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京大 豪先住民遺骨2体を返還 豪大使館で式典 合意書を締結

2025.07.01

京大と東大、国立科学博物館が、保管していた計10体のオーストラリア先住民の遺骨をオーストラリア政府と先住民に返還していたことが、文科省への取材で分かった。文科省がオーストラリア政府からの要請を受けて遺骨を保管する研究機関を調査し、返還に至った。6月11日にオーストラリア大使館で返還に関する式典が行われ、各機関と先住民の団体が合意書を締結した。本紙が返還後の取り決めなどを問うと、京大は「合意書の内容については回答を差し控える」と述べた。

6月の式典では、京大が2体、東大が7体、国立科学博物館が1体の遺骨を返還した。京大は先住民団体バーディ・ジャイ及びヤウルに1体ずつ遺骨を返還したという。東大によると、遺骨の取り扱いを決める協議書などは締結していない。

文科省によると、オーストラリア政府から国内の保有状況の確認や返還の要請を受け、文科省が調査したところ、遺骨を保管する学術機関が見つかり、返還に至った。東大によると、東大が遺骨の返還をオーストラリア政府に伝えたのは2023年10月中旬だという。

東大によると、遺骨の返還まで東大と先住民団体が直接やりとりすることはなかった。式典では先住民団体と懇談の場が設けられ、意見交換を行ったという。本紙の取材に対し東大は、「日本を含めた各国の研究機関などが先住民のご遺骨を保管していた事実に真摯に向き合う必要性を痛感している」と述べ、遺骨の返還に関する問題について「問題意識を新たにしつつ学内で検討を進める」と回答した。

本紙は京大に対して、返還までの経緯や先住民団体との対話の有無、遺骨の取り扱いについての取り決めに関して取材したが、いずれも回答はなかった。

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