ニュース

地熱資源のリスク評価 設備腐食する酸性熱水の活用に期待

2022.11.01

NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)、地熱技術開発(株)、NKKシームレス鋼管、京大からなる研究チームは10月20日、「地熱発電プラントリスク評価システム(酸性熱水対応版)」を開発したと発表した。

再生可能エネルギーの導入拡大が望まれる中、世界有数の地熱資源量を誇る日本では、安定した電力供給ができる地熱発電が注目されている。国内の地熱資源のうち、発電設備を腐食し損なう酸性熱水が1割以上を占める可能性が指摘されている。地熱開発の段階で酸性熱水が出ると、事業者が地熱開発を断念することもある。

NEDOは2013年度から21年度にかけて地熱発電の導入促進を目的とする研究開発を実施。その一環として、18年度から20年度にかけ、活用されていない酸性熱水資源の活用技術を開発することをテーマに研究を推進した。ここで得た知見をもとに、システムを開発した。

システムは、地熱資源の開発時に酸性熱水が出た場合に、設備の耐用年数やコストを計算し、設備に適用できる材料を予察するもの。地熱技術開発(株)が無償で配布する。このシステムを活用することで、事業者は効率的に設備の腐食実験を実施し、材料を選定できるため、地熱資源のさらなる活用につながることが期待されている。

関連記事