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京大 琉球遺骨移管協議に応じず 請求団体は抗議 再請求へ

2025.12.01

京大 琉球遺骨移管協議に応じず 請求団体は抗議 再請求へ

「京大は人の心をもって対応してほしい」と語る松島氏(=時計台記念館)

12月3日、琉球遺骨の返還を求める「ニライ・カナイぬ会」の松島泰勝・共同代表は、京大が琉球遺骨106体の移管要請に応じなかったと明かした。松島氏は、11月7日に京大が公表したガイドラインに則って申請したものの、京大は会が移管の対象となる「公共的団体」にあたらないと説明したという。3日の会見で松島氏は「ガイドラインにない新しい条件を付けた」と批判し、返還運動を続ける方針を示した。

京大は11月7日、鹿児島県と沖縄県に由来する少なくとも466体の遺骨を保管していると明かし、「京都大学における人骨資料の返還手続に関するガイドライン」を公表した。個人が特定できる遺骨は民法が規定する「祭祀主宰者」へ返還し、それ以外は由来地の「地方公共団体等公共的団体」と協議する方針を示していた。

11月13日、松島氏は会の共同代表として、沖縄県に由来する106体の遺骨の移管を求める申請書を京大に提出した。申請書では遺骨を会に移管した後、地域に返還する方針を示した。対して、京大は移管先として、由来地を管轄する地方公共団体および、独立行政法人を想定していると回答し、会との協議に応じなかった。

記者会見で、松島氏は京大がガイドラインを公表するのみで、持ち出された経緯の説明や先住民族への謝罪が一切ないことを非難した。その上で、鳥取市や福井市の行政文書を参照し、公共的団体とは法人格の有無を問わず公共的な活動を営む団体の総称で、琉球遺骨の返還を求める同会も該当すると述べ、「公共的団体について京大独自の解釈を行った」と批判した。また、ガイドラインで民法が規定する「祭祀主宰者」を返還対象と想定していることについて、琉球民族では全ての人が祭祀を主宰できるという文化があるため、「日本人の慣習へ同化させようとしている」と抗議した。

12月4日、松島氏は、京大に対して持ち出しの経緯や琉球民族への謝罪を求め、沖縄県に由来する遺骨の移管を再度要求する抗議文を送ったという。

アイヌ遺骨も対話拒否


11月7日、「京大・アイヌ民族遺骨問題の真相を究明し責任を追及する会」とピリカ全国実・関西などがアイヌ民族遺骨・副葬品「略奪」の経緯を明かし、謝罪を求める要求書を法務室と総合博物館へ提出した。ピリカ全国実・関西の担当者によると、京大が2013年から話し合いに応じなかったにもかかわらず、10月に釧路アイヌ協会へ謝罪や賠償なく遺骨を返還したことを踏まえて申し入れた。11月28日付けで、京大から「要求に応じかねる」という回答があったという。

担当者によると、当日、申し入れ書は受理されたものの、法務室で主旨を説明することは拒否された。10月に東大がホームページで謝罪し、「遺骨返還等タスクフォース」を設置したことを知っているか問うと、「ホームページで見た。東大は東大」との返答があった。遺骨を保管する総合博物館では「担当者ではない」という職員が出てきて、申し入れ書を受理したが何を聞いても「本部でお答えしたとおり」と答えるのみだったという。

団体は、京大が行った「差別的『アイヌ研究』」のすべてを反省・謝罪するまで、京大の責任を追及し、話し合いの要求を続けるという。京大の返還ガイドラインについては、遺骨を「人骨資料」と呼び「モノ」として扱っていることに「差別意識が表れている」と批判したうえで、「京大の植民地主義と民族差別は継続している」と抗議する姿勢を示した。

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