京大 女子学生の研究活動に支援金 6チームが採択され活動開始
2023.08.01

「女子学生チャレンジプロジェクト」に採択された6組(京大公式HPより)
募集要項によれば、応募資格があるのは京大の学部または大学院に所属する女子学生を申請者とする2名以上のグループで、他のメンバーは京大の学生に限るが性別は問わない。支援対象の条件として、▼目的や計画の明確さ▼研究テーマの独創性▼卒業論文や修士・博士論文の執筆に直接必要でないことを挙げている。応募があった55件のうち13件が書類審査を通過し、二次選考のプレゼンテーションを経て6件が採択された。京大は本紙の取材に対し、選考するうえで「文理の別や学生の専攻は考慮していない」とした。
採択された文学研究科修士1年の西村陽菜さんのチームは、漢方薬の原料となる「トウキ」を生産する農家でフィールドワークを行ったうえで、栽培の課題について、地理学や農業経済学といった9人のメンバーの専門分野の視点から分析し、薬用植物の生産拡大を目指す。研究成果は小中学生への出前講座やミュージアム展示を実施して発信する予定だ。奨学金は調査地への移動費や宿泊費などに利用するという。設定した研究課題について、「トウキは冷え性や月経不順など婦人病に効能があるが、女性に関わるテーマを意識したわけではない」と語った。応募調書では「実施可能性をアピールできるよう意識」し、二次選考の際は「ミュージアムでの展示法など、活動の具体的な内容について質問された」という。
当プロジェクトは、京大が策定した「京都大学男女共同参画推進アクションプラン(2022年度~27年度)」に基づき、22年7月から男女共同参画推進センターの教育・研究専門部会で検討を始め実施に至った。来年3月には学内関係者を対象とした成果報告会を実施する予定だという。京大のダイバーシティ推進室は本紙の取材に対し、「女子学生が自らテーマを設定してチームを作り、試行錯誤して取組む姿を後押ししたい」と回答した。