文化

ルネベスト ヨガで心地よい大学生活を

2008.07.16

本書は女性向けに書かれたダイエットの本である。タイトルにヨガと入っているから、足を頭の上にかけるとか、何やら複雑な動作を思い浮かべるかもしれない。だがそんなことはない。どのポーズもストレッチの一環であると思ってもらっていい。体の硬い人でもできるものばかりである。

何はともあれ、実際にやってみた。

まずは準備体操と思い、本書に載っていた「体ほぐし」をしてみたら、老いだろうか、私の体は油のきれた機械のようにカリカリと音を立ててほぐれていった。本書片手に、試しに「英雄のポーズ①」を取ってみる。両手の親指同士を交差して胸の前で合わせ、右足を大きく前に出し、右ひざが直角になるまで曲げていく。呼吸についても詳しく解説がなされているが、まだその段階には及ばない。体の動かし方だけで手一杯である。合掌しながらアキレス腱を伸ばしているような形から、両腕を上げ、体をそらす。これで「英雄のポーズ①」の完成である。スキップしていたら自然と気分が高揚してくるように、英雄のポーズをしていたら妙に誇らしい気持ちになってきた。

そして変なところが痛くなった。いくつか下半身に効くポーズを繰り返していたら、骨盤のまわりがじんじんしてきたのである。運動後の筋肉痛とは違う、内側から滲むような痛み。本書巻末のQ&Aによると、この痛みは「ずっと眠らせていた細胞が目覚めた嬉しいサイン」だそうである。そう思うと、不思議と痛みも和らぐ。その後椅子に座ってパソコンに向かっていたのだが、心なしか腰の辺りの血がさらさらになっているような気がした。血がぐんぐんと流れているイメージ。確かに、気持ちがいい。

本書は女性向けに書かれたダイエットの本である。が、なにも最終目標がダイエットでなくてよいはずだ。本書は快く勉学に励み、気持ちよく毎日を過ごしたいと望む大学生の一助となろう。(侍)

《本紙に写真掲載》