インタビュー

〈京大知伝〉闊達な気風の中重ねた挑戦 KUBS京都大学放送局 岡田有真(おかだ・ゆま)さん

2023.04.16

〈京大知伝〉闊達な気風の中重ねた挑戦 KUBS京都大学放送局 岡田有真(おかだ・ゆま)さん

収録の様子。BGMとのバランスをとった演技を心がけている

KUBS京都大学放送局は、1988年の開局から今年で35年目を迎える、京大唯一の放送サークルだ。活動人数は約20人と規模は決して大きくないが、音声・映像作品の制作からイベントの司会進行に至るまで幅広く活動している。

2020年から在籍する岡田有真さんは、中・高時代も放送部に所属し、主に朗読やドキュメンタリー制作をしていた。だが、高校までの活動では飽き足りず、大学でも放送をやりたかったという。ラジオドラマの制作に挑戦したいと考えていたこともあり、自由にやりたいことができる環境に惹かれて入局を決めた。

入局後は映像作品の制作にも携わるなど、様々な活動に関わった。長年続けてきた朗読の経験を活かし、演技が必要とされるラジオ番組に出演することも多かった。NHKのコンテストに出すラジオドラマの制作指揮を担当することもあった。

ラジオドラマの制作には、音や演技などの調整を重ねていくが、「一番時間がかかるのは脚本を書くとき」。コンテストの作品は、時間的な制約のなかでいかに人を感動させられるかが勝負となる。収録前は、局員どうしで長時間の検討を繰り返し、脚本を磨き上げていく。夕方から始まった検討が深夜に及ぶことも多く、まさに「生みの苦しみを味わった」。

昨年、制作したラジオドラマ[Heart]がコンテストで優勝した。ロボットが主人公のストーリーは、ピコピコという電子音から着想を得たものだ。作品のテーマを設定するときは、効果的に使いたい音から考えるようにしている。「音が決まると、物語のイメージは決まる。そこに伝えたいメッセージをのせていくイメージ」。老若男女に伝わるテーマを設定するようにも心がけているという。

来年に卒業を控える岡田さん。上回生、下回生が互いに忌憚なき意見を出し合う「風通しの良い」環境が、大きな刺激になったと振り返る。「色々な新しいことに挑戦できた。放送が好きな仲間がいたから、やってみれば何とかなった」。洛南高校出身。(汐)

ラジオドラマの脚本と映像作品の絵コンテ


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