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来春にも証人尋問実施へ 立て看板訴訟 第13回口頭弁論

2023.11.16

京大周辺の立て看板規制をめぐり京大の職員組合が京都市と京大を提訴している裁判で、11月2日、第13回口頭弁論が京都地裁で行われた。弁論では、京都市屋外広告物条例に対する違憲審査の基準を扱った。今後は非公開の進行協議で証人を決定し、その後法廷で尋問を行う予定で、原告側の弁護士は証人尋問の期日について「来年春ごろ」になるとの見通しを示している。

弁論では、京都市の景観条例の合憲性などを裁判所がどの程度厳格に審査するべきかについて扱った。これは一般に、侵害された権利の性質や重要性、規制の目的や手段などに応じて決めるべきだとされる。京都市は▼立て看板の設置場所は大学構内にとどまる▼条例は立て看板の内容について規制していない、として緩やかな基準を適応すべきだと主張した。原告側は表現の自由を「憲法の根幹をなす重要な権利」だとして、厳格な基準で判断されるべきだと主張した。なお、今回の弁論で双方の主張が「概ね出揃った」ため、次回以降の弁論では証人尋問が行われる。

また弁論の後には、証人尋問について非公開の進行協議が行われた。原告側の弁護士は進行協議の目的について、内容に個人情報などが含まれ「オープンな場では話しにくい」ためだと説明している。なお原告側は団体交渉の経緯や、立て看板の意義を証言できる証人を選びたいとしている。京大は証人を前向きに検討している一方、京都市は証人を出すことに対し消極的な姿勢を示しており、原告側の弁護士は京都市に対し「こちらから必要な証人を求めていきたい」としている。

原告側の弁護士は証人尋問の期日について、一般的な民事の事件と比較して関係者の数が多く、被告側、特に京都市との間で証人の採否について「攻防が想定される」ことから準備に時間がかかり、来年の春ごろになるとの見通しを示した。

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