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遺骨閲覧求め要求書提出 琉球遺骨訴訟 抗議集会

2023.06.01

遺骨閲覧求め要求書提出 琉球遺骨訴訟 抗議集会

横断幕を掲げる参加者ら=本部棟前

京大が保有する琉球民族の遺骨の返還を求める訴訟を巡り、5月22日、時計台前で抗議集会が開かれた。集会は、琉球人遺骨返還を求める奈良県会議・共同代表の崎浜盛喜氏が呼びかけたもので、支援者ら約30人が参加した。支援者らは集会後に、京大総合博物館の琉球人遺骨の見分などを求める湊総長宛の要求書を提出した。6月には4回目の進行協議が控える。

集会は1時間ほど続き、参加者は遺骨の返還を要求するほか、京大の研究倫理など大学の体質について言及した。集会後は要求書の提出のため本部棟へ移動し、代表者が建物内で職員に要求書を手渡した。要求書では、▼京大総合博物館に保管されている琉球人遺骨の見分▼裁判での琉球・沖縄人への謝罪▼遺骨の百按司墓等への返還の3点を求めている。要求書を湊総長へ取次ぐよう求めた際、職員は応じる様子だったと崎浜氏は明かした。また同氏は、改めて京大の誠実な対応を求めた一方で、「本当に遺骨は(京大博物館に)保管されているのか」と、遺骨の所在自体に懐疑的な見解を示した。

当該訴訟では、2月に行われた公判で、京大博物館に自身が直接赴いて遺骨を確認することを裁判長が提案していた。しかし京大側はこれを拒否し、代案として遺骨の写真の提出を検討するとしていた。支援者によると、前回弁論から現在までに非公開で計3回の進行協議が行われたが「目立った進展はなく」、6月上旬に4回目の進行協議が予定されているという。今回の集会は進行協議を前に崎浜氏が緊急で呼びかけたもので、同団体が要求書を提出したのは今回が初めて。次回弁論の期日は4回目の進行協議で決定される見込みだという。

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