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対面一転、オンライン提案 11月祭 揺れる開催形態

2021.09.16

8月29日と9月5日に、第63回11月祭全学実行委員会(全学実)の会議が開かれ、今年度の11月祭の開催形態が検討された。11月祭事務局は、29日の会議時点では、飲食物の提供をしない形で対面開催を行う方針を示していたが、5日には一転してオンラインでの開催を提案した。5日の会議では時間内に承認決議が行われなかったため、開催形態についての議決は次回以降の全学実に持ち越された。

29日の全学実で11月祭事務局は、飲食物の提供を伴う企画を取りやめる方針を示した。​​保健所や大学との話し合いで指摘を受けての結論だという。また、▼​​屋内の教室が使用可能な場合▼屋外のみ使用可能な場合▼対面開催が不可能な場合という3段階の開催形態案を提示し、屋内が使用可能な場合を前提として準備を進め、感染状況に応じて開催形態を変えることを提案した。これらの提案内容は、29日の会議において全会一致で承認されていた。

しかし9月5日に開かれた全学実で、11月祭事務局は全面オンラインでの開催を提案した。その背景として、事務局は、大学当局が「対面開催で感染者が出た場合、現状では社会からの批判を受ける可能性があるため、施設の使用を許可することはできない」との見解を示したことを挙げ、「大学が容認しない中で開催に踏み切って感染拡大のきっかけになった場合、次年度以降の11月祭の存続が脅かされると判断した」と述べている。

大学当局との交渉について、11月祭事務局は「当局は断固として対面開催に反対する姿勢である」と説明した。開催場所を吉田南構内に限定する形や学外者の入場を不可とする形の開催も提案したが、当局は「感染者が出る可能性をゼロにできない」として却下した。感染リスクをゼロにできないのは対面授業も同様で、その要求は不合理であるとの事務局側の反論に対しても、当局の意向を無視して対面開催を目指す場合は吉田南構内の教室の利用を認めない旨を述べたという。会議の参加者からは、「世間からの批判を理由にする大学当局の態度は不適切である」「感染可能性ゼロは過大な要求である」との声が多く上がった。また、2年連続で対面での11月祭が行われないことによってサークルの維持に影響が出ることを懸念する意見も出た。

5日の会議は質疑応答の最中に最終終了時刻を迎えたため、承認決議を行うことなく閉会となった。今後の方針について、事務局は「11月祭自体の開催時期を延期する予定はない。全学実の場でオンライン開催について議論しつつ、引き続き当局との交渉を進めていく」と述べている。開催時期の延期を行わない理由としては、延期しても感染者数減少が見込まれないことや、開催延期による出展団体への負担の増加などを挙げている。現時点で、企画登録会等は対面開催を前提に進めていく予定だという。

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