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宇宙は「ふしぎ」が正解 NPO花山星空ネットワーク講演会

2008.06.18

NPO法人花山星空ネットワーク主催の第2回講演会が7日、理学部6号館で開催された。第1部では松本紘副学長(専門は宇宙物理学)が、第2部では定金晃三大阪教育大学教授がそれぞれ講演を行った。

現実に進行する地球温暖化を食い止めるためには温室効果ガスの排出量を抑制する必要がある。松本氏はCO2排出量の少ないクリーンな大規模安定電源として宇宙太陽光利用システム(Solar Power Satellight・・SPS)を紹介した。

SPSとは、宇宙空間で得られる太陽光を収集して発電、マイクロ波やレーザーの形で地上へ照射しその電力を利用するという構想。地上での太陽光発電に比べて単位面積当たりの発電量が5~10倍と高く、昼夜天候・地形などの条件にも左右されないことが特徴。既にSPS技術の原理は全て証明されており、現在は8円/kWhを達成するための技術開発が行われている。

SPS研究の第一人者である同氏は「当面1000年間は太陽系空間の資源やエネルギーを利用する時代になるでしょう」と今後の展望を語った。

定金氏は地球から約35億光年離れたところにある超巨大ブラックホール連星「OJ287」について解説した。OJ287は大小2つのブラックホールからなるブレーザー天体で、約12年に一度、強い光を伴った2個のバーストを放つことで有名。最近では2005年11月に1回目のバーストが、07年9月に2回目のバーストがそれぞれ観測されている。この結果からバーストの到着を予想する理論モデルの正しさが証明された他、大きい方のブラックホールの質量が正確に測定され、太陽の180億倍にも上ることが判明した。

「この研究結果を新聞で見て、『ほんまにそうなんかいな』と思った人の方が正常です」と語り場内を沸かせた同氏は「最終的に2個のブラックホールは衝突して1つになるでしょう」と予想、講演を締めくくった。