〈京大知伝〉風を読んで悠然と空をゆく 教育学部4年 風張僚太さん
2025.12.16
「びわ湖 東近江バルーンフェスタ2025」競技後に取材に応じる風張さん(=滋賀県東近江市)
自由なフライトを思わせる熱気球だが、パイロットが調整できるのは上下の動きのみ。バーナーと、バルーン頂部にある排気設備を駆使してバルーン内の温度を調整し、高度を操る。水平方向の操作ができない巨大な気球を思い通りに動かすには、風を読まなければならない。空には各層異なる向きの風が吹く。パイロットは天気図や地形図を参考に風を予測。目標に向かって吹く風を見つけ出し、高度を合わせてその風に乗るのだ。
刻々と変わる風の変化を捉えるのは容易ではない。相手が自然なだけに、予測通りにいかないことも多い。即時的な気象の理解と対応には技術が求められる。「はじめからセンスがあるわけではなかったので回数を重ねて練習しました」。その上、パイロットには強い責任感も必須だ。「人の命を預かって飛ぶので」と風張さんは襟を正した。
京大熱気球部のパイロットは団体の幹部も兼ねる。昨年は約60人の部員を率いる部長も務めた風張さん。大会運営への参画など活動の幅を広げながらの団体運営には苦慮する場面も多かったが、頼りがいのある同期の存在で逆風を克服したという。
昨年10月には熱気球で琵琶湖を横断。長距離フライトでは、些細な風向きの変化が進路を大きく左右する。その上、ライフジャケットも装着し緊張感があった。それでも、湖面近くを滑空したり高度を上げて湖の全体を眺めたり、熱気球でしか味わえない経験は至高だったという。空を飛ぶ競技は色々あるが、熱気球では空に直接触れ合える、と魅力を自負した。
昨年度の学生選手権や今年度の北海道バルーンフェスティバルで優勝した京大熱気球部。大会では普段の練習よりも観客との距離が近く、「声援に応えたり手を振ったり、コミュニケーションが楽しい」と魅力を語ってくれた。神奈川県出身。(燕)
【次号以降で「びわ湖 東近江バルーンフェスタ2025」の密着記事を掲載予定です】


