文化

川柳/短歌で「京都大学のイマを詠む」 第4回募集分より

2023.05.16

5月8日を締め切りとして、第4回川柳/短歌の募集を行った。テーマは「京都大学のイマを詠む」。集まった作品から、編集員が選んだ数作を、ひとことの講評とともに掲載する。次回募集は10月頃の予定。

あしひきの山より行くは京大ぞ二度も落つるは滝のさまかな

田舎の二浪(10代・その他)

【評】 凛と澄んだ空気の中、青々と茂る木々をかき分けながら山道を進む。自然の雄大さは、入学試験の険しさをも教えてくれる。詠者が目指すのは京都大学への合格である。雌伏の時を経て、来春険しい滝を鯉のように駆け登る姿を見たい。(史)


八十路来て今も青春ここにありあの時計台楠を見て

邦隆(80代・京大卒業生)

【評】 シンプルな言葉ながら、胸にじんとくる。数十年を経てなお、「ここにあり」と言い切るほど生き生きとよみがえる青春の日々。さぞ濃密で愛しい記憶なのだろう。同じく時計台と楠に青春を預けた身として、詠者の感慨は他人事と思えなかった。(桃)

関連記事