本」喜多の園・店主インタビュー▼書評『八月の御所グラウンド』/『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』/『陰謀論』▼京都の通り名:京大周辺の5つに迫る▼腹が減っては:脱サラ店主が作る「美味」▼展示評:日本の巨大ロボット群像▼京大出身作家・森田季節さんインタビュー/書評『異世界エルフと京大生』▼講演会:岸政彦教授・三宅香帆氏対談▼書評『本心』平野啓一郎:11月祭講演記念▼マンガ評『ヨシダ檸檬ドロップス』▼南山城村紀行:京都の最果てを訪ねて
目次
通史⑪ 「コロナ禍」前後の変化 2020〜2025聞き取り⑪ 現役編集部アンケート 2020年代の編集員の考え
拾い読み⑲ 休止経て新連載の定着も 2019〜2024年の紙面
通史⑪ 「コロナ禍」前後の変化 2020〜2025
異例の「要請」で日常が一転
2020年3月末、学生団体の間でうわさが流れた。
「課外活動施設が使用停止になるらしい」
不穏な空気は漂っていた。この年の1月に国内で初めて感染者が確認された新型コロナウイルスは、徐々に各地へ広がった。3月には小中高校が一斉休校となり、東京オリンピックの延期も決まった。京大では卒業式が中止となったほか、構成員に対して海外渡航や課外活動での遠征を控えるよう求める通知が2月から出ていた。
それでも、冒頭のうわさは現実味が乏しかった。京大新聞などが拠点とする西部課外活動棟は構造上、建物自体を完全施錠できず、使用停止のイメージが湧かない。そのうえ、大学が3月26日時点で前期授業を「予定通り開講する」と発表していた。危機感が高まりきらないなか、京大新聞の編集部は例年3月末に発行する4月1日号の印刷を終え、新入生に配る新聞の折り作業などで慌ただしくしていた。
迎えた3月31日、京大は文書を発表し、「当面の間、公認・非公認を問わず学内外でのすべての課外活動を自粛するように強く要請する」と通達した。あわせて運動施設や西部課外活動棟などを使用停止とすると発表し、新歓のためのビラ配布や会食を「絶対に控えて」と求めた。
通達の適用が翌日からで、準備期間が想定外に短かった。大学から独立した運営を掲げる京大新聞としては、受動的な「自粛」に抵抗があったものの、編集員の安全を考慮し、ひとまず思いつく限りの部室での作業をその日のうちに済ませた。その後の対応は2日後の定例会議で検討することにした。
大学によっては「活動禁止」を通告する例もあったが、京大の発表は、施設の運営も含めて学生の自主的な活動を認めてきた慣例からか、「自粛」を求めるという表現にとどまった。しかし、結果的に効力を発揮し、課外活動棟はもぬけの殻となった。その要因としては、政府が「緊急事態宣言」の発出を可能にする手続きを整えたり著名な芸能人が肺炎で亡くなったりと、日ごとに緊張感の高まる要素が増えていた情勢に加え、通達で新歓活動に釘を刺したことで、活動を強行すれば新入生らの心象を悪くするという心理が働いた側面もあるだろう。
翌4月1日に京大は、原則すべての授業を臨時休講すると発表した。開講の方針を数日で撤回した背景について山極総長は、「ここ数日で京都市内の大学においても著しい集団感染が懸念される緊迫した状況が生じている」と説明した。これには、市内の他大学で送別会をきっかけとする学生の集団感染が報じられて苦情が殺到した事案が影響したとみられる。
死者が多数発生した感染症としての怖さに、「自粛警察」という言葉が流行するなど世間の目を気にする風潮も相まって訪れた異常事態は、その後3年間続くことになる。
紙媒体の維持に異論なし
「自粛要請」直後の編集会議は、部室へ集まらずにアプリの通話機能を用いて開催した。完全オンラインでの会議実施は史上初だろう。
まず新聞発行をどうするか。方針はすぐに決まった。当面は発行を停止したうえで、通常1か月遅らせるウェブサイトでの記事掲載を紙面発行に相当する日程で実施し、状況が整った後にすべて紙面化することにした。広告主や定期購読者との関係性が紙面を前提としているという事情に加え、編集員の間で紙を出してこその新聞という共通認識がみられ、紙媒体を残す方針に異論は出なかった。自宅でレイアウト環境を整えて発行を続ける案も挙がったものの、課外活動が認められない状況では普段のように学内便で研究室などへ新聞を送ることができない。授業のない構内に人が来る見込みも乏しく、頒布作業に伴う編集員の感染リスクの回避を優先すべきとの結論に至った。
こうして、終わりの見えない在宅体制がはじまった。ほどなくして政府が「緊急事態宣言」を発出し、あらゆる社会活動がストップした。京大新聞の無人販売ボックスには、「京大 授業開始は延期せず」という古い情報にもとづく見出しが躍る4月1日号が残されたままとなった。
検討の末、入学アルバム中止
長年手がけてきたアルバム制作も、大きな検討課題となった。卒業式が中止されたが、学位授与式は行われたため、卒業アルバム用の写真撮影はできた。問題は入学アルバムだ。入学式が中止され、関連行事の大半が見送られた。例年、英語の授業前後に撮影するクラス集合写真も、休講が続けば実現が難しい。それでも、すでに購入予約を受け付けていたこともあり、どうにかアルバムを作りたい……すぐには結論が出なかった。
その後の会議では、全学共通科目が前期いっぱいオンライン開講となったことをふまえ、規模を縮小して写真冊子を制作する案など様々な手を検討した。結局、感染症の収束が見えず、8月に発行中止を決断。予約者には返金することにした。
ウェブ体制の整備の一方で
ウェブでの「発行」は軌道に乗った。バラバラに記事を配信するのではなく、のちに紙面化することを念頭に号ごとの区切りを維持し、従来通り各号にデスクを置いた。面が埋まる分量や本数を意識して記事を用意し、月2回のペースで配信した。コロナ対応など流動的な話題は速報として配信時期を早めた。
異例の状況で、編集部のオンライン作業体制が整備された。従来は情報漏洩を避ける観点から、記事原稿やレイアウトデータ、メールアカウントに至るまでほぼすべてを部室のパソコンに集約していた。校正作業は印刷した原稿に書き込んでやりとりしていたため、新聞の発行日が近づくと部室に集まるのが当たり前だった。その前提が崩れたことで、各自のパソコンから各種データにアクセスする体制に切り替えた。
連絡ツールも刷新した。2000年代以来、全体向けの連絡にはメーリングリストしか使っていなかったが、チャットアプリを導入したことで、会議以外でのやりとりが円滑になった。
一方、オンライン会議は活発とは言えない雰囲気だった。先行きが読めない情勢に、音声通話という形式面での発言しにくさも相まって、もともと発生しがちだった沈黙がさらに増えた。お互いの顔が見えないことに原因を求めてビデオ会議アプリを導入したものの、ほとんどの出席者がカメラをオフにしたため、名前だけが並ぶ画面に向かって話す状態だった。対面の会議であれば、記事の担当者が決まらないときに目くばせして様子をうかがったりできるが、音声のみでは難しい。通信環境などの事情もあるためカメラオフ自体を責めるべきではないとはいえ、作業の分担が一部の者に偏った感は否めなかった。
オンライン化によって遠方の帰省先などからでも作業に関与しやすくなった一方、部室と自宅の線引きがなくなり、「仕事」から逃れられない感覚を抱いた者もいただろう。また、もともと辛辣な指摘もあった校正作業は、対面でのフォローが消えて無機質なテキストのやりとりに変わった。部室のパソコンでアニメを見たり飲み会で談笑したりする光景もなくなった。制約のある生活にこれらが重なれば、ストレスが溜まっても無理はない。オンライン体制への移行後に活動から離れた者が一定数いたことは、この時期の影の部分として記録しておきたい。
もともとあった閉塞感
さかのぼると、「コロナ禍」直前の時点で編集部は疲労困ぱいだった。2017年度の途中に複数の編集員が去って新歓に人手を割く余裕がなくなり、翌年の入社人数は極端に少なかった。18年から19年にかけて、新聞の編集作業が間に合わず、印刷会社に詫びて入稿日をずらすことが複数回あった。月2回の発行を1回にまとめる合併号や裏表1枚のみの2面発行を頻発したほか、4面構成の号でも、教員の小説「ラノベで読む日本文壇史」や元吉田寮生による「吉田寮百年物語」など、中面を寄稿の連載に頼ることが多かった。スペースが空いてしまい、購読者に申し訳なく思いながら大きな自社広告で埋めたことは一度や二度ではない。
19年度は役職を回せる人数が入社したものの、他サークルと掛け持ちしている者が多く、運営に余裕はなかった。さらに、西部の学生団体の自治組織である「西団連」の役職として幹事長というまとめ役を務めることになりトラブル対応に追われたほか、入学・卒業アルバム制作をめぐって業者との連携がとれなくなり、発送の遅延などの問題が生じた。結局、アルバムは別の業者と制作することにした。
閉塞感を打開するべく、新年度を前に新歓イベントの開催を検討していたが、予期せぬ感染症の猛威により白紙となった。
計30面を一気に紙面化
オンライン体制では、大学のコロナ対応を報じたほか、20年7月に行われた総長選に際して施策の振り返りや教員座談会などの特集を配信した。このとき、長らく実施していなかった学生へのアンケート調査にも取り組んだ。収集方法に難があり一部の教員から批判を受けたものの、約500名から得られた計4万字を超える記述回答を通して、大学運営に対する学生の問題意識の可視化を図った。
5月下旬の緊急事態宣言の解除以降、学内外で各種制約が徐々に緩和された。7月上旬には、大学が屋外に限って対面での課外活動を認めた。屋外作業による新聞頒布という道筋が浮上し、発行再開へ光が差した。ところが、体育会の団体で活動後の会食に起因するとみられる集団感染が発覚し、大学当局が再び全面的な自粛要請を出した。
同じころ、新総長決定の記者会見が対面で開かれた。京大記者クラブに加盟する京大新聞は通常ならば出席できたはずだが、課外活動の制限を理由に入場が認められなかった。各社が会場に集まるなか例外的に拒否され、代わりに音声提供や質問取り次ぎを求めたが、「例外は作れない」という理由で断られた。一方、10月の就任会見の際は制限が緩和されており、出席が認められた。このように、大学が感染状況に応じて活動制限の強化と緩和を繰り返し、その波に揺られて思うように取材できないことがしばしばあった。一連のコロナ対応の変遷については、23年4月にかけて特集記事を計5回掲載した。
8月末に再び屋外活動が認められた。改めて新聞頒布の再開へ向けて交渉したものの、大学側は他の文化系団体と足並みが揃わないことをふまえて難色を示した。結局、9月に入って屋内活動の制限が一部緩和され、頒布再開の条件が整った。
分担して各自のパソコンでウェブ配信済みの記事をレイアウトしたところ、計30面分になった。奇数面となる号どうしをつなぎ合わせつつ、少しずつ日をずらして入稿前の最終チェックをこなし、号ごとの紙面化が完了した。定期購読者には「発行再開」と大きく記した表紙を付けて送った。
新たな「日常」を紙面に
発行再開に安堵しつつ、葛藤が続いた。活動制限の緩和に際し、大学は感染対策として毎月の活動計画書の提出を求めた。新聞発行前に取材情報を大学に知らせることになるため、報道機関として好ましくなく、のちに卒業生から抗議すべきと助言されたこともあったが、ここでは甘受した。取材の詳細は記載不要だったため妥協できたという側面もあるが、半年間うかがった頒布復活の機会を逃したくないという考えも強かった。
外に目を向けると、自粛を経て消滅したサークルが複数あった。存続した団体もそれぞれ悩みを抱えていた。紙面では、歴史ある演奏会の中止を乗り越えた交響楽団の活動や、複数の大学の学生団体による映画制作の取り組みを取材するなど、苦境に立ち向かう学生の姿を追った。
幸い京大新聞は、20、21年度とオンラインでの新歓で新編集員を迎えることができた。このころ入社した編集員は、近隣飲食店のテイクアウトメニューや長編映像作品をレビューしたり、近場の観光スポットを写真で紹介したりと、制約下ならではという視点で企画記事を立案した。なかには、数年前ならば「もっと独自の切り口を」と却下されそうな案もあった。それでも、生活が様変わりしたこの時分では、「日常」を取り上げることに意義を見出しえた。
報じるべき話題は尽きず、ニュース記事で様々なネタを扱った。20年度からキャップ制が本格化して履修登録の自由度が下がったほか、22年3月に保健診療所が閉鎖され、福利厚生の縮小を危惧する声が上がった。これらに加え、吉田寮や立て看板、琉球遺骨をめぐって続いていた裁判を追い、授業動画公開サイト「OCW」の廃止や霊長類研究所の改組なども報じた。まれに京大にとどまらない社会問題を扱うこともあり、学生の視点を意識して記事化している。たとえばロシアによるウクライナ侵攻をめぐっては、ロシア留学から帰国を余儀なくされた京大生や、京大が支援策として受け入れたウクライナの学生にインタビューした。
施設利用の再開へ大学と交渉
21年6月からは西部課外活動棟の会議室が使えるようになり、編集会議を対面とオンラインの併用に切り替えた。施設の利用再開まで、道のりは長かった。20年6月ごろから西団連が大学と交渉を重ねたものの、職員の求める他施設の自治組織との調整や感染対策ガイドラインの策定がなかなか進まなかった。京大新聞は19年末時点で幹事長を引き継いでいたものの、制限緩和を待ちかねて後任の幹事長に対応を催促したり大学との打ち合わせに同席したりと、進展に向けて動いた。吉田南集会所が似た境遇ながら9か月早く利用再開に至ったのに比べると、西団連は意思決定の面で課題を露呈した格好となった。
配布断念、新企画で手応え
京大新聞では例年、入試の際に会場付近で受験生に新聞を無料配布しているが、21年度入試では文科省が現地での激励やビラ配布を控えるよう通知を出した。受験生の安全確保を優先し、この年は手配りを断念した。代替策として、約900校に及ぶ高校や予備校に紙面を無料で送付した。個人への無料送付も受け付けたところ、取り組みが一般紙で報じられ、多数の申し込みがあった。同年の夏にも他紙から取材を受け、それにあわせて試し読み企画を実施した。
受験生応援号では予備校から広告を得ていたが、配布中止により出稿を見送られた。コロナ禍でも堅調だった企業から広告を得られたものの、全体的に広告収入は減少した。
同じく収入源であるアルバム制作にも動きがあった。20年の入学式は中止されたが、その年の入学者を対象とする式典が翌春に開かれたことで、写真撮影と入学アルバム制作が実現した。前年の刊行中止に伴う返金対応や旧業者との契約清算、新業者の選定および関係構築、各所とのコロナ対応の調整などを経て2年越しに完成したアルバムは、クラス写真がなく例年よりページ数の少ないものだったが、オンライン生活に慣れた手には重たく感じられた。
人が増えて記事が多様に
紙面発行の再開後もしばらくは部室の利用が認められず、在宅作業が続いた。徐々に記事が増える一方、ひずみも生じた。オンラインではレイアウトの修正事項を伝えるのが難しく、印刷会社への入稿時間になっても仕上げ作業が終わらないこともあった。綱渡りの発行が続き、21年12月には重大な誤記載により謝罪記事を出す事態となった。以後、校正作業にチェックリストを導入し、のちにレイアウトのマニュアルも作成した。
22年には10人が入社し、7人ほど定着した。徐々に上回生が去って実働の学年が若返り、ノウハウの継承という課題に直面したものの、人が増えたことで多様な嗜好が紙面に注ぎ込まれた。23年5月には活動制限が完全撤廃され、コロナ禍は区切りを迎えた。その前後の紙面では、何かに打ち込む京大生に光を当てる「京大知伝」や、教員インタビュー「研究の現在地」が連載として定着したほか、政府が大規模支援を打ち出した国際卓越研究大学制度(22年法案提出)や京大入試の女性募集枠の導入(24年発表)をめぐって、教員らの様々な声を聞く特集を組んだ。一部のニュースでは大学への情報公開請求や関係者からの情報提供を活用し、「独自」と題した記事も出した。
最近は1号に載る記事本数が増え、各記事の分量も増加傾向にある。多ければ良いというものではないが、ときには翌号へ回すほど記事があふれるなど意欲的な姿勢がうかがえ、数年前とは隔世の感がある。年間の合計面数をみても、18年の76面から24年には124面に増えている。ボリュームアップに呼応するように販売ボックスの新聞の減り具合がよくなり、24年は19年の約1・2倍になった。それでも直接の反響を感じる機会は多くなく、短歌募集やアンケート掲載で読者の声を求めてきた。
ようやくウェブリニューアル
読者層の拡充や双方向性という点で、ウェブサイトの整備は重要だ。京大新聞の自社サイトは長らく、バージョンが古く、スマートフォンでの閲覧に未対応などの課題があったが、放置されていた。21年夏、人員が確保できたため、17年から空席となっていたウェブ担当を復活させた。これを機にリニューアルの検討が進み、好条件の業者に委託して22年9月に結実した。改良直後には、月ごとのビュー数が前月比で1・6倍になった。
見た目は刷新されたが、テキストを掲載する地道な作業は変わらない。意欲の継承も欠かせないなか、目下のところ役職として定着して引き継がれている。
ウェブ記事の掲載をツイッター(現・X)と連動させる告知体制も確立した。理学部で追加合格者が出たことを報じた記事では、取材した学生による有名小説に絡めた発言が反響を呼び、告知の投稿が拡散された。24年に吉田寮訴訟の一審判決が出た際には、紙面に先立つ速報を試験的に投稿し、一定の手応えを得た。
このほか耳目を集めた例として、統一教会系の原理研究会に関する記事がある。京大新聞では1970年代から注意喚起の報道を続けてきた。2022年に教団への恨みが動機とされる元首相襲撃事件が発生し、本紙のウェブ記事が著名な弁護士のSNSで紹介されたほか、テレビ番組などでも取り上げられた。
ここ数年で、通算2700号を迎えたり、東京大学新聞や熊本大学新聞と交流したり、一般紙や研究者から取材を受けたりと、自分たちの取り組みを顧みる機会に恵まれた。これからの時代に大学新聞として何ができるのか。その模索の土台として、団体の歴史を振り返るべく23年秋から紙面連載を進めてきた。25年4月の創刊百周年に向けた活動としては、24年に10年ぶりに11月祭に出展し、講演会2本(サイゼリヤ元社長・堀埜一成氏と小説家・平野啓一郎氏)や京大新聞の歴史を振り返る展示を開催した。同じく10年ぶりとなる文学賞の作品募集もはじめた。4月1日号では、特別紙面の発行を予定している。
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聞き取り⑪ 現役編集部アンケート 2020年代の編集員の考え
かつての紙面には「編集部より」という編集後記的な欄があったが、近年は自分たちの活動について述べる記事をあまり載せていない。一方、百周年事業の一環で過去の新聞を見返すと、紙面に散りばめられているちょっとしたコラムから、運営面での変化や苦悩を見出せることがしばしばあった。また、卒業生への聞き取り取材では、新聞を読む人が減っている今の時代に現役編集部がどのような思いで活動に取り組んでいるかに興味があるといった声を複数人から受けた。そこで、連載の最終回として、現役編集部の感覚を可視化するべく、これまで卒業生に尋ねてきた質問を編集員にもぶつけてみた。(村)
現役の編集部内でグーグルフォームを用いてアンケートを実施した。特に選択問題では、本音に近い声を引き出すべく匿名回答としたうえで、集計者が回答者を特定しうる記述問題は別のフォームで募った。
アンケートは9月に実施し、14件の回答を得た。現在、学部1回生から院生まで二十数名が所属しており、新聞発行の実働人数が10名前後であることをふまえると、最近の活動に携わっている編集員の大半から回答を得られたと考えることができる。
アンケートは9月に実施し、14件の回答を得た。現在、学部1回生から院生まで二十数名が所属しており、新聞発行の実働人数が10名前後であることをふまえると、最近の活動に携わっている編集員の大半から回答を得られたと考えることができる。





文化記事を書きたい人が多め 学生自治のニュース重視の雰囲気も
人数のわりに「淡々と」
まず、大学入学以前に新聞部や学級新聞などに携わった経験の有無を尋ねると、半数以上が「ない」と答えた。また、かつてはマスコミ志望で入社する者が多い時期もあったようだが、現在の編集部ではそのつもりで入った者は7%と少ない。一方、活動を通して志望度が上がったと答えた者が36%みられ、入社後の進路選択に多少なりとも影響していることがうかがえる。
会議の雰囲気に関する問いでは、「和気あいあい」と答えた者はいなかった。「淡々としている」が最も多く、人数のわりに粛々と議事が進んでいる印象があるようだ。
自分たちの媒体をどう認識しているか尋ねた問いでは、約3割が「マスコミ」、約7割が「ミニコミ」と答えている。「ミニコミ」寄りの雰囲気は、重視されるネタを答える設問からも見てとることができ、「京大に直接関係の薄い社会問題」よりも「編集員個人の興味にもとづく記事」のほうが「かなり重視」と「多少重視」と答えた人数が多い。
「書きたい」と「書くべき」
重視されるネタについては、「学生自治に関するニュース」や「京大当局の発表」を「かなり重視」と答えた者が最も多い。一方、書きたい記事を問うと、「基本的にニュースより文化記事」や「どちらかというと文化記事」と答えた者が約6割を占め、書きたい記事と重視される記事との乖離を感じている者が一定数いることがうかがえる。言い換えれば、書きたい記事に優先して書くべき記事があるという役割意識を感じていると捉えることもできる。
そういった感覚に関連して、編集部に古くから伝わる理念をめぐっては、意見が割れた。創刊65周年記念書籍のタイトルにもなっている「権力にアカンベエ」。戦前の言論統制下でファシズムに抵抗するべく、みんなで舌を出して写真に収まったというエピソードに由来するこの感覚について尋ねると、「受け継がれていない(「まったく」+「あまり」)」と「受け継がれている(「ある程度」+「変わらず」)」が同数だった。「受け継がれている」と答えた者は、報道機関としての権力の監視機能に通じる部分として、自分なりに解釈して通底するものを感じているのだろう。一方、「受け継がれていない」と答えた者は、普段からその言葉を直接的にスローガンにしているわけではないことや、フラットな視点から捉えて適宜追及するという姿勢が「アカンベエ」と必ずしも一致しないことなどを考慮したとみられる。
過去には「アカンベエ」的な姿勢が社説などに色濃く表れている時期もあったが、1975年以降、基本的に社説は載せていない。紙面での見解の表明について現役の編集部では、「社説はなくていい」としたうえで「個人の見解を述べる記事はあっていい」と答えた者が6割を超えた。社説も含めて「両方あっていい」が約2割で、「必要ない・そぐわない」を選んだ者は14%いる。
「ウェブに比重を」の声も
団体に定着している理由について尋ねると、「やりがいを感じる」「経験を積める」に続いて「楽しい」「居心地がいい」を選ぶ者が多い。報道機関という側面に加えて、学生サークルとして在籍したいと思える場であり続けることも、団体の存続という点で重要と言える。
紙面で「重視されるもの」の項目に関して、これらはあくまで現状を答えるもので、各自の理想を反映したものではない。人によっては、「重視される」を選んだ者が少ないジャンルの記事の割合を増やしたいと考えている者もいるだろう。
媒体としてのあり方の模索が続くなか、紙かウェブかという問いは、今後いっそう切実なテーマとなりうる。「紙のみ」または「ウェブのみ」を選んだ者はおらず、二者択一ではなく両輪での活用が基本的なスタンスと言える。そのうえで、「ウェブの比重を高めたい」は約3割、「紙メイン(現状維持)」が約7割となっている。
紙媒体を出し続けているという点は、創刊以来100年間一貫しており、現在の編集部は基本的にその方針を維持する姿勢であることがわかった。とはいえ、その他の設問も含め、時代が変われば感覚は大いに変わりうる。10年後、数十年後、100年後の編集部がどのような考えをもっているのか、ぜひ聞いてみたいところだ。
「思う存分書けそう」「秘密結社感」「本物の紙」 「いまどきなぜ新聞に?」の疑問に答える
卒業生への聞き取り取材の際、「新聞が読まれなくなっているこの時代に、なぜ京大新聞に人が集まるのか」と驚かれることが多い。今の編集員たちは何を考えて新聞づくりに励んでいるのか。記述式のアンケートをとり、11名の回答を得た。
入社のきっかけ
負けまくる部活報道に興味
高校時代、東大新聞が毎号教室に届いた。東大の運動部の記事が載っていたが、どの号も負けた記事ばかりで、かえって気になった。負けまくる部を追う学生新聞の活動に興味を持った。読んだことがあったら、入っていなかった
小中高と新聞を作っていたから、「当然」くらいの気持ちで入った。それまで京大新聞を読んだことはなかったが、当時は自治などを斜に構えてみていたから、読んだことがあったら入っていなかったと思う。メディア就職に強い?
サークル大百科に卒業生の進路の一例が載っていて、メディア系への就職に強そうという印象を受けた。収益構造知りたい
1部100円で売っているのをみて、収益構造が気になった。秘密結社感に興味
受験生として大学を訪れたときに新聞を買った。どんな人が作っているか分からない秘密結社感があり、内部に興味を持った。実家で一般紙を購読
文章を書くのが好きで、実家で一般紙を購読していて新聞にも興味があった。個人的に交流のある先生が京大新聞の顧問で、出身高校が同じ先生の記事も載っていて、縁を感じた。もっと知りたい
紙面を見て、学内で自分の知らないところでいろいろなことが起きているとわかって、もっと知りたいと思った。「本物の紙」に思う存分書けそう
小学生の頃、家族しか見ないような小さな新聞らしいものを作っていた。高校での新聞を作る授業も楽しかった。高校時代はなかなか書く機会がなく、くすぶっていたことも。思う存分に文章が書けそう・文章力が上達しそう、という理由で入った。「紙」も魅力。自作の新聞はどうしても新聞っぽくならず、不満だった。はじめて京大新聞を見た時、「本物の紙だ」と思った。その感動も入社動機の根底にある。居場所づくり
SNSを見て新歓に来たら雰囲気がよく、自分のペースで記事を書けそうだと思った。居場所づくりも大きい。印象的な記事
裁判長の温かさ
琉球遺骨返還訴訟の取材。大阪高裁の裁判長は、原告の請求を棄却したものの、口頭弁論では常に原告らに寄り添った訴訟指揮をしていて、心の温かさを感じた。裁判は結果がすべてではないと実感した。届いていると実感
「京大知伝」の宇治原さん(23年1月16日号)。このコーナーでは当事者の熱い気持ちを記事にするが、本人の言葉は抽象的になりがち。粘り強く話を聞いて深掘りでき、本人から「周りから『読んだよ』と言ってもらえてうれしかった」と感謝された。書いた記事が届いていること、誰かのためになることを再確認した。ぎっしりコメント
1回生のときの講演会の記事。編集部での校正(当時は印刷した原稿に手書き。現在はオンライン)でほぼ全文に指摘が入り、文のつなげ方や執筆の取り組み方など、用紙の裏にまでぎっしりコメントが書き込まれた。それ以来、様々なことを心がけている。話を聞く楽しさ
サボテン展(24年6月1日号)。取材で出会ったおばあさんに話しかけると、植物の解説や戦時下の暮らしなどをキラキラと話してくれて、人に訊くことの楽しさを知った。渾身のスクープも
国際卓越研究大学の申請詳細(23年7月16日号)。未公表の情報の詳細を入手するという千載一遇のチャンスを活かせた。渾身の記事でも反響は乏しく、落ち込んだ。英語取材で苦闘
ウクライナ留学生インタビュー(23年12月16日号)。英語での取材で緊張した。あまり聞き取れず、同席してもらった先輩頼みに。苦い思い出。他紙の本社へ
熊野寮自治会が家宅捜索をめぐる京都新聞社の取材方法に抗議した件の取材で、同社にメール質問したところ、京都新聞の本社に招かれ、貫禄のある社員の方と密室で話すことになり、けっこうきつかった。総長「たくさん質問ありがとう」
ニュース記事で日付を間違えてしまい、紙媒体の不可逆性を痛感するなど、失敗の記憶が多い/取材は人との関わりが楽しい。記者会見で6つ質問して湊総長に「たくさんありがとうございます」と言われた/学童保育所や入試女子枠など、自分の興味と大学のジェンダー施策が重なり、この時期に在学できてうれしい。すべて経費、懐が深い
Topicのコーナーで取材に行った祇園祭。交通費などが京大新聞社の経費で支出されて、懐が広いなと思った。研究者が身近に
連載中の「研究の現在地」。どの先生も物腰柔らかに研究のことを丁寧に教えてくれて、自分の中にあった研究者への近寄りがたさがだんだんなくなった。印象深いのは谷垣先生(24年9月16日号)。所属している自主ゼミの先輩が紹介してくれた。気さくな先生で、2時間半話し、原子炉の見学もさせてくれた。今後取り組みたいこと
知名度向上/新聞単体での黒字化。定期購読者倍増を目指す/編集員を増やしたい。文学部が多いから属性の多様性を高めたい/印刷費や郵送費の高騰などを考えると、紙だけでなく、より市場の大きいインターネットで記事がもっと読まれるようになれば、続いていくと思う。欲を言えばウェブで収益が得られるとよい/紙での発行を続けること。現状維持は衰退ではなくむしろ挑戦だと思う/次の100年に向けて後進の育成/販売ボックスの改良/ウェブサイトの古くなっている部分を新しくしたい目次へ戻る
拾い読み⑲ 休止経て新連載の定着も 2019〜2024年の紙面
創刊号から紙面をめくり続けてきた「拾い読み」も最終回を迎えた。今回は2019年1月から2024年12月までの記述を抜粋して掲載する。この6年間で209号を発行した(別立てで、発行再開に伴う説明付きの表紙を号外扱いで印刷した)。コロナ関連の話題が多い期間を抜けるにつれ、様々な記事が載るようになった。

2019
新聞社▼こくばん:インカレサークルの新聞が復刊/競争相手でありたい 時事▼耐震化を考える:大阪北部地震1年▼消費増税と最低賃金改定:京大周辺から影響を探る 教育研究▼アイヌ遺骨、返還と謝罪求める:京大、話し合い拒む▼学部科目でキャップ制検討:来年度以降導入へ▼インタビュー:「アジア人文学の未来」を語る前に→京大の「偉大さ」ばかりフォーカスされるシンポ/侵略と関わってきた歴史がある▼チンパンジーが獲物横取り:理、世界初観察▼花山天文台の支援財団設立▼京大、二次試験の出題意図公開▼京大開発の薬剤が心筋梗塞に効果▼理・教授、研究データを改ざん・盗用▼波の高さから水草の繁殖予測▼731論文めぐり京大、異議申し立てに回答「本調査しない」▼遺骨の「管理と継承」求める:日本人類学会が京大に要望書、返還訴訟原告は抗議▼「琉球原告は問題のある人」:組合との懇談で総長が発言▼吉野彰氏、ノーベル賞▼シンポ:京大の植民地主義を問う 大学運営▼京大当局、吉田寮「廃寮しない」/吉田寮生を提訴:現棟明け渡し求め/学生相手の民事訴訟は初▼京大病院で「無給医」25人▼11月祭、全面禁酒決定▼11月祭、日程短縮を検討:背景に当局の通達→9割以上が反対:事務局が学生アンケート→当局が例年通り4日間開催認める▼本部構内の警備、1年4か月で3500万円▼時計台北側喫煙所、閉鎖▼11月祭緊急搬送なし:禁酒に一定の効果▼特集:授業料値上げ/全国に広がる流れを追う▼国際交流会館、日本人学生も入居へ▼留学生寄宿舎値上げ▼京大病院看護師、わいせつ行為で懲戒解雇▼授業料滞納者、自主退学が可能に▼授業料免除縮小へ:国立大新制度に向け▼入試に英語民間試験、導入見送り▼企画展:大学開放の歴史▼教育学部70年展示 学生▼吉田寮訴訟、寮生陳述「権利守るため闘う」▼連載:吉田寮百年物語→99年の紙面連載の再構成、元寮生の会の会員ら寄稿、京大新聞社が協力▼学生が組織を変える:四條畷市役所インターン▼寄稿・一橋大学寮:寮費と留学生居住▼一橋大シンポ:自治寮の意義▼京大のトイレ事情▼野球部などが後片付け:11月祭後のグラウンド▼連載:11月祭禁酒方針を考える▼京大生らコーヒー振る舞うイベント 文化▼1日乗車券で行く叡山電車旅行記▼自炊への第一歩▼「死」から考える幻想:朗読劇『高瀬舟』▼インタビュー:福祉×ビールを目指して▼ラグビー観戦に行こう▼連載・ラノベで読む日本文壇史▼映画評『プロメア』/ポケモンの実写化は成功か▼国内最高級の鉱物:総合博物館標本展▼写真で楽しむ京都の紅葉▼人文学セミナー:桑原武夫の世界▼吹奏楽団コンサート▼千本釈迦堂、大根焚き▼妙心寺、禅を味わう秋の夜 広告▼サワムラレンタル▼英字校正サービス
2020
新聞社▼号外・発行再開:4月以降、紙面発行を停止しウェブで発信、在宅作業/9月に活動制限が緩和され、発行再開を決定/停止中の記事すべて紙面化/入アル中止、卒アルは撮影完了/対面新歓は停止、オンラインで活動体験可 時事▼各大学、制限緩和を模索:緊急事態宣言解除 教育研究▼キャップ制、複数学部で導入へ:上限30単位に▼アイヌ遺骨「返還へ話し合いを」:京大「政府方針に従う」話し合い拒む▼京大、授業開始延期せず▼前期授業5月まで休講:コロナ収束の見通し立たず▼柿の全ゲノム解読▼花山天文台、週末一般公開へ:存続の危機も▼共通科目、前期は対面なし▼京大特色入試、時期変更せず▼専門科目、一部の対面授業を再開:課外活動は全面停止継続▼後期授業、遠隔と対面を併用へ→共通科目、対面1割満たず▼学術会議、京大教授も任命拒否:文学研究科「由々しき事態」▼西村准教授イグノーベル賞:ワニにヘリウムを吸わせる▼デジタル人文学シンポ 大学運営▼こくばん(編集員コラム):本来は自主性を重んじる「自粛」、その徹底を図る行為には、感染対策の実効性があるのか疑問▼授業料免除:国立大、在学生は現状維持▼シンポ:教員の立場で考える吉田寮▼医・教員、個人情報入りのHDD紛失:名簿など919人分▼新型コロナで卒業・入学式は中止、合格発表はウェブのみ▼立て看規制、市と京大の主張食い違う:京大職組と当局との団交で判明▼京大、新たに吉田寮生25名を提訴▼京大、活動制限レベル引き上げ:新規実験禁止▼授業料免除、追加受付▼総長選も延期へ:任期は延長なし▼京大、声明発表:本庶氏かたる偽情報の流布を受け▼京大、家計急変の学生に12万円:独自の給付金を創設▼霊長類研5億円超の不正支出:松沢特別教授ら関与→懲戒解雇▼職組再設置の看板、即日撤去:不当労働行為で申立へ▼特集・総長選:山極体制の総括/教員座談会▼次期総長に湊氏/就任会見で「自由の伝統」強調▼〈本紙単独〉湊総長インタビュー:「議論して決め、必ず実行する」▼京大生協、赤字3億円見込み▼検証・京大のコロナ対応:予期せぬ難局に手探り▼吉田寮訴訟、寮生側「確約は有効」:話し合いの原則めぐり/老朽化は「大学が修繕怠り」 学生▼こくばん:コロナコロナコロナ……/入学から半年、オンライン授業ばかりで自分が京大生という自覚がない/コロナ禍を通して自分を大切にしてくれる人の存在に気付いた▼受験体験記~涙と肉とウォシュレット~▼西部広場めぐり学生と理事が意見交換会:川添理事「有効に活用したい」▼こんなところに自習室:図書室から地下まで▼京大生、感染確認▼京大でクラスター発生:課外活動停止▼NF11月開催を断念:延期検討→3月にオンラインで開催▼学外での屋内課外活動を許可▼学園祭、全国でオンライン中心:対面開催の大学も 文化▼受験勉強はディナーのあとで▼映画評:『ドクター・スリープ』『ジョーカー』『パラサイト』『アイリッシュマン』▼ドライブ紀行:四国弾丸ツアー▼お土産送ったら帰省した気ぃせえへん?▼書評:東野圭吾『危険なビーナス』読みだしたら止まらない 広告▼筑摩書房/ブックスドリーム
2021
時事▼京都府、時短要請解除 教育研究▼共通テスト開始▼京大生と合同でプログラミング学習アプリ開発▼琉球訴訟、原告「総合博物館の検証を」→京大が保管ケース写真を提出→地裁、検証見送り結審へ▼京大入試、約10名が追試験へ:本試験中の罹患判明なし▼5月末までオンライン授業:緊急事態宣言延長受け▼京大、初の博士号取り消し:論文盗用が発覚▼松沢元特別教授、京大を提訴「懲戒解雇は無効」▼薬・助教に停職2か月:女子大生を盗撮▼霊長類研・元教授、論文4本捏造:実験の確認取れず▼霊長類研・新センターに再編:分野の廃止も→学界から憂慮の声▼工教授・博士入試内容を受験者に示唆▼特許料訴訟・本庶氏と小野薬品が和解:京大基金に230億円寄付 大学運営▼個人情報が一時閲覧可能に:学生・教職員4万人分▼屋内の課外活動原則不可に▼京大生協に400万円の支援:クラファン実施▼文書館企画展「百年前の京都大学:学制改革と感染症対策」▼昼休み15分延長:食堂の混雑緩和へ▼新2回生の入学式実施▼職組、市と京大を提訴:立て看規制めぐり→市と京大は請求棄却求める:組合「表現の自由を侵害」▼前期授業始まる:大半を対面で実施→オンラインに移行→緊急事態宣言解除で対面再開▼学生23名が感染▼京大、返済不要の奨学金設立:25億円の寄付金を原資に▼京大、コロナワクチン学内接種へ→総長、接種呼びかけ▼課外活動制限を再緩和:屋内・共用室での活動可に→屋内再び不可に→屋内可に▼検証・京大のコロナ対応:長引く制約に新たな課題も▼オーキャン全面オンライン▼京大職員、収賄容疑で逮捕▼京大、給付奨学金創設:他機関の不採用者に▼職組、設置場所の公共性を主張:立て看訴訟▼保健診療所、診療終了へ:突然の通知に反対の声 学生▼11月祭、無観客で配信:収録のみ対面実施▼課外活動11団体要望書提出:自粛要請の緩和求め→京大「検討中」→再提出、大学は理解求める▼対面新歓、一部解禁へ:ビラ紅萌祭開催▼熊野寮で7名感染:同棟全員の陰性確認▼吉田寮訴訟、寮生は動的保存を主張/京大「居住継続は危険」:耐震性の議論経て結審へ▼法学部五月祭20年ぶり復活:教務は容認一転、直前に警告/実行委員が振り返る「想像以上の反響」▼京大生小説家・青羽悠氏インタビュー▼西部共用室・使用室約2%:利用再開も夜間は短縮▼11月祭事務局、対面開催を提案:会場縮小の方針→対面一転、オンライン提案→今年もオンライン開催:全学実「消極的承認」声明▼特集・野球部:リーグ優勝目指す/監督に近田氏、プロ経験者は初▼熊野寮祭で時計台「占拠」、警察が「阻止」:「職員に負傷者」大学発表▼100年の伝統つなぐ「使命」:交響楽団2年ぶりコンサートへ→初の中止の翌年、活動制限で他大生参加認められず葛藤、京大生のみでの開催を決断 文化▼公開講義「立ち止まって、考える」▼コロナ禍を「こころ」から考えるシンポ▼制約下の冬を写真に:比叡山延暦寺、音無の滝▼映画評『かもめ食堂』/『スティング』/観客「全集中」に恥じぬ秀作:『鬼滅の刃』▼物憂い冬を乗り切る長編作品6選▼ドライブ紀行・コロナ禍ならではの旅:奈良編→1日3時間までの活動制限あるが、個別に延長を認める場合があり、承認を得て実施した▼書評『脳を司る「脳」』/『学問、楽しくなくっちゃ』▼ふらっと左京区→新入生が取材▼てくてく鴨川遡江記▼企画展「鉄道と食のいろどり」▼コロナ禍で楽しむ食欲の秋▼みんぱくで世界を周遊 広告▼総合生存学館(全面)
2022
新聞社▼京大新聞と太宰治 時事▼本庶氏、車で京大連絡バスと衝突▼山極前総長、21年に旧統一教会系媒体に寄稿「認識せず」 教育研究▼霊長類研・元所長ら署名3万筆:再編見直し求め▼山中教授iPS研所長退任▼前期授業、原則対面で実施:昼休み延長も継続▼京大入試19名が追試へ▼研究用原子炉4年後に運転停止:使用済み燃料の引き取り期限を考慮▼摂食嚥下診療センター開設:関西の大学病院で初▼琉球遺骨・地裁返還認めず:原告は控訴、「国際法に則った判断を」▼血液型不適合で生体肺移植:京大病院世界初▼戦中写真アーカイブ化:京大、東大、毎日新聞社日の共同▼オンライン実習体験:フィールド研が動画公開▼総合生存学館・運営に全研究科が参画へ:学館長を総長が「指名」▼理・元研究員の不正認定:画像を加工▼月と火星移住へ京大・鹿島の共同研究▼特集・琉球訴訟一審まとめ▼後期授業、原則対面で実施:感染拡大も対面の利点重視▼京大OCW停止へ:根拠の説明なく→授業動画の公開停止、センター廃止へ→閉鎖発表から一転、「積極的配信」検討▼被験チンパンジーの治療費募るクラファン▼アイヌ遺骨、返還申し入れ:総博・警備へ通報し謝罪▼京大農場が収穫体験→足踏み脱穀機に参加者「少年時代にやったわ」▼研究の現在地:平川教授「銅板に描かれた絵画、廃れた流行たどる」▼琉球遺骨「引取人あれば返す」:収集時の新聞に記載 大学運営▼京大、スパコンデータ消失:委託先のミスで77TB▼附属図書館・一部業務を外部委託:学生バイト雇い止め▼保健診療所閉鎖:学生ら継続要求「学内医療の改悪」、大学「精神健康に軸足」▼京大、ウクライナ侵攻に声明「最大限の便宜図る」→学生受け入れ、住宅無償提供▼特集・京大のメンタルヘルスケアはどこへ向かうか▼「稼げる大学」ファンド法案に反対:大学教員ら「選択と集中の弊害増す」署名1700筆▼収賄罪の元職員を懲戒解雇▼市、行政指導の文書開示拒む:立て看訴訟▼広報理事新設、改善に意欲▼イギリス新就労ビザ:京大も対象▼課外活動、活動時間と人数の制限撤廃▼オーキャン、オンライン開催▼検証・京大のコロナ対応→中国からの留学生にインタビュー▼支援職員制度、運用本格化:事務負担の軽減図る→職組「交渉経過を無視」と批判▼文系保健室閉鎖:学生らが抗議▼学習室24深夜開室再開▼展示評「京大の周年行事」▼吉田南に警察入構:ビラ掲示めぐり京大が通報▼京大病院、一般向けPCR検査開始▼連載・京都大学の建物▼OCW運営センター廃止で職員雇用にも波紋 学生▼「ビラ紅萌祭」非公認団体も参加可に▼吉田寮訴訟、被告弁護士「第一審佳境」▼1か月で絶たれたロシア留学生活→軍事侵攻で帰国した法学部生インタビュー「ロシアにやっぱり行きたい」▼野球部、春季5位:ベストナイン過去最多3人/水口プロ入り決断、史上2人目:ホークス育成7位▼11月祭、人数制限での開催を検討:全学実、京大生優先案は却下→屋内企画は体育館で実施:大学、教室貸し出し拒む/来場予約導入、前夜祭も開催へ/飲食や学外者の来場も承認▼文学部生、性的マイノリティへの対応を考える集会開く▼七大戦3年ぶり開催▼大学が熊野寮に「無学籍者」退去求める:寮自治会「自治への介入」と批判▼京大知伝:鳥人間チーム▼OCW「作っちゃえ」:京大生有志、代替サイト制作▼京都芸大の卒業制作、出町座で上映▼J地下、部室利用再開:ピロティは閉鎖▼熊野寮祭「総長室突入」:本部棟前に100人以上、警察導入も 文化▼解かずに読む共テ書評▼展示評「鎌倉武士の物語と京都」▼24時間検証・この夏、見るべきホラー▼サメ映画通への第一歩▼京都水族館「くらげ風鈴」▼特集・京大構内の植物▼映画評:『私は告発する』/あまりに鮮やかなモノクロ映画:『ローマの休日』▼辺境探訪:北海道一周旅行記▼そうだ京都出よう!:編集員が予算1万円で府外へ→自転車で奈良/フェリーで四国▼書評『氷菓』
2023
新聞社▼2700号記念特集→京大と本紙の10年▼「京大新聞の百年」連載開始 時事▼複眼時評(教員コラム):コロナ禍が遺したもの/法・原田教授▼元留学生寮・危険物の除去工事へ▼京都市、放置自転車対策強化へ 教育研究▼裁判長「条例解釈の一貫性立証を」:立て看訴訟/地裁、行政指導文書の開示求めず▼同一ドナーから肝小腸同時移植:京大病院、国内初▼特集・国際卓越研究大学を考える/申請内容判明:研究力の強化方針など三本柱/京大、第1回公募は落選:東北大が最終候補に▼積雪で試験延期:開始30分前に通知▼琉球遺骨・控訴審:京大、現地調査を拒否▼変異種キャベツの花開かぬ理由解明▼人環3専攻を統合「学術越境」図る▼遺骨閲覧求め要求書▼地殻変動解析で能登群発地震の原因示唆▼総合生存学館、設立10年:変わる運営体制▼複眼時評:生成AIと実存哲学/文・谷塚非常勤講師▼高裁判決・琉球遺骨返還命じず:「ふるさとに返すべき」と付言→特集・訴訟の限界に挑む/原告上告せず「歴史的な判決」確定させる▼人文研、附属施設改組 大学運営▼きょうの大学散歩:工繊大▼OCW後継サイト開設/授業は配信せず、既存動画は維持▼飲食・他大生の参加が可に:課外活動制限緩和▼医・火災:関係者に被害なし▼オフィス無償提供、生協による販売は終了▼理・教員停職4か月:通勤手当約900万円不正受給▼就任半年で学生担当など3理事交代▼検証・京大のコロナ対応⑤:見えたゴール▼活動制限、完全撤廃▼白浜海の家3年ぶり再開▼情報公開請求者の名字を誤公表か:京大、本紙の指摘後非表示に▼工業化学科、「理工化学科」に改称へ▼教室貸出3年ぶり再開:運用に変化も▼京大などに「運営方針会議」設置へ:法改正案、閣議決定▼京大、学童保育所開所 学生▼22年11月祭、来場者は例年比10分の1:初のハイブリッド開催▼調査・京大の自転車利用→学内の駐輪数を計測/警備員「危ない運転見かける」▼京大知伝:応援団長▼千葉県警、熊野寮を家宅捜索▼京大進学者僅少校の出身者の座談会▼吉田寮訴訟、証人尋問で対話訴え/進行協議、和解成立せず/寮生「今からでも取り下げを」▼野球部、開幕サヨナラ勝利▼特集・京大の女子学生→70年代の理・卒業生にインタビュー▼J自への誹謗中傷に法的措置:法学部生の指示で学外者が投稿▼吉田寮、新理事に確約の引継ぎ求める▼11月祭禁酒めぐり議論持ち越し→全面禁酒決定:「実務の制約」と「当局の圧」で▼カレー部佐藤さん、「インド料理」追い本場の厨房へ▼熊野寮、京都新聞に抗議:家宅捜索の取材方法めぐり▼特集・吉田寮訴訟:裁判の振り返り▼卒業生インタビュー:棋士・坂井さん/アナウンサー・新実さん/サッカー選手・田中さん/書評家・三宅さん:書評『女の子の謎を解く』▼23年11月祭、コロナ前の賑わい戻る/不介入求め当局に再要求▼ウクライナ留学生インタビュー:「ITで母国に関わりたい」 文化▼神頼み特集:北白川天神宮ほか▼書評『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』/『時間の比較社会学』/『このようなやり方で300年の人生を生きていく』/『黒い雨』▼紀行:カタール一人旅▼連載:きょうの妖怪→子育て幽霊/三高地蔵▼バイト体験記▼志賀越道を歩く:京大の下を通る遺構▼文・マルシアーノ教授、映画評論連載開始『ター』▼展示評:ルーヴル美術館展▼豪州ワーホリ体験記:理想と現実▼複眼時評:「からすぐちと地図」人環・小島教授▼マンガ評『植物病理学は明日の君を願う』▼現代に蘇る徒然草:編集員が20㌔を踏破▼映画評『福田村事件』
2024
新聞社▼東大新聞と座談会▼11月祭で展示と講演会を開催(サイゼリヤ元社長・堀埜氏/小説家・平野氏) 時事▼就職先一覧:アクセンチュア1位▼パレスチナ大使、京大で講演:学生有志が主催▼複眼時評・羅針盤が失効した世界で:文・中村教授 教育研究▼がん免疫研究の新施設で開所式▼京大病院・難治性の傷、治療材を開発▼研究の現在地:化石とモデル/性を操る微生物/微細な「泡」▼国際卓越研究大・重要議決に学外者の賛成必須に:文科省方針「監督機能の強化」へ▼女性准教授定員超でも教授昇進可:京大、21年度からの制度継続▼世界初の木造衛星完成:金属製の環境負荷に一石▼理・工特色入試に女子枠:多様性確保へ→特集・研究者から見た意義と課題/大学・文科省に訊く意図▼拝見・研究室の本棚4:安部教授「読書の魅力は自問自答」:16年ぶり復活▼理2名追加合格:入学辞退で繰り上げ、19年ぶり/喜びの声「成熟した恋ほど語るに値しないものはない」▼琉球遺骨、対話の要請書:研究倫理問う→京大「検討中」 大学運営▼能登地震、京大施設の被害は未確認:安否確認システムに不具合▼DXコンサルに9千万:京大、一部は随意契約▼湊総長インタビュー:任期前半は50点▼成長戦略本部を新設:卓越大採択を見据える▼クスノキに「囲い」設置▼情報公開連絡会・廃止方針を維持:理事が回答▼大学構内に「ファミマ」オープン▼授業料値上げ、京大「議論せず」:東大は「多面的に検討中」▼国大協、財務危機訴え声明「もう限界」▼時計台記念館、塔時計4面すべて故障▼独自:京大、運営方針委員の候補者判明:NTT会長ら学外過半数▼立て看訴訟5名尋問:7時間の応酬、2月に結審へ▼文・交流スペース「ぶんこも」開設▼桂にレストラン「Crews」開業:社会福祉法人が運営▼理・助教を諭旨解雇:学生へセクハラ 学生▼吉田寮、訴訟取り下げ求める署名5千筆提出▼吉田寮訴訟、寮生の一部勝訴:確約書の効力認める/退去通告後入寮の3名には明渡命じる/寮生「話し合い再開願う」→双方が控訴▼卒業生インタビュー:NHK加藤さん/予備校講師・竹岡さん/安芸高田市長・石丸さん▼熊野寮に家宅捜索:機動隊、地下の鉄扉切りつけ→怪我の賠償求め寮生が府を提訴▼密着・規制下のタテカン「入試闘争」▼野球部、最終節2連勝▼11月祭、企画の企業協賛解禁▼京大知伝:科学の視点で詠む▼京大、熊野寮の捜索に見解:怪我負う事態「遺憾」▼話題沸騰・京大銭湯サークルに迫る▼11月祭、6年ぶり酒類解禁:アルコールパスで制限▼サンガ会場でサッカー部が「寺子屋」▼サッカー部、10連敗から巻き返し残留▼「総長室突入」5学生に停学処分▼ないなら作る理想の学術誌:野研『おりば』刊行▼全学実・ミスコン企画の中止を採択▼11月祭学生ポータルに不正アクセス▼特集・大学生と月経:阪大教授らに聞く/生理用品を無料設置する10大学に取材 文化▼日本史で歩く京都▼NHK「ねほりんぱほりん」出前授業▼「茶と古本」喜多の園・店主インタビュー▼書評『八月の御所グラウンド』/『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』/『陰謀論』▼京都の通り名:京大周辺の5つに迫る▼腹が減っては:脱サラ店主が作る「美味」▼展示評:日本の巨大ロボット群像▼京大出身作家・森田季節さんインタビュー/書評『異世界エルフと京大生』▼講演会:岸政彦教授・三宅香帆氏対談▼書評『本心』平野啓一郎:11月祭講演記念▼マンガ評『ヨシダ檸檬ドロップス』▼南山城村紀行:京都の最果てを訪ねて
連載は今回で一区切りとするが、百周年記念号となる4月1日号で全体の総括や関係者の寄稿などを掲載する。