インタビュー

インタビューで振り返る京大野球部 第2回 西村洪惇 前主将

2024.12.01

インタビューで振り返る京大野球部 第2回 西村洪惇 前主将

西村洪惇・京大硬式野球部前主将

2024年の京大硬式野球部を率い、秋のリーグ戦を終えて引退した西村洪惇前主将にインタビューを行った。(寛)

―今シーズンを振り返って。

チームとしてはオープン戦になかなか勝てず、不安を抱えながら臨んだ春季リーグでしたが、去年の秋から準備してきたものが実って、それが勝利につながったと考えています。春で新しい戦術や戦力を見せた分、秋は相手チームに対策されて勝てなかったという印象です。

個人的には春は打撃の調子が悪くて、いろいろなアプローチを試しても調子が戻らず守備中心の出場でした。ただ、秋はシーズン途中から復調して活躍できたので、4年間の最後をいい感じで終えることができてよかったなと思っています。

―春に見せた新戦術とは。

冬の練習での積極的な走塁です。一つ先の塁に進むことが出来る場面を想定した練習を、4回生中心に考えて行いました。

―効果を発揮した練習は。

元田中駅近くのジム、KSP(京都スポーツプロジェクト)で、トレーナーの方と力を最大限発揮できる方法を考えながら体作りをしてきたことが、効果を発揮したと考えています。近田監督がトレーナーの方と知り合って利用し始め、選手の7割ほどが入会しており、僕も2年前ほどからトレーニングの指導を受けています。

―春季リーグで印象に残ったシーンは。

レフト前のヒットで2塁から3塁に盗塁していたランナーが生還した場面です。その点が勝ちを引き寄せた試合が2試合ありました。ランナーが盗塁していなかったら本塁まで還れないような打球で、3盗を重点的に練習した冬の間の練習が実を結びました。

―秋季リーグの結果について。

2年前も春5勝したのに秋2勝しかできず、秋季リーグが京大の弱点だということはわかっていました。今年の夏はデータの集め方を変えるなど対策をしましたが、なかなか勝つことが出来ませんでした。秋は調子の悪い投手が多く、ピッチャー4人でリーグ戦を戦っていました。春より投手の戦力が欠けたことで接戦を落とすことが多く、もう数人ピッチャーがいたら勝ち星を伸ばすことが出来たと思います。

―選手としての4年間を振り返って。

2回生の頃に試合で活躍して、このまま3・4回生は中心選手として活躍できると思っていたんですが、 2回生の後期にバッティング練習で親指の靭帯を痛めてしまいました。ほかにも4年間で3回肉離れを起こしたり、3回生の後期には手首を捻挫するなど、けがに悩まされた時期が長かったですね。守備では評価をもらっていたので、守備要員として試合に出ることは多かったんですが、バッティングが好きだったのでスタメンで試合に出たい気持ちが強かったです。

―シーズン中はどのようにチームを率いたか。

僕の強みは選手の役割を把握することだと考えていたので、一人一人を見て指示をすることを意識していました。また、試合の中ではピンチの時や試合の流れがよくない時に、声をかけたり大きい声でチームを引っ張るなど、要所要所でしっかり指示を出すことを意識していました。そんなに明るいタイプではないので、声かけ、ムードメーカーなどの部分は中路(航外野手)や小城(翔太内野手)といった他の4回生を頼っていました。

―新チームに期待することは。

自分の代は周りを見て組織の中で自分の役割を認識できている選手が多かったので、チーム全体のレベルが向上していきました。ただ現3回生の代はプレー第一の選手が多いので、組織として自分が果たすべき役割を大切にしてほしいと思います。その上で、自分のプレーをしっかり大事にしていくことがチームとしての結果に結びつくかなと思います。

―新キャプテンの山本選手に期待することは。

(山本)陶二は人間的にも優れてますし、信頼も厚いので、主将としてふさわしい選手だと思っています。僕はキャプテンになって序盤に個人として結果が出なかったのですが、陶二は今年首位打者を獲っています。プレーでもプレー以外の面でも引っ張っていけるキャプテンになってほしいです。

―ありがとうございました。

関連記事