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「法学部五月祭」中庭で開催 大学側は事前に注意喚起

2022.06.16

6月11日・12日に、「法学部五月祭」が法学部中庭を使って行われた。20年ぶりに開催された昨年に続いて「第二回」となった。法学部は事前に行動を慎むよう注意喚起していたが、実行委員会は受け入れず、ライブ活動や即売会などを実施した。開催後、法学部は教育・研究活動、大学の業務に支障が生じたとして「自真摯な反省を求める」との声明を発表した。(関連記事:法学部五月祭 実行委員「譲れない意志あった」 開催場所、コロナ、騒音…議論重ねる(2022.06.16)

中庭の時計台北側部分では、設置されているベンチにテントを被せて模擬店を設営し、小説などの即売会が開催された。法学部の高山佳奈子教授・文学部の川島隆准教授による講演も行われた。主催者の発表によれば、二日間で来場者は200人を超えた。京大法学部を志望する高校生も来場した。構内の大学生からは「NFがなかった(2年連続オンライン開催)ので、このように対面で盛り上がることはいいのではないか」といった声も聞かれた。中庭に設置されたステージ上ではバンドの演奏や、ダンスユニットのライブが行われた。

一方で法学部は14日、KULASIS上に学部長名義で声明を発表し、「学生のみなさんが自主的に行う活動は十分に尊重されなければならない」とした上で「ルールの遵守はその前提。独善的な理由を持ち出してルールを無視する行為、とりわけ本学の平穏な教育研究環境の阻害につながる行為を容認するものでは断じてない」と述べた。

開催当日、法学部の各教室では講義や研究会が実施された。複数の教員は、間近で行われるライブなどによる騒音への予防的措置として、使用する教室を直前で変更したほか、研究会の参加者への連絡などの対応に追われた。法学部の曽我部真裕教授によれば「教室にもよると思うが、結果としては窓を閉めればそれほど気にならないレベルの音量であった。ただ、迷惑自体は現実に発生した」という。

曽我部教授は、祭りの開催趣旨や内容について何の知識もないと断ったうえで「大学では週末にも様々な研究教育活動がなされていることは知っておいて頂きたい」とコメントした。

法学部は、開催前の6月3日にも学部長名義で声明を掲示し、大学の定める「課外活動の自粛要請」で認められていない「有観客の集会」にあたるうえ、ライブなどの「大音響」が関係者に多大な迷惑がかかるとして、警告していた。

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