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女子枠 理工系で設置の動き広まる 政府の方針を受け全国で

2024.04.16

26年度入学者向けの特色入試から、京大は理・工学部で女子枠を設置する(=1面)。政府は女子の理工系学部への進学を後押しする方針を打ち出しており、全国で女子枠設置の動きが広まっている。

政府資料によると、19年時点で日本の大学に入学する女性のうち、理工系に入学する女性は7%にとどまる。これは、OECDに加盟する35カ国(当時。データのないアメリカを除く)の平均15%を下回っており、全加盟国で最も低い数値だ。

文部科学省は22年6月の通達において、多様性を確保する観点から、一般選抜のほか多様な入試方法の対象になる者として「理工系分野における女子」を具体例にあげた。

政府は、22年5月の教育未来創造会議の中で、女性活躍推進のプログラムとして「女子学生の確保等に積極的に取り組む大学への基盤的経費による支援強化」をあげ、理工系や農学系の分野に進学する女子学生への官民共同の修学支援プログラムを創設すると述べた。

近年、理工系の学部を中心に、女性のみが出願できる総合型選抜および学校推薦型選抜の募集枠を設ける大学が増加している。この動きは、全国的に、かつ大学の設置主体を問わず広がっている。京大は本紙の取材に対し、同様の取組を行う他大学の事例も参考にしたと説明している。

名古屋工業大(国立)は、94年度入試から機械工学科(現在の電気・機械工学科)で学校推薦型選抜を実施しており、24年度入試で新たに3学科で13名分の枠を設置した。兵庫県立大(公立)は、16年度入試より学校推薦型選抜に「女子学生特別区分」を設け、工学部の3学科で計15名の募集を行う。芝浦工業大(私立)も、18年度入試から工学部で15名分の枠を設置し、24年度入試では理工系4学部で計64名分の枠を設けた。

ただ、女子枠についてはジェンダーバランス是正の契機となるという賛成意見がある一方、導入方法によっては男子学生に対して不利に働くとして反対する声もある。

11年には、「女子枠」が取りやめになった事例もある。九州大学は、「優秀な女子学生の獲得」のために、12年度の一般入試後期受験日程から、理学部数学科・9名の募集枠のうち5名を女子枠とすると10年3月に発表した。しかし、11年5月に「法の下の平等の観点から問題がある」など様々な反響があったとした上で、実施後の社会的影響や入学者の精神的負担を考慮し、中止した。


※下線部につきまして、紙面には「21年6月」と記載しておりますが、正しくは「22年6月」です。訂正してお詫びいたします。

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