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観測記録をデジタル化 アーカイブとして公開も 天文台

2008.03.16

理学研究科の宇宙物理学研究室、同研究科附属天文台の研究グループは2月21日、過去に天体観測した際の画像資料をデジタル保存し、アーカイブとして一般公開すると発表した。資料は撮影日時など付帯情報と結び付けて整理されるので、研究者用のデータベースとしても活用される見こみ。
 
京都大学総合博物館などと連携し、今年10月を目途に、まず写真乾板1000枚・スケッチ1000枚などをデジタル化する。うまく進めば「第二弾、第三弾があるかもしれない」(大野照文・総合博物館教授)という。今回の動きは、稲盛財団記念館(来秋竣工予定)内にアーカイブセンターを設け、京都大学が所蔵するデジタル資料を公開する方針と歩調を合わせている。

大学構内の倉庫・暗室などに大量の観測資料が散在していることが分かったことがきっかけ。個人的に知ってはいても共有されてこなかった情報が、昨年末には研究グループ内で共有された。デジタル化して半永久的に保存する方針も決まった。

大学の外でも、宮本正太郎・第3代台長(1992年没)肉筆の貴重な火星観測スケッチなどが、遺族宅から再発見された。柴田一成・台長は「(デジタル化したものを)アニメーションにして、自転の動きを見ることもできるだろう」と話す。

デジタル化の対象に挙がっている観測資料は21日現在、ネガ約9300点、写真乾板約2800点、スケッチなどの紙約1000点など。最も古い観測資料は1910年代初めのもので、1910年に購入・設置した望遠鏡で観測したもの。

《本紙に写真掲載》




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