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イヌは人間を「見る目がない」? 気前の良い人を好む傾向見られず

2025.08.01

人と社会の未来研究院のジム・ホイラム特定研究員らの研究グループは、飼育下のイヌが、餌をくれた人をくれなかった人よりも好むとは限らないことを明らかにした。イヌにとって人間の気前の良さを評価することが困難である可能性を示唆する結果だ。

研究グループは2022年に、オーストラリアの研究センターで群れで生活するイヌやオオカミが、人間の気前の良さを評価できないことを明らかにしていた。しかし、研究センターの動物は人間と関わる経験が浅く、それが研究結果に影響を及ぼしている可能性があった。そのため本研究は飼い犬を対象に据え、気前の良さを評価できるかどうか検証した。

研究には1歳から12歳までの計40匹のイヌが参加した。研究では「傍観的観察」条件と「直接経験」条件が設けられた。「傍観的観察」条件では、調査対象となるイヌは、別のイヌが餌をくれる人とくれない人の両方と関わる様子を観察した。「直接経験」条件では、イヌは先述の2人と直接関わった。研究グループは、条件の片方を体験したイヌが、餌を持たない状態の2人と自由に関わった場合、どちらに対して近づく、飛びつくといった親和的行動を取るかを分析した。その結果、2つの条件のいずれを経たとしても、餌をくれた人をくれなかった人よりも有意に好む傾向は見られなかった。

今回の結果は、イヌのように人間と密接に協力する動物にとっても、人間の気前の良さを評価することが難しい可能性を示唆している。一方で、餌を与える・与えないという二者択一的なテストがイヌの評価能力を的確に捉えられているかどうかという方法論上の課題も浮き彫りになったという。研究グループは、イヌの社会的認知能力に影響を与える要因をより深く理解するために、今後は野良犬や介助犬、警察犬なども対象に加えて調査する必要があるとした。

本研究成果は、6月28日に国際学術誌『Animal Cognition』オンライン版に掲載された。

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