河合隼雄物語賞・学芸賞記念講演会 無意識と詩の構造(2015.10.16)

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谷川俊太郎さんに聞く 河合隼雄との思い出


詩人の谷川俊太郎氏が自身の詩を朗読し、心理学者で京大名誉教授だった河合隼雄氏について語る「谷川俊太郎さんに聞く―河合隼雄との思い出」が10月12日、京都大学稲盛財団記念館で開催された。一般財団法人河合隼雄財団が第3回河合隼雄物語賞・学芸賞記念講演会として行ったもの。同財団の代表理事で河合隼雄氏の息子である河合俊雄氏を聞き手に、生前の河合隼雄氏について話が交わされた。

谷川俊太郎氏と河合隼雄氏は『魂にメスはいらない-ユング心理学講義』を共に著すなど、公私ともに親交があった。河合俊雄氏が谷川俊太郎氏に、河合隼雄氏との思い出や氏の詩作についてインタビューし、谷川氏がそれに答えつつ自身の詩を朗読するというかたちでトークが進行した。

開会の挨拶として河合俊雄氏は、河合隼雄氏が「物語」を重視した一方で詩や純文学はやや苦手としていたこと、それにもかかわらず谷川氏の作品には相通じるものを感じていたことに触れた。

谷川氏は河合隼雄氏と初めて会った時の印象を、「偉い人が来るのかと思ったら、村人のような人が来た」と振り返り、駄洒落が好きでユーモアあふれる人柄を紹介した。

河合隼雄氏の著作を読んで以降、谷川氏は無意識というものを意識するようになったという。無意識の形成は詩のでき方と似ており、詩とは言語化されていない領域から「ポコッと出てくる」ものだと話した。

谷川氏は河合隼雄氏が日本に紹介したユング派心理学における原型の概念を参照し、「老賢者」に友人をなぞらえた。むしろ父は少年の視点を持っていたと河合俊雄氏が家族のエピソードを明かすと、谷川氏は「年齢は上昇し下降するかまぼこ型のものではなく、現在の自分の中に過去のすべての自分がいる、同心円状の年輪のようなものだ」と答えた。

自身の詩作に関して谷川氏は、「自分の中にあるイメージは視覚型ではなく聴覚型であり、詩も意味的であるより音楽的である」と述べた。河合俊雄氏はその点で「意味を追究した河合隼雄氏とは異なり、むしろ谷川氏の感性は自身の感じ方に似ている」と話した。

参加者席にいた山極壽一・京都大学総長がゴリラの歌う行動に触れて「谷川さんは自然に近い」と評すと、「言葉にならないところからメロディが生まれてくる詩は言語の起源と言えそうだ」と谷川氏も認めた。

谷川氏は「みみをすます」「夕景」「ひらがな」などの詩を朗読し、その度ごとに会場から大きな拍手が送られた。最後には亡くなった河合隼雄氏を悼んで作った「来てくれる」が朗読された。(交)

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