企画

第65回11月祭企画特集 規制撤廃 コロナ前の水準へ 11月22日(水)〜11月25日(土)

2023.11.01

2019年以来4年ぶりに入場者の規制が完全に撤廃された対面開催となった学園祭「11月祭」。各団体の企画内容とともに、今年度の11月祭を見ていこう。(編集部)

解説 開催形態


昨年度に引き続き、今年度の11月祭は対面を基本として、オンライン企画を組み合わせた「ハイブリッド開催」で行われる。

ただし、昨年度の11月祭とは異なる部分もある。

一点目に、来場予約が不要になった。昨年度は学内外を問わず事前の来場予約が必要となり、予約のない場合は学内者であっても11月祭の開催エリアには入場できなかったが、今年度は予約なしで自由に入場することが可能になった。

二点目に、学外者の企画参加が可能になった。昨年度は学外者は企画参加者としての入構を認められていなかったが、今年度は2019年度以前と同様、学内者が学外者と企画を出展することが可能になった。

なお、飲酒行為や酒類の提供・持ち込みについては、19年度から引き続き全面的に禁止されている。全学実で承認された「全面禁酒細則」による規制だ。注意に従わない来場者には会場からの退去を求めるほか、企画出展者が違反した場合は今年度の出展権を剥奪する。

オンラインで行われる企画は、Web展示企画、Webショップ企画の二種類。

寄稿 企画紹介


教育学部祭


教育学部祭(以下学部祭)とは、NFと同日程に、教育学部棟の前で行われる学園祭のことです。来年で25周年を迎えます。学部祭では、ステージを作って企画をしたり、1・2回生が模擬店を出したりします。学部祭のための装飾や、学部との交渉・打ち合わせ・お金の管理なども、もちろん教育学部生がしています。

学部祭の魅力は大きくわけて2つあります。

1 学部内での交友関係が深まる

「教育学部は学部内で仲が良い」という印象をお持ちではないでしょうか?学部祭は、4回生が中心となって運営をしつつも、1・2回生が中心となる企画があるなど、1回生から4回生まで全学年が参加する祭典となっており、教育学部の縦横の繋がりを形成する大きな要因の一つとなっています。

2 OBOGの皆さんが集まる場になる

学部祭で築いた関係は、卒業しても続きます。OBOGの皆さんが学部祭を観に来てくれるのです。OBOGの皆さんがかつての同級生との旧交を温めたり、後輩との再会を喜んだりする場面は、学部祭の恒例となっています。学部祭は元々、卒業されたOBOGの皆さんがまた集まれる場所を作ることを目的に始まったそうです。

私自身は、学部祭を魅力的に感じ教育学部を志望したので、学部祭の中心となって活動できて、非常に充実した日々を送っています。今年は先輩・同期が楽しめるのはもちろん、後輩に「学部祭、来年もやりたいなあ」と思ってもらえるような学部祭を創り上げたいと考えています。決して強制的に参加してもらうものではありませんが、後輩たちの楽しいキャンパスライフの選択肢のひとつとして、魅力的に映るものを創りたいです。そして、私のように学部祭を魅力に感じてくれる受験生の方がもしいたら嬉しいです。

読者の皆様も、吉田キャンパスでお腹が空いたら是非教育学部の模擬店にお立ち寄りください。附図書の隣です。お待ちしております。

北部祭典


北部祭典とは、京都大学11月祭(通称NF)の開催とあわせて京都大学北部構内で行われるお祭りです。秋、黄金色に染まるイチョウ並木のもと、模擬店から創作物まで様々な出店が並び、ゆったりとした雰囲気で開催され人々の交流の場となります。

また、北部祭典は、学生の自由で自発的・北部祭典創造的なエネルギーの体現、自由の体現を目標に掲げ、参加する人が好きなこと、周りに広めたいこと、好奇心からやってみたいことを実現できる祭典を目指しています。

そのような目的のもと、年齢・所属を問わず出展者を募集し、今年度はその数30を超える団体から出展の応募をいただきました。模昨年は3年ぶりにステージを設置することができた擬店は、京大カレー部・鹿肉料理・ラオス料理・地酒・淡水魚のさつま揚げ・鍋など多種多様な飲食物が出店予定です。他には、農業系サークルや鯨文化研究会による飲食物の出店、森林学の研究室や活動団体による出展、数学・物理の作問サークルや自主ゼミサークルによる冊子の販売など、農学部・理学部の置かれている北部構内ならではの出展も予定されています。

さらに、最終日には農学部出身の作家森見登美彦先生のトークイベントが企画されています。『四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』などの名作の舞台となった京都大学で、森見先生に直接質問にお答えいただける貴重な機会となっています。質問はすべての人から受け付けています。詳しくは各種SNSをご覧ください。

北部祭典は入場予約不要。学生、市民など所属、年齢を問わずどなたでも参加可能です。その他詳細についてはホームページ、X(旧Twitter)・Instagram(@hokubusaijiutsu)をご覧ください。自由で創造的なエネルギーが織りなすカオスの祭典を作り上げる一員となり、ともに祭りを楽しみましょう。ご来場をお待ちしております。

提供:北部祭典実行委員会



本部講演(文:11月祭事務局)


本部講演は、学内外から著名な講師をお招きして講演を行っていただく企画です。京大らしいアカデミックな企画となっています。

今年の本部講演では、主にSF(サイエンス・フィクション)の翻訳家や書評家として知られる大森望先生、京都大学人文科学研究所教授の石川禎浩先生に講演を行っていただきます。

大森先生の講演「SFに何ができるか?――『三体』以後の世界SF」は11月23日(木・祝)15時00分~17時00分で、法経本館第一教室にて行われます。劉慈欣『三体』シリーズ(共訳)やテッド・チャン『息吹』の翻訳をなさった大森先生のご講演は、SFが好きな方はもちろん、SFに興味がない方でもSFを読んでみたくなる講演になること間違いありません。この機会にSFについて深く知ってみませんか。

石川先生の講演「中国共産党の100年を検証する」は11月25日(土)13時00分~14時15分で、法経本館第六教室にて行われます。中国近現代史の専門家である石川先生によるご講演は、隣国である中国について興味を持ち、中国という国について考えるまたとない講演になるでしょう。

開場は両日とも開演の30分前からです。入場・座席については整理券を配布いたします。それぞれ講演開始の2時間前から法経本館東側入口にて配布いたします。聴講本部講演 (文:11月祭事務局)は無料です。本年度は事前予約の必要のない、コロナ禍前と同規模の開催を予定しております。皆様のご来場を心よりお待ちしております。

【講師略歴】

大森望(おおもり・のぞみ)
1961年高知県生まれ。1983年、京都大学文学部卒業。新潮社勤務を経て独立。著書に『現代SF観光局』『21世紀SF1000』『同PART2』『新編SF翻訳講座』『50代からのアイドル入門』など。訳書にコニー・ウィリス『航路』、劉慈欣『三体』シリーズ(共訳)、テッド・チャン『息吹』など多数。「ゲンロン大森望SF創作講座」主任講師。責任編集の『NOVA』全10巻、共編の『年刊日本SF傑作選』で、第34回・第40回日本SF大賞特別賞受賞。

石川禎浩(いしかわ・よしひろ)
1963年山形県生まれ。京都大学文学部卒、同大学院文学研究科修士課程修了後、京大人文科学研究所助手、のち神戸大学助教授、京大人文研助教授などを経て、2013年より現職。研究分野は中国近現代史、特に中国共産党史。著書に『中国共産党成立史』(2001年)、『赤い星は如何にして昇ったか――知られざる毛沢東の初期イメージ』(2016年)など、近著『中国共産党、その百年』(筑摩書房、2021年)で、アジア・太平洋賞特別賞、司馬遼太郎賞を受賞。

野生生物研究会


みなさんこんにちは、京都大学野生生物研究会、通称「野研」です。野研は生き物が大好きな学生が集うサークルです!各会員は南西諸島から北海道、さらには海外にまで遠征して好きな生き物と出会いに行く日々を送っています。各会員はそれぞれ多様な生き物に興味を持っていて、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類、昆虫(にもいろいろありますが)、ムカデ、ダニ、貝、植物など、ここに書ききれないくらい様々な生き物を興味の対象としています。

さて、弊会では11月祭にあたって標本展示と会誌の販売を行います。展示する標本は、上記の各地に飛び回る会員たちが集めた、自慢のコレクションです。少し立ち寄ってみるだけでもきっと楽しめます!

会誌『やけん』は毎年発行しているもので、会員の遠征記、集めた生き物の目録、生き物が好きな方に役に立つ情報などがたくさん載っています。そんな『やけん』はそこそこ長く続く雑誌で、今年で40号になります(写真は去年のものです)。500円で販売していますので、よければ手に取ってみてください!

展示場所は総合研究8号館の講義室1で、出展日程は11月22・23日、展示時間は両日ともに10~18時です。お待ちしています!

提供:京都大学野生生物研究会



陶芸部天山窯


京都大学陶芸部天山窯です。我々はルネ近くの部室にて土練りから焼成に至るまでの全工程を一貫して自らの手で取り組んでいます。京大生のみならず近隣の大学生や留学生も多く在籍し、個性豊かな部員が集っています。

今回の11月祭では初の試みとして、京都女子大学華道部との協働展示「花器展」を開催いたします。双方の部員の共通する友人がきっかけとなり、企画が始動しました。

私たちは華道部の方にお花を生けていただく花器を製作しました。花器は剣山が収まり充分に水を溜める形状であることを除いて要件はなく、その自由さに戸惑いを覚えながら、また普段手掛けることのない大きさや装飾性に苦戦しながらも思い思いに創作に励みました。秋の草花と自由闊達な花器の融和を是非ご期待ください。初日の22日に花を生けていただきますので、タイミングが合えば生け花のデモンストレーションもご覧いただけます。

展示の他に陶芸部は二つの出店ラインナップを展開します。

吉田南グラウンドで作品の販売を行います。皿、碗、鉢、猪口などの食器は陶芸部の十八番です。部員の手がけた素朴で奇抜な一点物から琴線に触れる器をディグりましょう!

北部キャンパスで催される北部祭典ではおでん屋台の出店を行います。従前、器の使い心地は家に帰るまで確かめられないのが難点でした。そんな悩みを払拭すべく、北部祭では猪口を実際にお試しいただけます。寒さ厳しくなる11月の下旬のことです、朦朦と湯気立つおでんも一緒に如何?見てよし、触ってよし、食べてよしの陶芸部三方面作戦をお楽しみに!

「花器展」
【企画実施日】11/22~11/25 10:00〜18:00 ※25日のみ ~16:00
【場所】総合人間学部棟1B08教室

マジックサークルKUMA


京都大学マジックサークルKUMAが、11月23日から25日まで、学祭NFにて、驚異的かつ魅惑的なマジックショー「MAGICCASTLE」を繰り広げます。

「MAGICCASTLE」は、KUMAの才能あるメンバーたちが編み出したトリックとアートの融合です。魔法陣に彩られた舞台が、まるで異世界への扉を開くかのような雰囲気を醸し出し、観客たちは、まるで夢のような瞬間に引き込まれ、その魅力に心を奪われることでしょう。

KUMAは卓越した技術と創造性を兼ね備え、観客に未知の世界への探求心を呼び覚まします。 「MAGICCASTLE」は日常を離れ、夢と現実が交錯する神秘のひと時を提供します。11月23日から25日までの期間限定、この舞台裏に隠された魔法の秘密を解き明かしに、ぜひ足を運んでみてください。

提供:京都大学マジックサークルKUMA



【企画実施日】11/23~11/25
【場所】4共21

京都着物企画


こんにちは、京都着物企画です!今回のNFでは、屋内カフェ企画「着物喫茶」を開催します。当団体は、「着物をはじめとする日本の伝統文化を若者に向けて広める」ということを目標にして色々な活動をしています。そして今回は、着物を着て皆さんを和風喫茶店にお出迎えしようと思います!11月の寒空の下で冷えきって疲れた体を癒やすわらび餅やぜんざいなどといった和菓子と、体が温まるホットドリンクをご提供します。

更に!毎年着物企画が発行している「京大着物図鑑」を店内で販売いたします!今回は着物初心者の方向け「着付けのいろは」から上級者向け洋装MIXコーデまで幅広く紹介しています。ぜひご購入ください♪

元の規模で開催するのは実に4年ぶりとなった今回のNF、きっと元の姿を知らないという方も多いのではないでしょうか。昨年は吉田グラウンドの模擬店企画が主でしたが、今年は更に時計台周辺の模擬店企画や各教室での屋内企画も増え、一層楽しい学祭になるかと思います!久々の祭りを楽しんだあとにホットな一息はいかがでしょうか。

提供:京都着物企画



【企画実施日】11/22~11/25 10:30〜17:00(変更の可能性あり)
【場所】共北3D演習室(3F)

人工知能研究会KaiRa


対話型AI「ChatGPT」の登場によって、AIへの注目度が急速に高まっています。かつての対話型AIといえば「不自然な言葉を話す」「定型的な答えしか返ってこない」といったイメージを持たれていましたが、ChatGPTが生成する文章は「裏で人間が打ち込んでいるのでは」と疑ってしまうほど自然で、人々に衝撃を与えました。この衝撃は研究者だけでなく、一般の社会、ビジネス、政界など広い範囲に影響を与えています。KaiRAのNF企画では、ChatGPTのモデルの仕組みや、生成系AIに関する法的・倫理的問題、メンバーが開発したAIの解説など、情報が充実した会誌を販売いたします。

さらに、メンバーが開発したAIをご来場の方に体験いただける企画もご用意しています。今年10月藤井聡太さんが八冠制覇を達成しましたが、そんな彼の実力を伸ばした最強将棋AIを体験いただけます。「将棋は難しい」という方のためにオセロAIのデモも用意しています。しかし、ただのオセロAIではなく「引き分けを目指すAI」というユニークなAIと対戦することができます。また、昨年夏に大きな話題を集めた画像生成AI「StableDiffusion」の仕組みを理解できるデモも用意しました。会誌でも、数式を用いて画像生成の理論解説をしております。

このようにAIはさまざまな領域で活躍していますが、一方で「AIが予測した根拠がわからない」という弱点もあります。しかし、研究者たちはさまざまな手法でAIの予測根拠の可視化を試みています。この手法はXAI(説明可能なAI)とも呼ばれ、近年注目を集めている分野でもあります。NF企画では、歌詞からアーティストを判定するAIや、あなたの顔と似ている芸能人を判定するAIをベースに「何を根拠にして判断したのか」がひと目でわかるデモを体験していただけます。

KaiRAの展示期間は11月22・23日で、吉田南1号館の1共33教室で行っております。ぜひ足をお運びいただき、AIに興味を持っていただければ幸いです。

ガイア祭2023 ~来て、見て、分かる地球の不思議~


京都大学理学研究科地球惑星科学専攻の院生による惑星科学の実験・展示紹介イベントです。私達の住む地球の不思議を実験や展示を通じて紹介し、地球科学の面白さをお伝えします!地球科学に詳しい人もそうでない人も大歓迎!

―展示内容―

『地球儀で見る電磁気現象』
デジタル地球儀ダジック・アースを使って、地磁気やオーロラといった地球のダイナミックな活動を見てみませんか?

『二重拡散対流』
えのき茸が上下に伸びていくように見えるソルトフィンガー型二重拡散対流を再現します。

『海洋大循環』
極域で海水が冷やされ沈み込むことによって起こる海洋の大きなスケールの循環を模擬実験によって再現します。

『地球の流れ実験』
つむじ風からジェット気流まで、地球の流れにみられる特徴を、回転水槽や数値計算で再現します。

『断層』
ニュースでも耳にする〝断層〟とはどんなものかご存知ですか?断層ができる仕組みを実験で見てみましょう。

『カルデラ形成』
カルデラがどのように形成されるのかを、身近な材料を使った実験で再現します。

ガイア祭2022の様子



【企画実施日】11/24、11/25
【場所】総合人間学部棟地下レストスペース

※順不同。紹介文および写真はすべて各出展者提供

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