文化

京大近所探訪 VOL.21 東山駅周辺 京阪電車の廃線跡

2024.06.16

京大近所探訪 VOL.21 東山駅周辺 京阪電車の廃線跡

線路が斜めに交差していた跡

地下鉄の東山駅周辺は古くからの市街地で、表通りから一歩入ると碁盤目の区画に町家が密集している。平安神宮に向かう観光客がたまに迷い込むくらいで、普段は閑静なこの一帯に、かつて家々を掠めるように電車が走っていたことをご存じだろうか。

大津と京都は古くから人の往来が盛んで、京都駅から六地蔵を経由する遠回りの東海道線とは別に、両市の中心部を直結する鉄道が望まれていた。1912年、京都・三条大橋と大津・札ノ辻間を結ぶ鉄道「京津電気軌道」が開業。この路線は三条大橋から山科のほとんどの区間で三条通の上を走っていたが、古川町駅(現・東山駅)から蹴上駅の区間は、当時幅が狭かった三条通を避け、北側の住宅街を弧を描くように迂回した。

京津電気軌道は1923年に京阪電鉄と合併し、京阪京津線となる。1931年、三条通の拡張にあわせて、古川町・蹴上間は道路上に新線が建設され、住宅街を走る旧線は廃止された。

19年と短命だったためか、線路のあったことを伝える碑などはない。だが、痕跡は今も残っている。例えば三条通北側の住宅街を歩くと、東西の通りに対して垂直に並ぶ町家の中に、ななめの建物が突然現れるが、これはかつての線路敷を転用したものだ。一帯は古い町家や区画が残されているため、道の曲がり具合や建物の古さに注目すると線路の跡を辿ることもできる。近くを通ることがあれば、少し注意してみると面白いかもしれない。(汐)

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