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一般市民にひらかれた「哲学」を 応用哲学会 第1回研究会開催へ

2009.04.22

京都大学文学部新館で4月25、26日、「応用哲学学会」の第1回目となる研究会が開催されるのに伴い、8日、会長の戸田山和久氏(名古屋大学教授)と事務局長の出口康夫氏(京大文学研究科准教授)が研究会の内容、同学会の設立趣旨などについて記者説明を行った。

同学会は戸田山・出口両氏が呼びかけ人となって昨年9月に設立された新しい学会。二人は常々日本の哲学界が過去の哲学者の文献を読み解く業務のみに終始していることを問題視する。古くはソクラテスにみられたように、哲学者が社会の諸問題について提言・貢献できるような、一般の市民にひらかれた哲学のあり方を模索するうちに、同学会の立ち上げに至った。

既存の学会と異なり、運営にあたる理事を60歳未満に限定し哲学を専門としない者の枠を設けるなど、古い考えに凝り固まらない運営を目指しており、哲学以外の領域の研究者・専門家・市民のひろい参加をよびかけている。現在会員数は約130人でその約4割の会員が哲学を専門としない技術者などであるという。

初めてとなる今回の研究会では2日にわたり32の講演やワークショップが催され、1日目には2階ピロティでポスターセッションも行われる。また、2日目のおわりには茂木健一郎氏がゲストとして招かれ、ほか3氏と共に公開シンポジウムを行う。このシンポジウムに限らず参加費500円を払えば学会員以外でも2日間とおしで参加可能。

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