iPS研 細胞選別の新手法を開発 世界初のスイッチで(2022.01.16)

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藤⽥祥彦・iPS細胞研究所助教、⿑藤博英・同研究所教授らの研究グループは1月6日、マイクロRNAに応答して遺伝子発現を促進する「マイクロRNA応答オンスイッチ」の開発に、世界で初めて成功したとする研究成果を発表した。この手法と、同研究グループが以前開発した「マイクロRNA応答オフスイッチ」を組み合わせることで、安価かつ大量に、純度が高い細胞選別を行うことができるという。

研究グループが開発した2種類のスイッチの組み合わせが有用な例として、iPS細胞が挙げられる。様々な細胞になる能力を持つiPS細胞を特定の細胞になるよう誘導するとき、別の種類の細胞が混じってしまうが、ここから目的の細胞だけを選び出す必要がある。従来は1つ1つ細胞を調べて精製するフローサイトメーターと呼ばれる手法がとられていたが、費用が高く時間がかかった。今回の手法はこうした問題点を解決したもので、将来的には、iPS細胞から分化誘導した細胞を用いる細胞移植医療の普及につながることが期待される。

細胞では、mRNAの情報をもとにタンパク質がつくられ、mRNAの末端にあるポリA鎖は、mRNAの目印として機能する。研究グループは、ポリA鎖の下流にマイクロRNA相補配列と付加配列を足したmRNAを人工的に設計し、mRNAがmRNAだと認識されづらいようにしたという。この「マイクロRNA応答オンスイッチ」では、マイクロRNAが相補配列に結合すると相補配列が切断され、細胞がmRNAを認識できるようになり、遺伝子発現がオンになる。マイクロRNAがない場合にはオフになる。マイクロRNAは細胞ごとに様々な種類があるが、相補配列を入れ替えることでどんな細胞にもオンスイッチを作製できるという。

今回新しく開発したスイッチと、特定のマイクロRNAがある場合に遺伝子発現がオフになる「マイクロRNA応答オフスイッチ」をそれぞれ別に用いると、いずれも選別し損ねる細胞が生じる問題があった。研究グループは、2種類のスイッチを組み合わせることで不要な細胞を死なせ、正確に細胞選別することに成功したという。この研究成果は、⽶国学術誌「Science Advances」にオンライン掲載された。

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