文化

〈展示評〉五輪で高まる熱気 反映 『京てぬぐいと京うちわ 昭和初期のスポーツ展』

2024.07.01

〈展示評〉五輪で高まる熱気 反映 『京てぬぐいと京うちわ 昭和初期のスポーツ展』

展示されている京てぬぐいと京うちわ

4月20日から9月18日まで京都市中京区にある細辻伊兵衛美術館で「京てぬぐいと京うちわ 昭和初期のスポーツ展」が開催されている。

手ぬぐいは、「手を拭く」以外にも日除けや贈答品などさまざまな用途がある。江戸時代に普及し、現代に至るまで親しまれている。時代の文化や風俗を反映する手ぬぐいは、当時の染色技術を伝え、歴史資料としての価値を持つ。

細辻伊兵衛美術館では、木綿商「永楽屋」が元和元年(1615年)創業以来つくってきた高い芸術性と歴史的価値を持つ手ぬぐいを保管・公開している。

今回の展覧会は2024年のパリオリンピックを記念して開催された。スポーツ熱が高まった昭和初期に永楽屋が生み出したスポーツ柄の手ぬぐいが展示されている。また、昭和初期の復刻柄の手ぬぐいを貼り付けた京うちわも並ぶ。これは伝統技法で京うちわを手掛ける「京うちわ阿以波(あいば)」と制作した。

手ぬぐい展示では、真剣な表情をした舞妓さんが、徒競走でクラウチングポーズをとったり、野球の10回裏、逆転を目指して真剣な面持ちでバットを握ったりと様々なスポーツに挑戦する姿が描かれ、可愛らしさと真剣さのギャップが微笑ましい。その他にも、ラグビー選手が大きく手を振り上げ真剣な表情で駆ける迫力あるデザインやがっぷりよっつに組み合う力士を真上から捉えた斬新な構図のデザイン等、縦に長く横に短い手ぬぐい独特の画面を活かしたデザインが見られて面白い。

うちわ展示では、細骨を一本ずつ放射状に並べたうちわに手ぬぐいの絵の部分を切り出して貼った飾りうちわを見ることが出来る。うちわに照明が当てられ、その影に竹の細骨と手ぬぐいの柄が映し出される様子が美しい。

細辻伊兵衛美術館は、開館時間は午前10時から午後7時(最終入館は午後6時30分)。入館チケットとして手ぬぐいが使用され、持ち帰ることが出来る。料金は、一般は1000円(手ぬぐいチケット付き)、大高中生は学生証提示で900円(手ぬぐいチケット付き)、小学生以下は300円(手ぬぐいチケット無し)。(雲)

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