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京大特色入試 時期変更せず 新型コロナ対応巡り

2020.06.01

文部科学省は5月14日、各国公私立大学長に対し、2021年の総合型選抜と学校推薦型選抜の実施に際して、新型コロナウイルス感染症の流行をふまえた対応をとるよう通知した。京大は、特色入試の実施時期や出願の時期に変更の予定はないとしている。

総合型選抜と学校推薦型選抜は、一般選抜に先立って実施する大学や、課外活動を重視して評価する大学がある。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行によって、全国の高校は長期間休校したほか、高校総体等の大会や、資格検定試験の中止が続き、出願書類の作成が難しくなっている。これらの事情をふまえて文科省は、入学志願者が不利益を被ることのないよう各大学に対応を求めたとみられる。また、永田恭介・国立大学協会会長は5月18日、総合型選抜と学校推薦型選抜の実施時期について、繰り下げを検討していることを明らかにした。文科省は、出願時期などに関して、例年6月に出す「大学入学者選抜実施要項」で改めて通知するとしている。

京大は、総合型選抜と学校推薦型選抜に該当するものとして、特色入試の実施を予定している。京大は本紙の取材に対し、「現時点では、特色入試の実施時期や出願の時期に関して、繰り下げや変更の予定はなく、検討も行っていない」と回答した。また、高校等の休校長期化や、課外活動が十分に実施できない事態が続いていることは承知しているとしたうえで、「これまでの学びの活動等における努力のプロセスや京都大学で学ぼうとする意欲を積極的に評価するので、安心して出願してほしい」と説明した。

京大の特色入試は、高校での学修の成果と、学部が定めたカリキュラムを習得するために必要な能力の2つの観点から入学志願者を選抜する制度であり、今回で6年目を迎える。2021年の大学入試では、大学入試センター試験が廃止されて大学入試共通テストが始まるのに加え、一般入試が一般選抜、AO入試が総合型選抜、推薦入試が学校推薦型選抜へと改称される。

6月1日10時30分配信

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