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進行協議の実施を決定 立て看訴訟 第12回口頭弁論

2023.10.01

京大周辺の立て看板規制をめぐり、京大の職員組合が京都市と京大を提訴している裁判で、9月28日、第12回口頭弁論が京都地裁で行われた。今後証人尋問を行う方針を確認し、次回以降の期日は法廷での弁論と別室での進行協議を併用して進める方針を決定した。次回弁論は11月2日の13時10分から行われる。

弁論では、今後予定される証人尋問に関するやりとりが行われ、原告側は行政指導当時の市や大学の関係者など「かなり複数」への尋問を行う展望を示した。京大の代理人は関係者2名の尋問を行う予定を明かした一方で、京都市の代理人は市の関係者に「公務に関する守秘義務」があると主張し、尋問の是非を慎重に検討したいとした。これに対し原告側は、守秘義務の範囲を事前に特定する必要があると反発。裁判長は証人尋問を行う前に、守秘義務の範囲に関する話し合いを行う必要があるとの認識を示した。

また、原告は被告側との間で争点の整理が完全になされていないとの認識を示し、原告が主張する行政指導の変化について、これまでに被告側からの回答がないと訴えた。これについて裁判長は証人尋問に先立ち▼争いの事実▼そのうち証人尋問で立証すべき事柄について、原告と被告の共通認識を形成する必要性を認めた。

なお、次回以降の期日では法廷での弁論の後、非公開で行う別室での進行協議を併用して進める方針を決定した。進行協議について、原告側の弁護士は「争点整理や証人の採否の問題を巡る」話し合いを行う場との認識を示した。

これまでの経緯
2017年10月、京都市が京大周辺の立て看板について屋外広告物条例に違反するとして京大を行政指導した。これを受け京大は18年5月に、組合が設置したものも含め「設置基準に反する」立て看板を撤去した。組合は団体交渉で撤去の「事前通告がなかった」と抗議したが、撤去理由について大学から「誠実な」説明がなかったとし、表現の自由の侵害を訴え21年4月に提訴した。なお、原告は550万円の損害賠償を求めている。

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