吉田寮 元寮生の会 対話求め申入書 再三提出も回答なく
2024.07.16
吉田寮現棟の明け渡し請求訴訟をめぐり、「21世紀に吉田寮を活かす元寮生の会」は7月10日、京大の湊総長や國府理事宛てに訴えの取り下げを求める申入書を提出した。寮生の一部勝訴となった地裁判決をふまえ、大学当局による控訴を「大変遺憾」と批判。補修に向けた寮自治会との連携や、学生を含めた面会の実施を求め、7月末を返答期限とする。
元寮生の会は17年10月に発足し、約100名が名を連ねる。10日昼、1950~90年代在寮の7名が代表して厚生課を訪れ、職員に申入書を手渡した。同会の公式サイトによると、書面での申し入れは10回目。昨年12月の申入書では「毎年提出しているが、回答をいただけず、解決に向けた対応もない」と訴えた。これにも返答はないという。
本紙が京大に対し、▼今回の申入書の取り次ぎ状況▼面会への対応予定▼前回の申入書に未回答の事情の3点を尋ねたところ、一律で「当事者からの質問ではないため、回答を差し控える」との返答を得た。
吉田寮自治会は7月5日、公式サイト上で声明を発表し、山極壽一氏と川添信介氏への公開質問状について「現在に至るまで一切の回答がない」と公表した。「不当な訴訟を断行した責任者として、当事者からの問いかけに一切の応答を拒む姿勢は到底容認できない」と批判している。
両氏は寮生提訴時の総長と学生担当理事で、寮自治会が4月9日付で地裁判決への見解を問う質問状を出していた。
本紙が両氏に事情を尋ねたところ、川添氏は質問状について「郵送されて受け取っており、内容も承知していた」としたうえで、「裁判については貴社(京大新聞社)に見解を述べており、さらに『吉田寮自治会』に対して申し上げることはないために、回答しない」と返答した。川添氏は3月時点で本紙の取材に対し、判決への見解として「承服できない」などと答えている。一方、山極氏が所長を務める総合地球環境学研究所の広報室は本紙に、「(山極氏に)確認したところ、本件については回答しかねる」と答えた。
▼地裁判決の妥当性
承服できない判決。吉田寮に居住する諸君の安全を確保するという大学の責任について裁判所がどのように考えているのか不明。判決では一方で「入寮禁止措置」を取る権限が大学にあることを認めてそれ以降の入寮者には明け渡しを求めているのに、その同じ大学が居住者の安全を確保するための措置が過去の「確約書」によって有効ではない(つまり、在寮者に退去を求める権限がない)というのは、私には一貫した判断とは思えない。吉田寮自治会にとっては「入寮禁止措置」そのものが「確約書違反」のはずだから。
▼判決が学生の安全確保に寄与するか
16名の在寮生は今回の判決によって「居住し続ける」だろうと推測するため、その意味では安全確保に寄与しない。他方、上にも書いたように、大学が入寮禁止措置をした後の居住者には居住の権限がないことが判決によって示されたため、そのような学生諸君が危険な吉田寮から退去する機会に今回の判決がなるかもしれない。その意味では安全確保に寄与する判決であったと言えるかもしれないが、私の経験からは、そのような自主的退去が実現するとは思えないため、判決は安全確保には寄与しないことになると思う。
▼京大による控訴の是非
当然の対応であると思う。
元寮生の会は17年10月に発足し、約100名が名を連ねる。10日昼、1950~90年代在寮の7名が代表して厚生課を訪れ、職員に申入書を手渡した。同会の公式サイトによると、書面での申し入れは10回目。昨年12月の申入書では「毎年提出しているが、回答をいただけず、解決に向けた対応もない」と訴えた。これにも返答はないという。
本紙が京大に対し、▼今回の申入書の取り次ぎ状況▼面会への対応予定▼前回の申入書に未回答の事情の3点を尋ねたところ、一律で「当事者からの質問ではないため、回答を差し控える」との返答を得た。
自治会、元総長らの「無回答」批判
吉田寮自治会は7月5日、公式サイト上で声明を発表し、山極壽一氏と川添信介氏への公開質問状について「現在に至るまで一切の回答がない」と公表した。「不当な訴訟を断行した責任者として、当事者からの問いかけに一切の応答を拒む姿勢は到底容認できない」と批判している。
両氏は寮生提訴時の総長と学生担当理事で、寮自治会が4月9日付で地裁判決への見解を問う質問状を出していた。
本紙が両氏に事情を尋ねたところ、川添氏は質問状について「郵送されて受け取っており、内容も承知していた」としたうえで、「裁判については貴社(京大新聞社)に見解を述べており、さらに『吉田寮自治会』に対して申し上げることはないために、回答しない」と返答した。川添氏は3月時点で本紙の取材に対し、判決への見解として「承服できない」などと答えている。一方、山極氏が所長を務める総合地球環境学研究所の広報室は本紙に、「(山極氏に)確認したところ、本件については回答しかねる」と答えた。
川添氏が本紙に答えた見解(3月4日付メール回答:丁寧語は改めた)
▼地裁判決の妥当性
承服できない判決。吉田寮に居住する諸君の安全を確保するという大学の責任について裁判所がどのように考えているのか不明。判決では一方で「入寮禁止措置」を取る権限が大学にあることを認めてそれ以降の入寮者には明け渡しを求めているのに、その同じ大学が居住者の安全を確保するための措置が過去の「確約書」によって有効ではない(つまり、在寮者に退去を求める権限がない)というのは、私には一貫した判断とは思えない。吉田寮自治会にとっては「入寮禁止措置」そのものが「確約書違反」のはずだから。
▼判決が学生の安全確保に寄与するか
16名の在寮生は今回の判決によって「居住し続ける」だろうと推測するため、その意味では安全確保に寄与しない。他方、上にも書いたように、大学が入寮禁止措置をした後の居住者には居住の権限がないことが判決によって示されたため、そのような学生諸君が危険な吉田寮から退去する機会に今回の判決がなるかもしれない。その意味では安全確保に寄与する判決であったと言えるかもしれないが、私の経験からは、そのような自主的退去が実現するとは思えないため、判決は安全確保には寄与しないことになると思う。
▼京大による控訴の是非
当然の対応であると思う。
