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京大特色入試 高校・予備校に説明会 「学びの設計書」詳細明らかに

2014.08.01

2016年から実施される京都大学特色入試について、高校や予備校関係者などを対象に概要説明や意見交換をする「京都大学交流会」が7月24日、百周年記念ホールで開催された。第1次選抜で必要となる「学びの設計書」など提出書類の見本も新たに配布された。

今年4月の記者会見で発表された選抜方法や時期など、特色入試の概要が各学部の担当者より改めて参加者に説明された。細かな選抜方法は学部で異なるが、主に出願者提出の書類審査やセンター試験の成績による第1次選考と、論文試験や面接での第2次選考からなる。出願は早い学部で10月に受け付ける。一部の学部では既卒生も出願可能。

選抜の中心となるのは、第1次選考で審査対象となる「学びの設計書」だ。「なぜ入学を希望するのか」「大学で何を学びたいのか」「学んだことを卒業後、どう活かすか」をA4判の用紙、2~3枚程度を使い、出願者本人が記入する。具体的な設問や記入量は学部で異なる。教育学部では別途「学びの報告書」を用意し、高校時代の取り組みや学んだことについて詳細に書かせる。特色入試を「後期試験の復活」と位置づける法学部では、小論文やセンターの試験を重視し、設計書は出願に必要ない。

提出書類には他に、「学業活動報告書」がある。生徒の「顕著な活動歴」を学校長が記入するもので、多くの学部で必要だ。ただ、学業活動報告書については高校関係者から「当時の担任が転勤・定年となっている既卒生の場合は作成が困難」で、出願できない可能性があると指摘された。そのような既卒生への配慮について入試企画課は本紙の取材に、「対応は現在検討している」と答えた。

意見交換では、ある高校関係者が「出願資格、提出書類、選抜時期も学部によってバラバラで、現場がどれだけ混乱するか。学業活動報告書の件にしても大学側は現場を分かっていない」と大学への不信感をにじませた。これに対し淡路敏之・教育担当理事は「今回出したのはあくまでも概要。各高校に送付しているアンケートも踏まえ、鋭意改善した上で募集要項として示す」と強調し、来年の4月までに要項を発表したいと述べた。



■京都大学特色入試 

従来の二次試験とは別に、2016年より全学部で始まる(工学部は地球工・電気電子・情報・工業化学科、農学部は食料・環境経済学科、薬学部は薬科学科のみ)。グローバルリーダーとなる人材の選抜が目的。二次試験合格者の3㌫にあたる約110名を選抜する。法学部を除き、合格者は京大への入学が義務付けられる。医学部医学科では高校2年生の出願も可能。

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