ニュース

逆転サヨナラ満塁弾 劇的勝利 近大から史上初の勝ち点獲得

2022.11.01

逆転サヨナラ満塁弾 劇的勝利 近大から史上初の勝ち点獲得

喜びを爆発させる京大ナイン

京大野球部 秋季リーグ最終戦


両チームが投手を使い切る熾烈な消耗戦を京大が制した。10月19日、大阪市南港中央球場で関西学生野球連盟秋季リーグの近大戦が行われ、延長11回の末、10対9で京大がサヨナラ勝利を収めた。15日の勝利と合わせ、京大が近大から勝ち点1を獲得する結果となった。近大から勝ち点を奪うのは史上初の快挙。

京大の先発ピッチャーは水江日々生(法3)。15日には近大相手に7回無失点4奪三振の快投を披露した右腕は1回、四球とヒットで1点を失う。その裏、京大は細見宙生(工1)の右安打を皮切りに1点を奪い同点に追いつくも、水江は3回にも2点を失い、3回3失点でマウンドを降りた。

4回からは、プロ志望届を提出し、ドラフト会議を翌日に控えた水口創太(医4)が登板。6回にはエラーが絡み2点を失うも、角度のある直球を武器に3回4奪三振の好投を見せた。

7回以降、京大が反撃の狼煙をあげる。7回に代打・谷口航太郎(法1)の左中間へのタイムリー二塁打を皮切りに2点を返すと、9回にも代打・梶川恭隆(農4)の左安打などで2点を返し土壇場で同点に。試合は延長戦にもつれ込んだ。

9回までに投手を使い切った京大は10回、先発マスクを被りここまで2安打の愛澤祐亮(文4)をマウンドへ送る。「(投手として登板する)心の準備はできていた」と語る愛澤はストライク先行の投球を披露。アンダースロー投手としても注目を集めるドラフト候補は、最初の打者をダブルプレーに打ち取ると、後続も抑え10回を無失点で切り抜けた。しかし11回、セカンドのグラブを弾く不運なヒットから近大打線に捕まり一挙4失点を喫する。

4点差で迎えた11回裏、思わぬドラマが待っていた。2本のヒットで1点を返すと、なおも2死満塁の場面で打席には大川琳久(農3)。ベンチから大きな声援が飛び交う中、3球目のカットボールを迷いなく振り抜き、これが逆転サヨナラ満塁ホームランに。一振りで試合を決めた。

HRを放つ大川

HRを放つ大川


満塁ホームランを放った大川は「とにかく後ろにつなぐことだけ考えた。ホームランになって良かった。お世話になった4回生との最終戦を勝利で終わりたかった」と笑みをこぼした。大川はホームラン数、打点ともにリーグトップの活躍で、京大から唯一ベストナインに選出された。

京大は、この日の試合で秋季リーグの全試合を終え2勝9敗で最下位の成績。試合後、愛澤はリーグ戦を振り返り「前半戦はチーム、個人ともに苦しかったが、最後は意地を見せられた。今日、近大から勝ち点を取れたのは下回生たちが優勝するためのステップ。(後輩たちには)もっと上を目指して頑張ってほしい」と語った。強豪ひしめくリーグの中で奮闘する京大野球部の活躍から、来季以降も目が離せない。(爽)

関連記事