ドイツと日本のオタクは違う? ドイツにおける日本のサブカルチャー(2017.04.01)

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3月21日、若者文化シンポジウム「ドイツにおける日本のサブカルチャー」が、京都大学国際科学イノベーション棟で開催された。主催は山岡記念財団で、日本とドイツのアニメ・マンガ文化やファン層の傾向などを題材に日本とドイツから計3名の講師が講演した。

フランクフルト大学児童文化研究所学芸員であるベルント・ドレ=ヴァインカウフ氏は、ドイツで実施したマンガファン層へのアンケートからその傾向を述べた。ドイツのマンガファン層は女性の割合が非常に高く、アンケート回答者の半数が自身でもマンガを描いていると答えている。また、マンガ愛好者の過半数がコミュニティなどにおいて他のファンと楽しみを共有しており、マンガを読むことがライフスタイルや人との接し方、考え方などの面でポジティブな変化を与えたと考えている。読者層は10代から20代前半に集中しており、これはマンガが親離れや学校の問題などの思春期・青年期に接する課題を題材にしたものが多いことから、この時期のアイデンティティ形成や問題解決の道具としてマンガが役割を果たしているからではないかとヴァインカウフ氏は語った。

フランクフルト大学の学生・酒井洋一氏は、「ドイツにコミケはあるのか?」と題し、ドイツにおけるアニメファン参加イベントを紹介した。ファンイベントは2000年ごろから開催されており、文化施設全体を使用してステージパフォーマンスやワークショップなどを同時並行で行うコンベンション式が多いという。日本のコミケと比べ、いわゆる同人誌のブースが狭いことも特徴だ。他に参加者宿泊型のイベントやコスプレ舞踏会なども開かれており、日本とはまた違った形でファン同士が交流している。近年では日本のクリエイターやファンとの交流もあり、国際交流への活用の可能性も示唆された。

東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授の北田暁大氏は、オタクの男女差や非オタクとの考え方の差などのデータを取り上げ、日本とドイツで比較した。日本では、ディープなオタク男子のアニメ・漫画の楽しみ方がキャラクターなどの外見を重視しているのに対し、腐女子と呼ばれるようなオタク女子はキャラクター同士の相互関係に重きを置く傾向があった。また、社会に対する感じ方にも男女差があり、男性オタクには排外主義的な考え方が強く、女性オタクには男女役割分担に反感を持っている人が多いことも明らかになった。一方ドイツのディープなオタク層では、社会への考え方に男女の差はあまりみられず、両者ともに政治的にはリベラルで性別役割分業に肯定的な傾向が見られた。

討論では、来場者のコメントペーパーを参考にしつつ、講演者たちが意見を交換した。二次創作を好むようなディープなファン層の傾向が日本とドイツで異なる理由やサブカルチャーを利用した国際交流などが話題に上がった。日独の差については、ドイツでは日本のマンガが異文化にあたるため排外主義的な人はそもそも手を出さないのではないか、自由を重視した親世代を持つ現代のドイツの若者がその反動として保守的になっているのではないか、ドイツにおける一般的な風潮の差も日独の差に影響を与えているのではないかなどの可能性が指摘された。

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