「異界体験」から抜け出せない若者たち 第5回「こころの広場」(2009.11.01)

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10月25日、稲盛財団記念館3階大会議室にてシンポジウム『第5回こころの広場』が開かれた。講師は島根大学教育学研究科教授の岩宮恵子氏。テーマは今日の思春期が昔のそれとどのように変わったかを明らかにしようというもの。第1部では同氏が講演し、第2部では司会進行のこころの未来研究センター教授、河合俊雄氏と対談した。

スクールカウンセラーとしての顔も持つ岩宮氏は実体験をもとに、今の思春期の子どもの多くは『異界体験』をしていると述べた。これは自分が周囲の他者とは異なり、特別な存在であるという意識のことである。今の中高生に見られる、他者の目を意識しない言動もここに起因すると岩宮氏は言う。異界体験は多くの場合俳優や小説家など実現可能性の低い夢として現れる、以前から存在していた一過性のものだ。しかし、昨今はインターネットでのオーディションなどによって、職業として成立しないレベルでその夢が叶ってしまう。そのため異界体験に向き合えず、日常と異界体験とを区別できない子どもが増えている。そういった子どもにはこれまでの「普通に戻す」という姿勢でカウンセリングするよりも、日常との折り合いを付けさせることの方が重要だとして、岩宮氏は講演を締めくくった。

一方の河合氏との対談では、人のつながりが希薄になるなかで公共の見方が成立せずに、グループが断片化している社会の現状と、それへの個別の対応の可能性をめぐって活発な議論が交わされた。

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