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京大「廃寮しない」 吉田寮提訴の経緯と今後の方針を説明

2019.06.01

吉田寮をめぐり、5月27日、京大は声明を発表し、吉田寮の今後について、「廃寮を行うことはない」とし、老朽化対策後、現棟を引き続き寄宿舎とするとの方針を改めて示した。京大当局は4月26日、吉田寮現棟の明け渡しを求める訴訟を提起しており、今回の文書で、提訴に至る経緯や大学としての今後の方針を説明した。なお、訴訟については、第一回口頭弁論が7月4日、京都地裁で行われる。

文書の中で京大は、寮生の退去後の現棟について、「歴史歴経緯に配慮」して老朽化対策や収容定員の増加等を行うとの2月に発表した方針を改めて示し、「『廃寮』を行うことはない」と表明した。続けて、「責任ある自治は尊重する」としたうえで、入退寮者の決定や居住者の把握を通して「適切な管理を行う」とした。寮の自治に関しては、3月に現棟の占有移転禁止の仮処分が執行された際、寮自治会が執行官に提示した名簿に、すでに京大のあっせんで代替宿舎に転居した学生の名前が記載されていたと指摘し、「居住者の把握もできていないようでは責任ある自治を行っているとは到底言えない」と自治会を批判した。改めて現棟からの退去を求め、寮生がこれに応じれば「老朽化対策を施した学生寄宿舎の提供を早められる」とした。

吉田寮をめぐっては、4月26日、京大当局が寮生20名を相手取って現棟の明け渡しを求める訴訟を提起した。これを受け寮自治会は5月5日付で抗議声明を発表し、訴訟の取り下げと交渉の再開を求めている。

5月28日には、被告となった20名の寮生宛に訴状が届いたという。7月4日11時30分から、第1回口頭弁論が京都地裁で行われる。

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