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被告弁護士「第一審 佳境に」 吉田寮訴訟 第12回弁論

2022.05.01

京大当局が吉田寮現棟の明け渡しを求めて寮生を提訴した問題で、4月13日、第12回口頭弁論が京都地裁で開かれた。耐震性の評価をめぐって原告が提出した書面に対し、被告・寮生側の弁護士が「反論になっていない」と批判したほか、裁判官から双方の主張がおおむね出揃った旨を確認するやりとりがあった。終了後に寮自治会が集会を開き、寮生側の弁護士が「第一審は佳境に入った」と報告した。次回は6月15日15時から開かれる。

建物の耐性を示す係数が高いという被告の主張について、京大が準備書面のなかで「高い値だからといって大地震時の倒壊の危険性を否定できない」と批判したところ、今回の弁論で被告は「危険性は否定していない。補修すれば継続使用できる」と釈明。これを含む計5カ所の原告の指摘を「曲解」と批判した。そのうえで、「朽廃には至っていない」と主張し、裁判官に来寮と現状確認を要請する意向を示した。

訴訟は19年4月から続く。大学と寮自治会が過去に結んだ確約の扱いや現棟の老朽化の度合いが争点となる。8月10日に次々回弁論が開かれ、証人尋問へ移る。

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