13年前に頓挫、現在は「適宜検討」 九大 「女子枠」制度に見解
2024.09.16
本紙は性別を出願条件にする入試制度について九州大学に取材を行い、8月8日付けで回答を得た。九州大は、11年に理学部数学科の後期日程で女性限定の募集枠を設けると発表したが中止した経緯がある。九州大は、導入の意図について「男女共同参画社会形成のための措置」だと考えていたことを明かした。現在の検討状況を尋ねると、「入試制度については、見直しや検討を適宜行っている」と回答した。
九州大は、2012年度一般入試の後期受験日程で理学部数学科の定員9名のうち、5名を女性限定の募集枠とすることを発表したが、11年5月に中止を発表した。
当時の導入の意図を尋ねると、「数学分野で女子学生の志願者・入学者の増加を図ることが、社会における女性研究者の比率を増加させることに繋がる」としたうえで、これは「男女共同参画社会形成のための措置であると考えていた」と説明した。ただ、「法の下の平等の観点から問題がある」との反響を受け、実施後の社会的影響や学生の精神的負担を総合的に判断して中止を決めたと述べた。なお、この事例が現在の検討状況に与えた影響の有無を尋ねたが、直接的な回答はなかった。
近年、主に理工系学部で、女性であることを出願条件とする「女子枠」制度を導入する大学が増加している。京大は、26年度入試より理・工学部の特色入試に計39名の女性募集枠を設置する。
九州大として、女子枠制度を導入する大学が増加していることを認識しているか尋ねたところ、「『女子枠』制度を導入する動きがある点は認識している」と回答した。これらの動きを「他大学でも、理工系の女性比率の上昇を目指し、学部内の多様性、バランス改善による活性化、女性研究者の確保等を図っている」と受け止めているという。
九州大での検討状況を尋ねると「女性枠に限らず、大学・学部の求める人材を確保するため入試制度については、見直しや検討を適宜行っている」と述べるに留まり、具体的な検討状況は明かさなかった。
九州大は、理工系も選択肢にあるとの認識が広がれば、理工系学部における女子学生の確保につながるとの考えを示した。女子学生比率向上のための取り組みとして、理学部と工学部でオープンキャンパスでの女子高生向けの交流会イベントをあげた。
【特集】「女子枠」制度を考える 第2回(24年8月1日号掲載)では、本紙は性別を要件とする入試方法について、京大・東京工業大・名古屋大・名古屋大の4大学と文部科学省からの回答を掲載した。本紙は、本企画で右記4大学に加え、北海道大、東北大、東京大、大阪大、九州大に取材を打診していた。(史)
九州大は、2012年度一般入試の後期受験日程で理学部数学科の定員9名のうち、5名を女性限定の募集枠とすることを発表したが、11年5月に中止を発表した。
当時の導入の意図を尋ねると、「数学分野で女子学生の志願者・入学者の増加を図ることが、社会における女性研究者の比率を増加させることに繋がる」としたうえで、これは「男女共同参画社会形成のための措置であると考えていた」と説明した。ただ、「法の下の平等の観点から問題がある」との反響を受け、実施後の社会的影響や学生の精神的負担を総合的に判断して中止を決めたと述べた。なお、この事例が現在の検討状況に与えた影響の有無を尋ねたが、直接的な回答はなかった。
近年、主に理工系学部で、女性であることを出願条件とする「女子枠」制度を導入する大学が増加している。京大は、26年度入試より理・工学部の特色入試に計39名の女性募集枠を設置する。
九州大として、女子枠制度を導入する大学が増加していることを認識しているか尋ねたところ、「『女子枠』制度を導入する動きがある点は認識している」と回答した。これらの動きを「他大学でも、理工系の女性比率の上昇を目指し、学部内の多様性、バランス改善による活性化、女性研究者の確保等を図っている」と受け止めているという。
九州大での検討状況を尋ねると「女性枠に限らず、大学・学部の求める人材を確保するため入試制度については、見直しや検討を適宜行っている」と述べるに留まり、具体的な検討状況は明かさなかった。
九州大は、理工系も選択肢にあるとの認識が広がれば、理工系学部における女子学生の確保につながるとの考えを示した。女子学生比率向上のための取り組みとして、理学部と工学部でオープンキャンパスでの女子高生向けの交流会イベントをあげた。
【特集】「女子枠」制度を考える 第2回(24年8月1日号掲載)では、本紙は性別を要件とする入試方法について、京大・東京工業大・名古屋大・名古屋大の4大学と文部科学省からの回答を掲載した。本紙は、本企画で右記4大学に加え、北海道大、東北大、東京大、大阪大、九州大に取材を打診していた。(史)