専門家と市民が語る「まつり」の未来 シンポジウム「祇園祭とくらしの関係って?」(2012.07.16)

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7月14日、京都烏丸コンベンションホール(京都市中京区)でシンポジウム「祇園祭とくらしの関係って?」(主催:NPO法人エコロジー・カフェ関西事務所、京都大学フィールド科学教育研究センター)が開催された。当日は祇園祭の運営や環境保護活動に関わっている人など大勢の市民が来場。柴田昌三・フィールド研センター長、浅利美鈴・京大環境科学センター助教の二名による講演ののち、彫刻家で「京都アートカウンシル」代表幹事の貴志カスケ氏を交えたパネルディスカッションが行われ、来場者とも様々な意見交換がなされた。

柴田氏は「祇園祭や京の暮らしを支えてきた里」というテーマで、鉾をはじめ祇園祭に欠かせない様々な物品製作の技術と、その材料を供給してきた日本の里山の現状について語った。例えば鉾の車輪の材料となる材木の場合、以前は道頓堀などで容易に入手可能だったが、現在は岐阜や名古屋などでまれに出荷されるものを待たねばならないという。このように、部位によっては材料を京都近隣で調達するのが難しく、遠くは九州などから取り寄せることもしばしばある。

また、厄除けの粽(ちまき)に用いられる笹はこれまで花背・大原から調達していたが、開花のため数百万枚の出荷が停止してしまったという自然物ならではのトラブルも。それでもなお、京都の伝統的な事業所は輸入品の使用に抵抗し国内調達にこだわってきたため、一部の入手経路不明なものを除けば、祇園祭の物品の「自給率」は限りなく100%に近いものだといえる、と柴田氏は結論した。

浅利氏はテーマに掲げた「祭りの裏にある“ごみ”の世界」について、様々なデータの分析を交えて検証。容器・包装の進化・多様化によって、屋台などから発生するごみの総量は増加傾向にある。また後を絶たないごみの散乱は景観を汚すだけでなく、多くの危険を生じさせてしまう。こうした現状の一方で、「美しい祇園祭をつくる会」などの団体が立ち上がり、祇園祭の美化に向けた大きな動きもある。しかし「ごみゼロ」にいたるにはまだ課題が多く、更なる取り組みが必要だと浅利氏は語った。

パネルディスカッションでは、単なる「祭」ではなく「祀」としての祇園祭を取り戻す方策について、パネラーの三者のほか、訪れた市民からも意見が出された。パネラーの貴志氏は、屋台街だけではなく、企業などが展示する「お宝」にも関心を持ってほしいと主張。また祇園祭の運営に携わっているというある市民は、エコロジーな視点を追求した屋台の立ち上げの例を紹介し、今変わりつつある祇園祭の姿を強調した。

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