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吉田寮訴訟 進行協議 和解成立せず 最終弁論は延期が決定

2023.07.01

6月1日、京大当局が吉田寮現棟と食堂の明け渡しを求め寮生を提訴した裁判の進行協議が京都地裁で行われ、16日には吉田寮自治会が大学と和解の成立に至らなかったことを明らかにした。また本紙の取材に対し、7月20日に予定されていた最終口頭弁論が8月後半以降に延期されることも明かした。進行協議で和解が成立しなかったため、原告側が裁判を取り下げない限り、次回の口頭弁論を以て結審・判決を迎える。

寮自治会はホームページ上で「京大執行部が意見の異なる者との対話・歩み寄りの可能性を一切排除し」ているとした上で「当事者との話し合いによる問題解決に立ち返る」よう要求した。本紙は大学に対し寮側の要求に関するコメントを求めたが、大学は「係争中の事案につきお答えいたしかねます」とした。

なお寮自治会によると、最終口頭弁論期日の延期は「裁判官の引継ぎ」によるものであり、代替の日程は未定。早ければ8月後半以降に行われ、遅くとも10月中には行われる見通しだという。

訴訟は2019年4月、京大が吉田寮現棟の明け渡しを求めて提起した。京大および寮生双方の主張はすでに出揃っており、次回の口頭弁論をもって結審・判決を迎える。

寮自治会 イベント開催


寮自治会は7月20日17時半より、裁判報告集会に代えて全学集会「吉田寮を語る夕べ」を人間・環境学研究科棟地下大講義室で開催する。イベントでは寮生が吉田寮を取り巻く諸問題についての解説を行い、学生や教員が登壇するという。また、イベント後には寮食堂にて交流会を開く。

寮自治会は本紙の取材に、寮を巡る裁判が判決を目前にし、これまで以上に「世間の注目を集めることが予想される」とした上で「徐々に規制されつつある自治について、サークルや学部自治会も無関係ではない」と指摘した。寮自治会は開催の目的について、イベントを通して「多くの人に吉田寮の現状や大学を取り巻く『自治』のあり方を知ってもらいたい」と述べた。イベント参加への申し込みは不要。

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