〈Topic ’24〉節分会 豆をまき邪気を払う 壬生寺 狂言上演
2024.02.16
壬生狂言は、多くの民衆にわかりやすく仏の教えを説くために円覚上人が鎌倉時代に始めたもので、台詞を用いずに身振り手振りの動作と囃子の音のみで構成されることが大きな特徴である。
「節分」では本来の姿を隠した鬼が、小槌を使って後家(女主人)に多くの贈り物を渡す。酒に酔った鬼の正体に気付いた後家は、豆をまいて鬼を追い払う。この話は、鬼に象徴される不幸な出来事を招く誘惑に負けず、マメに働くことによって幸福を招くことができることを教える。狂言堂に鉦と太鼓、笛の音だけが響き渡る中、訪れた参拝者は狂言方の動作一つひとつに見入っていた。(史)