常緑植物の季節適応 しくみ解明 葉の老化スピードを制御
2024.07.16
京大生態学研究センターの工藤洋教授、湯本原樹・特定研究員らの研究グループは6月17日、1年中葉をつける常緑植物が、葉の老化制御機能を変化させることで季節に適応していることを明らかにした。常緑植物は、日の長い生育期には老化した葉を置き換えて成長する一方で、日が短くなる越冬期には葉の老化を停止して、栄養の貯蔵に注力するという。
サクラやイチョウなど、季節に応じて葉を落とす「落葉植物」は、葉を落とすことで日照時間が少ない冬の間、エネルギーの消耗を避けている。一方、スギやマツなど1年中葉をつける「常緑植物」も存在する。これらの植物も、生き抜くうえで環境の変化への対応が必要になるものの、季節ごとにどのような老化制御が行われるのかはこれまで十分に解明されていなかった。
研究グループは4年半にわたり、自然環境下で常緑植物であるハクサンハタザオの葉約3500枚の成長を毎週記録した。得られたデータをもとに、グループは光合成に必要な太陽光が自らの葉で遮られる「自己被陰」の程度を操作する実験を行った。これによって、日照状況が悪化した場合、どのように葉の老化が促進されるかを観察した。また、葉で作った栄養を貯蔵する「シンク」とよばれる器官を切除する実験を行い、葉で作られた栄養を運搬する過程で、葉の老化にどのような影響があるのかを検証した。これらの実験を通して、季節ごとに主として働く老化制御機構が入れ替わることを明らかにした。
加えて、研究グループは葉の遺伝子解析を行い、特定の季節に活性化する老化関連遺伝子群を特定した。これにより、常緑植物が持つ環境変化に対する対応力や、季節ごとの資源管理戦略が示されたという。
今回の実験でグループは、常緑植物が春や夏など日照量が十分な季節には、寿命を迎えた葉や自己被陰によって老化した葉を新たな葉に置き換えてぐんぐん成長する一方、冬には葉の老化をストップさせて栄養を貯蔵し、春になると葉を一斉に老化させ、貯蔵した栄養を使って花や実をつけることを解明したという。
湯本研究員は、今回の研究について「5年間にわたり毎週、調査地に通って葉を標識するという地道な観察を続けてきました」としたうえで、「葉の老化という植物の中心課題を扱うことで、長期研究の重要性を示すことができたと思います」と振り返った。
研究成果は6月7日に『Nature Communications誌』にオンライン掲載された。
サクラやイチョウなど、季節に応じて葉を落とす「落葉植物」は、葉を落とすことで日照時間が少ない冬の間、エネルギーの消耗を避けている。一方、スギやマツなど1年中葉をつける「常緑植物」も存在する。これらの植物も、生き抜くうえで環境の変化への対応が必要になるものの、季節ごとにどのような老化制御が行われるのかはこれまで十分に解明されていなかった。
研究グループは4年半にわたり、自然環境下で常緑植物であるハクサンハタザオの葉約3500枚の成長を毎週記録した。得られたデータをもとに、グループは光合成に必要な太陽光が自らの葉で遮られる「自己被陰」の程度を操作する実験を行った。これによって、日照状況が悪化した場合、どのように葉の老化が促進されるかを観察した。また、葉で作った栄養を貯蔵する「シンク」とよばれる器官を切除する実験を行い、葉で作られた栄養を運搬する過程で、葉の老化にどのような影響があるのかを検証した。これらの実験を通して、季節ごとに主として働く老化制御機構が入れ替わることを明らかにした。
加えて、研究グループは葉の遺伝子解析を行い、特定の季節に活性化する老化関連遺伝子群を特定した。これにより、常緑植物が持つ環境変化に対する対応力や、季節ごとの資源管理戦略が示されたという。
今回の実験でグループは、常緑植物が春や夏など日照量が十分な季節には、寿命を迎えた葉や自己被陰によって老化した葉を新たな葉に置き換えてぐんぐん成長する一方、冬には葉の老化をストップさせて栄養を貯蔵し、春になると葉を一斉に老化させ、貯蔵した栄養を使って花や実をつけることを解明したという。
湯本研究員は、今回の研究について「5年間にわたり毎週、調査地に通って葉を標識するという地道な観察を続けてきました」としたうえで、「葉の老化という植物の中心課題を扱うことで、長期研究の重要性を示すことができたと思います」と振り返った。
研究成果は6月7日に『Nature Communications誌』にオンライン掲載された。
