ゾウは人の視線に気づくと解明 視覚認識の進化研究に期待
2025.11.16
人と社会の未来研究院のジム・ホイラム特定研究員らのグループは、アジアゾウが人間の視線を認識していることを示した。コミュニケーションにおける視覚情報の重要性をゾウが理解していることを示唆する結果だ。アジアゾウが視覚情報をコミュニケーションにどの程度利用しているのかに関する調査はこれまでなく、今回の研究は、動物の視覚的注意の進化を探る上で新たな知見となるという。
ゾウはコミュニケーションの手段として、大きな耳による聴覚と長い鼻による嗅覚に依存する傾向が強いが、視覚も用いている。アフリカゾウは人間からの視線を認識することが示されているが、アジアゾウでは調査されてこなかった。
グループは、飼育下の雌ゾウ10頭を対象に、人間に餌を要求する課題を設定。実験者の体と顔の5通りの向きと、ゾウが実験者に餌を求める頻度の対応関係を分析した。グループが設けた実験者の条件は▼身体も顔も背けた状態▼身体を背け顔は向けた状態▼身体を向け顔は背けた状態▼身体も顔も向けた状態▼実験者が不在の状態、の5つ。実験でゾウは、実験者の体と顔が両方ともゾウに向いている際に最も頻繁に餌を要求した。グループは、この際に「身体の向きは顔の向きよりも強い視覚的手がかりのように見えたが、この効果は顔もゾウを向いている場合に依存していた」とした上で、この依存関係は、ゾウが人間の視線を認識するために複数の手がかりを組み合わせていることを示すと指摘した。
また実験では、実験者が身体を背けているときにゾウは実験者が不在の状態と同じ振る舞いをすることもわかった。これは、ゾウが人間の身体の向きに敏感であり、人間の存在だけを理由に餌を求めるわけではないことを示しているという。
グループは本研究を、ゾウの認知についての知見を深めるだけでなく、動物の視線の研究に資するものだとしている。研究成果は10月2日に、国際学術誌「Scientific Reports」にオンライン掲載された。
ゾウはコミュニケーションの手段として、大きな耳による聴覚と長い鼻による嗅覚に依存する傾向が強いが、視覚も用いている。アフリカゾウは人間からの視線を認識することが示されているが、アジアゾウでは調査されてこなかった。
グループは、飼育下の雌ゾウ10頭を対象に、人間に餌を要求する課題を設定。実験者の体と顔の5通りの向きと、ゾウが実験者に餌を求める頻度の対応関係を分析した。グループが設けた実験者の条件は▼身体も顔も背けた状態▼身体を背け顔は向けた状態▼身体を向け顔は背けた状態▼身体も顔も向けた状態▼実験者が不在の状態、の5つ。実験でゾウは、実験者の体と顔が両方ともゾウに向いている際に最も頻繁に餌を要求した。グループは、この際に「身体の向きは顔の向きよりも強い視覚的手がかりのように見えたが、この効果は顔もゾウを向いている場合に依存していた」とした上で、この依存関係は、ゾウが人間の視線を認識するために複数の手がかりを組み合わせていることを示すと指摘した。
また実験では、実験者が身体を背けているときにゾウは実験者が不在の状態と同じ振る舞いをすることもわかった。これは、ゾウが人間の身体の向きに敏感であり、人間の存在だけを理由に餌を求めるわけではないことを示しているという。
グループは本研究を、ゾウの認知についての知見を深めるだけでなく、動物の視線の研究に資するものだとしている。研究成果は10月2日に、国際学術誌「Scientific Reports」にオンライン掲載された。
