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「人生の決定権、あなたに」 女子学生向けキャリアイベント

2023.06.16

6月10日、京都大学ここのえ会による「京大卒女性が語るキャリアストーリー〜悩める京大生が進路を切り拓くための2時間〜」が開催された。ここのえ会は、京大出身の女性が学部や研究科の枠を超えて、女子学生や女性研究者等へ緩やかな支援を行う同窓会として2021年11月に設立された同窓会組織である。3名の会員によるパネルディスカッションの後、少人数でのカフェトークが行われた。

パネルディスカッションに登壇したのは、飯田順子氏(83年薬学部卒)、櫻本真理氏(05年教育学部卒)、多和田容子氏(16年法学部卒)の3名。京大理事の野崎治子氏(78年薬学部卒)がモデレーターとなり、自身の学生時代の過ごし方やキャリア選択時の葛藤について語った。 飯田氏はあくまで自分の意志で就職を決めたとしつつ、「入学時薬学部の女子学生が講堂に集められて、就職したいなら4年で出なさいと言われた」と当時の状況を振り返る。櫻本氏は後悔していることとして、第一志望の企業への就職を一度諦めたことをあげた。「身の丈に合わせて」選んだ会社では、新たなことに挑戦する機会に恵まれず「一念発起して希望していた企業へ移った。それ以降は自分の幅を狭めない選択をしようと心がけている」と述べた。話題はプライベートな話にも広がり、「恋をしましょう」というアドバイスに参加者から笑いが起こる一幕もあった。学生へのメッセージとして、多和田氏は「自分の人生の決定権は常に自分が持っているという意識を持ち続けてほしい」と語った。

その後実施されたカフェトークでは、登壇者を含む26名の会員と20名の学生が少人数のグループに分かれて懇談した。会員が学生の進路についての悩みに対して助言したり、学生生活や仕事について話したりした。

当イベントは女子学生・女性研究者のロールモデルとなって発信していきたいという会員の意見を受けて企画され、ここのえ会が主催する初の対外イベントとなった。進路やキャリアパスの経験を失敗談も含めて伝えることで、女子学生の悩みを軽減することが目的だという。浅山理恵会長は、今後の企画について「参加した学生の意見をもとに、後進の女子学生を支援する取り組みを事務局側とも協力して検討していく」と答えた。

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