京大 新「国際戦略」策定へ 国際競争への指向強まる(2013.06.01)

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京都大学が新たな国際戦略の策定に向けて検討を進めていることが、本紙の調べにより明らかになった。「京都大学の国際戦略(案)」と題した新戦略は、「2by2020(国際化の指標を2020年までに2倍)」というスローガンを掲げ、研究・教育・国際貢献の各分野について2020年までの達成を目指す施策や数値目標を設定している。同戦略については5月14日の部局長会議で初めて報告があり、5月21日、三嶋理晃国際担当理事・副学長より各部局長へ資料が送られた。今後、6月11日の部局長会議に同戦略(案)が提出される予定。

新たな国際戦略は、近年における国際競争の激化に対する危機感を背景としており、2020年を目処に京都大学が「真の世界トップレベル大学―WPU(World Premium University)―」としての地位を確立することを目指している。そのための方針として、研究・教育・国際貢献の3分野に大きく区分してそれぞれの基本目標を定めている。研究分野では、近年の国際競争の中で京大が相対的に評価を低下させていることの要因を国際化の遅れとし、「世界的に卓越した国際競争力のある研究の推進」を掲げている。教育分野では、国際社会において世界を牽引するグローバルリーダーを排出する責任が京大にはあるとし、「世界に通用する国際力豊かな人材の育成」を掲げている。国際貢献分野では、環境問題や資源・エネルギー問題等、様々な地球規模の課題を解決するために京大が多角的に貢献するとし、さらに京大の基本理念を元に「地球社会の調和ある共存に資する国際貢献の推進」を掲げている。それぞれの分野における具体的な施策と数値目標を下にまとめた。このほか、国際戦略を着実に進めるため、役員会の諮問機関として関係理事・部局長・教育院長等で構成される「国際戦略委員会(仮称)」が設置される。

京都大学では2005年に初めの「国際戦略」(旧戦略と呼ぶ)が策定された。旧戦略と比べて新戦略は、具体的な数値目標を設定している点に特徴がある。また旧戦略は「国際交流」を目的としていたが、新戦略は「国際競争」への指向が色濃くなっている。「国際交流」は「国際競争」のための手段となり、旧戦略を踏襲した施策についても、前提が「国際競争」に置き換わった。

新戦略全体を通して、施策実施のための予算の裏付けは示されていない。しかし、新戦略の施策と、教育再生実行会議が5月28日に出した第3次提言「これからの大学教育等の在り方について」の中で提示されている施策が類似していることから、政府が「国際化を断行する大学(「スーパーグローバル大学」(仮称))を重点的に支援する」(同提言)ことを見越していると思われる。

新国際戦略が掲げる施策及び数値目標


研究分野
(1)国際競争力ある海外大学等との国際共同研究の推進
(2)若手研究者の海外派遣支援の強化
 若手研究者(ポスドク・特別研究員等を含む)の年間海外派遣者数4000人
 (2011年度:延べ2047人)
(3)外国人研究者・外国人教員の受入れ体制・制度の充実
 外国人研究者の年間受入数6000人(2011年度:2950人)
 外国人教職員数500人(2012年5月1日現在:252人)
(4)世界トップレベルの研究拠点の形成
(5)国際シンポジウムの開催等による大学の評価の向上
 大学主催の国際シンポジウムを毎年5回開催
(6)大学間国際ネットワークの強化推進
(7)研究者(頭脳)の好循環のための環境整備の充実

教育分野
(1)学生の海外派遣者数増加の加速
 中長期留学600人(2011年度:337人)
 短期留学1000人(2011年度:636人)
(2)学生の英語能力の強化
 学部卒業時にTOEFL-iBT80点以上の学生の比率50%
(3)国際インターンシップの促進
(4)留学生の質保証と受入れ数及び国・地域数の増加
 学位取得・コース認定型の留学生数4000人(2012年度:1537人)
 受入交換留学生数300人(2012年度:130人)
(5)全学共通科目・専門科目の英語による講義の増加と充実
 英語による講義の実施率30%(2012年度:5.1%)
(6)「京都で学ぶ日本学・アジア学」の設置

国際貢献分野
(1)国際産学連携の推進
(2)国際産学連携を推進する人材の育成
(3)国際産学連携ネットワークの構築
(4)国際社会への情報発信力の強化

その他重点施策
(1)学生・教員・職員の国際化の推進
 一定の英語力(TOEIC800点以上)を持つ職員数140人(2011年度:49人)
(2)世界大学ランキング(THE)への対応
 TOP10
(3)国際化推進に必要なインフラの充実
 外国人研究者・留学生の宿泊施設800戸(現在:400戸)
(4)学術交流協定及び学生交流協定締結の推進
 学術交流協定200件(2012年9月現在:93件)
 学生交流協定150件(2013年4月現在:69件)
(5)海外大学・研究機関・企業との連携強化と国際広報の強化
(6)国際戦略推進及び事務組織の体制等の強化

※全てに数値目標が設定されているわけではない

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