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大学ファンド法案に反対表明 大学教員ら「選択と集中の弊害増す」

2022.04.16

大学教員らでつくる有志団体「稼げる大学法案の廃案を求める大学横断ネットワーク」は4月6日に記者会見を行い、大学ファンド制度の創設を定めた法案への反対声明を発表した。法案は、国際競争力のある研究を行う大学に対して、政府や民間から出資した大学ファンドから助成することなどを定めたもの。同団体はWebサイト上で声明へ賛同する署名を募り、4月12日時点で673筆が集まっている。

法案は、大学の国際競争力強化を目的として今期国会に提出された。「国際的に卓越した研究」や「経済社会に変化をもたらす研究成果の活用」が見込まれる大学を文科省が「国際卓越研究大学」に認定し、大学ファンドの運用益から年間計3千億円の助成を行うなど、総合的に支援する。大学・事業計画の認定を2022年度から進め、24年度から助成を開始する予定だ。一方で、認定された大学に対しては、財政的自立を目指して制度改革を行うことを求め、年3%の事業成長を課す。

教員らが発表した声明文中では、政府が主導する「選択と集中」のもとで「安直な数値指標による評価によって現場が疲弊」してきたと指摘。当該法案はこの状況を助長するものと批判し、慎重な議論を求めたうえで、「大学評価と財政配分を切り離すべき」と訴えた。

「横断ネットワーク」呼びかけ人のひとりである駒込武・京大教育学研究科教授は「評価指標を達成しなければならないという圧力が教員・研究室に重くのしかかり、指標に対応するように報告書を作成することも小さくない労力。教員が自分自身の研究に割ける時間は少なくなる」と話す。同団体は参議院での審議開始前に賛同署名を首相などに提出する予定だ。また、法案が可決された場合にも、京大に対し国際卓越研究大学に申請しないよう求めるという。京大は本紙の取材に対し、申請の予定について「検討しているが、応募は未定」と回答した。