現代に生きる美意識 四百年遠忌記念特別展 『大名茶人 織田有楽斎』
2023.05.16
京都文化博物館(中京区三条高倉)で4月22日から、特別展『大名茶人織田有楽斎』が開催されている。正伝永源院の寺宝を中心に、有楽斎とゆかりのある歴史資料、文化財を紹介し、戦乱の世を生き延びて文化人として現代に名を馳せる織田有楽斎の人物像に光をあてる。
茶人として名高い織田有楽斎は、「織田」の名を現代に伝えた有能な大名としての顔も持ち、信長・秀吉・家康の三天下人に仕えて戦乱の世を生き延びた。
本展は5つの章から構成され、武将・織田長益としての評価から、現代に生きる有楽斎の美意識までを順に伝えている。正伝永源院をはじめ各地から集められた史料はどれも歴史的価値が高く、とりわけ第2章で紹介される書状からは、有楽斎の力強さ、ユーモア、繊細さをいきいきと感じ取ることができる。大大名・福島正則が、婉曲表現を用いて有楽斎に強い敬意を示しているというのはおもしろい。第3章では、有楽斎にまつわる茶道具が展示され、文献史料とは異なる角度から有楽斎の人柄をうかがい知ることができる。
織田有楽斎は、本能寺の変で難を逃れたことを「逃げた男」と揶揄され、マイナスのイメージを持たれることもある。しかし、その全生涯に光を当てた展示を鑑賞すれば、有楽斎がいかに時代に必要とされ、人々をつなぎあわせてきたか、そしてそれを可能とした人柄を感じ取ることができるだろう。展示は6月25日まで。入場料は一般1600円、大高生1000円、中小生500円。(省)
茶人として名高い織田有楽斎は、「織田」の名を現代に伝えた有能な大名としての顔も持ち、信長・秀吉・家康の三天下人に仕えて戦乱の世を生き延びた。
本展は5つの章から構成され、武将・織田長益としての評価から、現代に生きる有楽斎の美意識までを順に伝えている。正伝永源院をはじめ各地から集められた史料はどれも歴史的価値が高く、とりわけ第2章で紹介される書状からは、有楽斎の力強さ、ユーモア、繊細さをいきいきと感じ取ることができる。大大名・福島正則が、婉曲表現を用いて有楽斎に強い敬意を示しているというのはおもしろい。第3章では、有楽斎にまつわる茶道具が展示され、文献史料とは異なる角度から有楽斎の人柄をうかがい知ることができる。
織田有楽斎は、本能寺の変で難を逃れたことを「逃げた男」と揶揄され、マイナスのイメージを持たれることもある。しかし、その全生涯に光を当てた展示を鑑賞すれば、有楽斎がいかに時代に必要とされ、人々をつなぎあわせてきたか、そしてそれを可能とした人柄を感じ取ることができるだろう。展示は6月25日まで。入場料は一般1600円、大高生1000円、中小生500円。(省)