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「総長室突入」めぐり大学が声明 寮自治会 大学に話し合い求める

2023.01.16

熊野寮自治会が12月2日に行った寮祭企画「総長室突入」について、京大は16日にKULASISおよびホームページ上に声明を掲載した。企画を主催した自治会と話し合いを持たない大学の態度を、自治会は「一方的」と批判し、大学に対し話し合いを求めた。

「総長室突入」は、総長を中心とする役員会が大学の管理を強めている現状を批判し、大学運営などに関する要望書を提出する企画。参加者は厚生課の窓口経由では要望が届いてこなかったと主張し、要望書を総長に提出しようと本部棟に詰めかけた。

大学は16日付で発表した文書「熊野寮自治会関係者による迷惑行為及び違法かつ危険な行為について」のなかで、企画における参加者の一連の行動を「迷惑行為、侵入行為、危険な暴力行為」と表現した。一部参加者が本部棟に立ち入り、ガラス戸を「強引にこじ開け」ようとしたと説明し、「悪質」で「違法」な行為であると強調している。

当日は職員がドアをあけたことが、参加者が本部棟内に立ち入るきっかけとなった。これについて大学は本紙の取材に対し、寮生らが厚生課窓口に行くように求める呼びかけを「聞き入れなかった」ため、「これ以上話すことはないと判断し、建物内に戻ることにした」のだと説明し、職員の行動には問題がなかったとした。一方、寮生らの行動についてはドアを閉めることを妨げ建物内に立ち入ったとして、「危険な行為を行ったのであって誠に遺憾」と回答した。

また、大学は警察の出動に関して、一連の行動が事故や負傷につながる恐れがあり、「抑止する必要があった」として、大学が警察に通報を行ったと説明した。同企画についての総長の見解については回答を差し控え、16日付の文書を示すに留めた。文書の作成過程についても大学は明らかにしなかった。

19日、寮自治会は厚生課において窓口交渉を実施した。交渉の中で、「総長室突入」に関して大学が「一方的に」声明を出したと抗議し、自治会の出した声明文や要望書、企画実施の経緯などを鑑み、大学が寮自治会と直接話し合いの場をもつよう求めた。寮生は企画の当日、総長が現れなかった理由を尋ねたが、対応した厚生課の職員は「把握していない」と答えた。

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