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警察 熊野寮を家宅捜索 機動隊 地下鉄扉切りつける

2024.03.16

2月28日、警察は昨年8月に広島市で暴力行為を行ったとして5名を逮捕し、この関係先として熊野寮を家宅捜索した。熊野寮自治会は、警察の立ち入りが大学からの通達よりも早かったことから、今回の捜索を「極めて異例」として警察と大学に対して抗議文を出す予定だという。

寮自治会によると午前7時、機動隊員約100名と捜査員約50名が熊野寮へ立ち入り、令状を提示することなく地下に入った。寮生は令状の提示を求めたが警察は応じず、7時24分に地下の鉄扉をエンジンカッターで切りつけたという。その後、地下にいる数名の寮生に対してのみ令状を提示し、10時20分から14時24分まで地下の捜索を実施。14時48分に警察が寮生に対して令状を提示し、15時45分に家宅捜索が終了したという。

今回の捜索場所は地下と車両2台。寮自治会は押収品があったとしつつ、具体的な物品名の回答は控えた。また、逮捕者に寮生は含まれていないとした上で、寮と逮捕者との関係については逮捕者が黙秘しているため答えかねると述べた。

寮自治会は、▼逮捕と家宅捜索の実施が同日であること▼平日にもかかわらず警察の立ち入りが京大からの通達よりも早かったこと▼地下突入後短い時間で鉄扉が壊されたことが「極めて異例だ」とした。加えて、捜索に伴い10名程度の寮生が打撲や出血などの怪我を負ったり、寮生の所持品が壊されたりしたと説明し、「寮生に危害を加えることは許せない」と警察の対応を非難した。

警察は寮に立ち入った7時、熊野寮の家宅捜索を実施すると京大へ通達。7時3分、京大から寮へ通達が行われ、7時30分ごろ厚生課および学生生活委員会から3名の職員、教授が熊野寮を訪れたという。

寮自治会によると、当初3名は警察に対して令状の提示を要求し、捜索への抗議を行っていたが、警察が態度を崩さないことを受け、次第に立ち続ける状態になったという。この対応は、警察が令状を提示しない場合に京大は抗議するという確約に違反する行為であり、不当だと批判した。

警察からの通達の有無や家宅捜索についての見解を尋ねる本紙の取材に対して、京大は「本件につきましては、お答えいたしかねます」と回答した。

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