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理学部 女性学生に入学支援奨学金 30万円給付で家賃負担軽減へ

2026.02.16

理学部 女性学生に入学支援奨学金 30万円給付で家賃負担軽減へ

給付申請の条件

京大理学部は、2026年度に理学部に入学する女性の下宿生・寄宿生を対象に、「女性学生入学支援奨学金」として30万円を一括給付すると1月中旬に発表した。家計基準は設けず、遠方から京大に進学した下宿生・寄宿生を対象とする。女性学生の経済的負担が男性学生より大きい傾向にあることを踏まえて創設したもので、理学部の女性比率向上をねらう。

25年度の全学部生に占める女性の割合は22.7%であるのに対し、理学部は9.9%にとどまっている。理学部は「学術の多様性を確保し、社会のイノベーションを推進する」ために女性比率の向上を目指しており、その一環として今回の創設に至ったという。

理学部は、家計基準を設けない理由を「学生本人の理学の道を志すという意欲に着目」するためとしており、出願資格を満たす申請者は全員採用する。原資は、卒業生らからの寄付などで成り立つ「理学研究科基金」で、理学部・理学研究科にその裁量が委ねられている。理学部は今回の支援開始に伴って他の奨学金や支援の予算に影響が出ることはないとしている。

奨学金の使途は、新生活を始める際に必要な費用や下宿生活を4年間続けるのに付随する費用を想定している。「修学開始時には、まとまった支出が必要となる」ため一括現金給付とするという。

理学部は、女性学生が居住する物件は防犯設備などのために家賃が相対的に高い傾向にあるとした上で、給付額を30万円に設定した。この金額は、京阪神の国立大学で、下宿生の生活費は女性の方が年間14万円程度高いという日本学生支援機構の統計を参考にしたと説明している。

本奨学金は5~10年程度継続する見通しだ。終了時期は「女性学生を取り巻く状況、生活費における男女間の差の実態、制度の有効性等を総合的に勘案して判断する」としている。

東大では家賃補助


東大では、女性学生比率の向上と遠方出身の女性学生の支援のために「女子学生向け住まい支援」を17年度から実施している。実家からの通学時間が90分以上の女性入学者を対象に、東大が提携・管理する物件に入居することを条件に、家賃を月額最大3万円補助する。支援期間は最長2年間で、1人あたり最大72万円の補助が受けられる。東大は本紙の取材に対し、「情報の少ない地方の女子学生やその保護者に対して、セキュリティの確保された安全・安心な住まいを提供することで不安感の払拭」を図るねらいがあるとした。

また、東大は女性学生に向けた「さつき会奨学金」も実施している。27年度からは、都道府県ごとに寄付を募り300万円ごとに1名採用する「都道府県指定口」と経済的条件を問わない「家計基準撤廃口」の2つの募集枠を新たに設けて支援を拡充する方針だ。都道府県指定口を設定した理由については、原資とする基金の寄付者の思いに応えるとともに、これまで対象外だった首都圏出身の学生にも支援を広げるためとしている。

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