緊急特集:吉田寮退去の「基本方針」を検証する(資料編)(2018.01.16)

Filed under: 企画類
????????????????????

  • 吉田寮の退去期限を通告
  • 本編

  • ※編集部注:紙面には年表も掲載したが、ここでは割愛した。また、確約については、吉田寮自治会と大学当局の確約のなかから抜粋した。その他の確約は、吉田寮自治会サイトなどを参照されたい(吉田寮自治会公式サイト)。

    〈確約集〉


    ◆2009年10月9日 確約書A
    注:
    副学長=「学生・教育」を担う副学長
    新寮=吉田寮の新棟
    新規寮=現在ある四寮以外の寮
    項目1:
    吉田寮自治会と副学長西村周三は新寮・新規寮の建設と現吉田寮の老朽化対策について誠意を持って合意を形成する努力を行う。
    項目2:
    大学当局は吉田寮の運営について一方的な決定を行なわず、吉田寮自治会と話し合い、合意の上決定する。また、吉田寮自治会が団体交渉を希望した場合は、それに応じる。
    (印)吉田寮自治会
    (署名) 副学長 西村周三
    (手書き)私西村周三が本確約書にサインした動機は項目1について吉田寮自治会と確認できたことによる。

    ◆2011年3月8日 確約書(抜粋)
    項目1:
    大学当局は吉田寮の運営について一方的な決定を行わず、吉田寮自治会と話し合い、合意の上決定する。また、吉田寮自治会が団体交渉を希望した場合は、それに応じる。
    項目2:
    大学当局と吉田寮自治会は、吉田寮の新寮・新規寮の建設と現吉田寮の老朽化対策について、誠意を持って合意を形成する努力を行う。
    2011年3月8日
    (署名)副学長 赤松明彦
    (印)吉田寮自治会
    (手書き)私赤松明彦が項目1を確約した動機は、項目2について吉田寮自治会と確認できたことによる。

    ◆2012年4月24日 確約書
    私、赤松明彦・厚生補導担当副学長は、2012年4月23日の話し合いにおける、吉田寮自治会からの吉田寮食堂を含めた現吉田寮の大規模補修方針の提起とそれに関する議論を受け、2012年4月23日付の吉田寮自治会に提出した文書「旧食堂の取り扱いと吉田寮新棟の建設について」を撤回する。

    今後、吉田寮食堂の存廃・A棟の条件・現寮の老朽化対策などの事柄に関して吉田寮自治会との団体交渉を含む話し合いを継続することを、ここに責任ある担当副学長として確約する。また、私、赤松明彦は厚生補導担当副学長として吉田寮自治会及び関係者の合意なくして、食堂の取り壊しとA棟建設に関する設計・契約、その他の既定路線化につながる事柄を一切決定することはしない。

    また、教職員、警察または警備員を導入した吉田寮食堂の強制的な撤去を行わない。 2012年4月24日

    (署名)赤松明彦

    ◆2012年9月18日 確約書
    ○現寮の老朽化対策について
    項目1:
    吉田寮新棟の建設及び現棟の老朽化対策を、第二期重点事業実施計画の予算執行期限である2015年度までに完了させるよう協議を続けていく。
    項目2:
    吉田寮の耐震強度を十分なものとし、寮生の生命・財産を速やかに守るために、吉田寮現棟を補修することが有効な手段であることを認める。
    項目3:
    大学当局は本確約末尾に示す「吉田寮現棟(管理棟・居住棟)の建築的意義」を認め、その意義をできるかぎり損なわない補修の実現に向けて、今後も協議を続けていく。

    ○A棟(吉田寮食堂西側広場(通称「焼け跡」)に建設予定の吉田寮新棟)について
    項目4:
    大学当局は継続中の協議事項及びA棟の運営について一方的な決定を行わず、吉田寮自治会と話し合い、合意のうえ決定する。また、吉田寮自治会がA棟に関して団体交渉を希望した場合は、それに応じる。
    項目5:A棟の入退寮選考について
    A棟の入寮者及び退寮者の決定については、現行の吉田寮自治会の方式を適用する。
    項目6:吉田寮食堂の存廃について
    吉田寮食堂には現存地において現在の姿を最大限残した形での耐震補強を行う。補修方法の詳細については今後も継続して協議を行う。
    項目7:A棟の構造について
    A棟の構造については、基本居住部分は木造2棟、そこに小規模な鉄筋コンクリート造の棟を組み合わせる混構造とする。また、A棟には地下スペースを設ける。内部構造や地下スペースの使用方法などA棟の構造の詳細については、防災等に配慮しつつ、今後も継続して協議を行う。
    項目8:A棟居住寮生の経済負担について
    A棟居住寮生の経済負担(寄宿料・負担区分・寄宿料免除規程など)については、今後も継続して協議を行う。
    項目9:A棟建設合意にともなう他寮への影響について
    A棟建設合意を理由に、他寮の寮費値上げ・負担区分の変更や、管理強化を行わない。

    ○この確約書の扱いについて
    項目10:確約の引継について
    吉田寮自治会と確認した本確約の全項目について、次期の副学長に責任を持って引き継ぐ。
    項目11:
    項目1から項目10を確約したうえで、吉田寮自治会と大学当局はA棟建設に合意し、基本設計に着手する。また、大学当局は今後速やかに吉田寮自治会の耐震補修を行う。
    吉田寮現棟(管理棟・居住棟)の建築的意義
    第一に、吉田寮現棟は周辺環境とともに、建築として優れた価値を有する。吉田寮現棟には優良な木材が使われており、居室は全て南向きに配置されている。また、三棟ある居住棟それぞれの間には豊かな樹木群が生い茂る広い庭がある。そのため、日当たり・風通しが大変優れており、寮生の快適な生活を可能にしている。また、吉田寮現棟の庭には多種多様な生命が生き生きと根づいており、その庭は吉田寮生のみならず、広くその庭を訪れる人にとって憩いの場としても機能している。

    第二に、建築史から見た価値が吉田寮現棟には存在する。吉田寮現棟は明治・大正期に洋風建築が普及していくなかで建てられた和洋折衷の建築物である。この時代に建てられた西洋の建築意匠・技術によって建てられた学生寮や寄宿舎は多いが、それらのほとんどは建て替えられてしまった。したがって、吉田寮現棟は明治・大正の建築意匠・技術を今に伝える希少な建築物となっている。このように歴史を体現して今に伝える建築物は、過去の事実を知り、未来の新しい考えを生み出す拠り所として貴重なものである。なお、こうした価値はある建物単体としてではなく、吉田寮現棟と隣接する吉田寮食堂棟などと不可分の建築群として、はじめて形成されるものである。

    第三に、一世紀にわたり動態保存され続けてきたことによる価値を吉田寮現棟は有している。このことは、自分たちの生活・活動の場をより良くしようとしてきた人びとの不断の試行錯誤の結果であり、またそうした結果を引き継ぎ、今後も絶え間ない努力を可能にする場として、吉田寮現棟が存在することを意味する。この価値は、たとえば吉田寮現棟の一部をモニュメントなどとして残すのではなく、使い続けることによってこそ受け継がれていくものである。この価値もまた、第二に挙げた価値と同様に、吉田寮現棟のみならず、それに隣接する吉田寮食堂棟などからなる建築群によって、体現されていると言える。

    2012年9月18日
    (署名)副学長 赤松明彦
    (印)吉田寮自治会

    ◆2014年9月26日 確約書
    以下の項目は、これまでの吉田寮自治会との協議を踏まえて、引き継ぎのための確認事項として厚生補導担当副学長が認めるものである。
    a
    新棟(旧名称A棟)の経済負担(寮費、負担区分、免除条項)については一方的な決定をしない。また新棟の水光熱費の負担区分については、吉田寮自治会との合意に至るまで現棟の現在の負担区分を適応(原文ママ)する。

    b
    新棟(旧名称A棟)における事務員の雇用・配置・業務内容については、吉田寮自治会との合意に至るまで一方的な決定をせず、継続議題として吉田寮自治会とこれからも協議していく

    c
    吉田寮自治会と確認した本確約の全項目について、次期副学長に責任を持って引き継ぐ。

    2014年9月26日
    (署名)副学長 赤松明彦

    ◆2015年2月12日 確約書(抜粋)
    項目1
    大学当局は吉田寮の運営について一方的な決定を行わず、吉田寮自治会と話し合い、合意の上決定する。また、吉田寮自治会が団体交渉を希望した場合は、それに応じる。
    項目2
    大学当局は、吉田寮の新寮・新規寮の建設と吉田寮現棟の老朽化対策について、吉田寮自治会と誠意をもって合意を形成する努力を行う。
    (署名)杉万俊夫

    ◆2015年7月29日 確約書
    私は学生担当理事・副学長として、以下の内容に合意する。
    (1)7月28日に大学当局から吉田寮自治会に出された文書「吉田寮の入寮者募集について」(以下「文書」)を翌29日に京都大学ホームページ上で公開したことは、大学当局が当事者である吉田寮自治会との一切の合意なく決定した入寮募集停止を、一方的に公表・既定路線化するものであり、吉田寮自治会との確約に違反することを認める。したがって文書は撤回し、ホームページ等で撤回の旨を周知するべきであることを認める。
    (2)7月30日に設定する理事副学長会議で、文書を撤回しホームページ等で撤回の旨を周知するよう尽力する。その時間帯と場所は決まり次第速やかに吉田寮自治会に連絡する。7月30日に団体交渉を開き、会議の結論について吉田寮自治会に説明する。また会議の議事録を全て吉田寮自治会に対し公開する。
    (3)吉田寮自治会の要求に応じて、本件に関し山極総長を含む団体交渉を設定する。
    (署名)杉万俊夫

    ◆2015年7月30日 確約書
    「吉田寮の入寮者募集について」はあくまで理事・副学長会議としての提案にすぎず、決定ではない。
    提案は撤回することが可能である。今後文書の撤回に向けた吉田寮自治会との団体交渉を行う。
    2015年7月30日
    (署名)杉万俊夫

    トップページお問い合わせサイトポリシー著作権について個人情報の取り扱いについて
    京都大学新聞社 〒606-8317 京都市左京区吉田本町 京都大学構内 TEL:075-761-2054(直通) 075-753-7531(内線2571) FAX:075-761-6095