文化

「くらげ風鈴」展示始まる この夏のくらっとくる暑さに

2022.07.16

京都水族館は7月1日から、夏季限定イベント「くらげと風鈴」を開催している。ガラス工房と協力して作成した「くらげ風鈴」や、飼育スタッフがクラゲにまつわる特徴などを表した「クラゲ川柳」が見られる。

京都水族館は西日本最多の20種以上約5000匹のクラゲを飼育しており、日頃からクラゲに関するユニークな展示を行っている。常設の「京都クラゲ研究部」ではクラゲの繁殖や研究に関する作業が見られるほか、スタッフがクラゲの個性を独自に分析して制作した「クラゲ別キャラ診断」では、「自分と同じタイプにあてはまるクラゲがわかる」という。

今回のイベント「くらげと風鈴」もそんなアピール戦略の一環だ。クラゲを模して作られた21種の「くらげ風鈴」は、一つ一つ対応するクラゲの特徴や個性に合わせてデザインされている。ガラス工房の技術と飼育スタッフの知識とがうまくコラボしているため、涼みながらクラゲの生態を学ぶことができた。

さらに風鈴の短冊に目を向けると、「クラゲ川柳」が楽しめる。一例を挙げよう。「いつのまに/たくさん生まれ/そして消え」(イオリクラゲ)――解説文には「育成が難しく知らぬ間に姿を消す」とある。飼育スタッフの嘆きとそれを上回るクラゲ愛、さらに諸行無常の観念が表現された逸品だ。この他にも飼育スタッフならではの気付きが表現されたユニークな川柳が満載だった。

広報の住本麻美さんによれば、今回のイベントは「ふだん観察しにくいクラゲを知ってもらえる機会でもある」という。たとえば「ジュズクラゲ」というクラゲは傘の大きさが10㍉前後しかなく、姿をとらえるのも容易ではない。そこで風鈴としてまず存在を知ってもらい、それから実物を見ることで「いろいろなクラゲがいることを知ってほしい」と話していた。

イベントは9月30日まで。入場料のみで見学が可能。入場料は一般2200円、高校生1700円、中・小学生1100円、幼児700円。(涼)

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