インタビュー

インタビューで振り返る京大野球部 第4回(最終回) 山本陶二選手

2025.01.16

インタビューで振り返る京大野球部 第4回(最終回) 山本陶二選手
史上初の開幕2連勝を収めるなど歴史的な活躍を見せた今年の京大野球部。春季リーグで京大野球部として5年ぶりのリーグ首位打者を獲得するなど中心選手として活躍し、秋のリーグ戦を終えて新キャプテンに就任した山本陶二選手(経・3)に話を聞いた。(全4回・第4回)(寛)

◎山本選手2024年成績

▼春季リーグ戦
打率 .333
42打数 14安打6打点
OPS 0.915

▼秋季リーグ戦
打率 .011
35打数 4安打 1打点
OPS 0.276

――今年を振り返って。

意外だったなというのが正直な感想です。シーズン前の練習試合は大差で負ける試合が多かった一方で、強豪の天理大学には勝つなど、不安定な成績でした。そのままリーグ戦が始まると、初戦の関大戦で2連勝することが出来て、意外といけるかもしれないという意識が、選手一人一人の中で芽生えてきたのではないかと思います。その後、立命館戦でも勝ち点を挙げることができ、去年と違い勝てるイメージが選手の中で共有されたと思います。

秋のリーグ戦は、春4位という結果に浮かれた部分もあり、夏の間に改善点を修正できませんでした。春のリーグ戦ではあまりなかった大差で負ける試合が続きました。勝った試合も相手のミスが多かった試合だったので、チームとして秋は力を発揮できなかったなと思っています。総合力で私大に負ける今までの京大野球部の試合に戻ってしまった印象です。個人としては春に首位打者を獲得でき、自信につながりました。しかし、秋に相手の警戒にうまく対処できなかったことが反省点です。もっと野球に真摯に向き合うべきだったと思います。自分が結果を出せなかったこともあって、秋はチームが最下位になり、非常に力不足を感じました。

――来季のための練習は。

リーグ優勝という目標に届くために、今までのやり方を続けるだけではいけないと思っています。監督と話をして、今年の冬は個人の野球の能力を底上げするために、例年よりバットを振る数、ノックを受ける数を増やすことを目標にしています。去年先輩方が導入した、選手を班に分けて練習メニューをローテーションする方法で、練習時間を増やさずに練習の強度を上げていきたいです。

――首位打者をとったことについて。

練習中から自分の持ち味である右方向への打球を飛ばすことを意識していました。自分が納得するまで打ち込んで、感覚を研ぎ澄ませて試合に臨めていたことがよかったと思います。また、昨年までと違いセオリーに従って配球を読みながら、打席内で頭の整理をすることが出来るようになりました。だからこそ、無駄なことを考えずに、来たボールに体がうまく反応できたのかなと思います。

――新キャプテンとしての考えは。

今年のチームスローガンを「戦う、勝つ」としたように、リーグ優勝という高い目標を達成するために、選手一人一人に戦う姿勢、勝ちに行く姿勢を浸透させることを第一の目標としています。現状のままでは、他チームを凌いで優勝することなどできないと個人に自覚させて、練習に対する姿勢から改善したいと思います。

新チーム最初のミーティングで、優勝を目指すチームについてこれない選手はいらないと言いました。チーム全員が同じ方向を向くのは簡単なことではないので、本気で優勝するために現実感覚をもってチームを率いていきたいです。

――新チームで期待する選手は。

全員です。特定の選手に期待して能力を伸ばすのではなく、勝てるチームになるために、チーム内で競争を活発に起こして互いがレベルアップすることが大切だと考えます。競争を勝ち抜いて試合に出場する選手に期待します。

――リーダーとしての目標は。

僕自身が真摯に野球に向き合って「戦う、勝つ」というスローガンを姿勢として見せること、そして風通しのよい集団を作るために、色々な人とコミュニケーションをとって、選手のモチベーションを維持できるキャプテンになることが目標です。

――読者に伝えたいことは。

関係者でなくても京大野球部の試合を見に来てほしいなと思います。リーグ優勝するためには応援がとても必要になってくると思うので、ぜひ球場に来て応援していただければと思います。

また、グラウンドの使用時間が他の部より長かったり、食堂の人がサービスしてくれたりするなど、野球部が応援されているのを感じるので、京大関係者の方々には感謝を伝えたいです。

――ありがとうございました。


新キャプテンの下、勝利を貪欲に求めてプレーに打ち込む京大硬式野球部。来季も彼らの戦いに注目だ。

これで全4回の連載は終了となります。インタビューに答えてくださった野球部の皆様、ありがとうございました。

関連記事