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特色入試 試験問題の見本公開 学部独自の内容 明らかに

2015.02.16

2016年度から実施される京都大学特色入試について、京都大学は12月26日、試験問題の見本を公開した。問題は第一次選考を通過した受験生に出題するもので、各学部が独自に作成した。配点や試験時間も異なる。



総合人間(文系)、文、教育、法、経済、医(医学科、人間健康科学科)、農学部は小論文形式で出題。資料やテーマなどは各学部によって様々だ。文学部は「幸福と不幸の関係」について考えを述べさせ、教育学部は公園の遊具による事故の具体的事例や遊具設置件数の推移表などの資料を提示し、「子供の遊び」に対する受験生の考えを求める。

理学部は数学の問題4問を4時間で解かせる。薬学部はある化学反応についての英語論文を掲載し、関連する化学の問題を出題した。

総合人間学部の「理系総合問題」では、「野菜に同じ重さの塩と砂糖を振り掛けたら、砂糖の場合の方が多くの水が出た。理由を教えてください」という小学6年生の質問に、自然科学館のボランティアとしての立場で答えさせる。

記者会見で北野正雄・教育担当理事は、問題の特徴について「高校で教わる内容を基本としつつも、各学部の専門的な内容に即した問題が多い」と説明する。「問題を通して高校生に大学での学びを意識させたい」と話した。

京都大学入試企画課によると、問題冊子を報道各社や高校・予備校関係者に配布したものの、著作権上の問題から一般に向けて公開する予定はないという。

■京都大学特色入試 従来の二次試験とは別に、2016年より全学部で始まる(工学部は地球工学科、電気電子工学科、情報学科、工業化学科、農学部は食料・環境経済学科、薬学部は薬科学科のみ)。グローバルリーダーとなる人材の選抜が目的。試験方法の詳細は各学部によって異なるが、主に書類審査による第一次選抜と、面接、筆記試験などによる第二次選抜が行われる。工学部は口頭試問と面接を第二次選抜で課し、筆記試験は実施しない。特色入試を後期試験と位置付ける法学部を除き、出願は11月前後の予定。

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